またまた佐渡での薬局談義で。
白魚を持ってきたワタナベサンに向かって、ご主人が
「このもん、かあちゃん死なすところだった」
と言うから驚いたのなんの。かあちゃんに助けられた話は何度も聞いていたが、まさか、ね。
佐渡河内の桜(2010.4.25)
いやほんとだが、とワタナベサン。
3月、外海府から帰る道路(これが狭いの、大型が通るときは待機場所で待たねばならないくらい、おまけにカーブも多い)
を走っていたそうな。雪がちらつきだして路面にうっすら積もってきたから、なおさらとろとろ走ってそうだ。
ところが、ちょっとハンドル切った途端、車はすべって横の崖に衝突しそうになったから慌てて反対方向にハンドル切った。
さあ大変、今度は海側に車は向かう、ハンドル操作間に合わず、あああっという間に道路下に真っ逆さまに落ちたんですって。
「そん時これまでと思って奥様の手をにぎったの?」と聞く私。
「それはやらんだったなあ。こりゃあ危ねえといったけどさ」とはワタナベサン。
なんといっても右側は崖、左側は海の狭い道路、よく海に突っ込まず浜辺にとまったもんだと思う。
しかも浜辺は道路から1,2メートルは下だものね。
佐渡妙宣寺(2010.4.21)
車体はものの見事にひっくり返って、シートが床状態。
「俺のシートベルトはどういうわけだかすぐはずれたけど、かかあのシートベルトがロックがかかったかなんかして、
携帯電話で叩いても何してもはずれえせん」どうしたもんか困り果てていたら、
嘘でも何でもねえ、いっつも後ろに置いて持っておく道具の中から、
「はさみ」がするする滑ってこっちへ来たっちゃ、ほんとだや。って、いやあ素晴らしい奇跡。
用心深いワタナベサンの日ごろの行いがそのままに出て助かったのね。
「シートベルト切ったら、かかあがああやっと楽になったって言うたっちゃ」
ちなみにワタナベサンは無傷、奥様はろっ骨にひびが入ってしばらく入院したそうな。
佐渡真野公園(2010.4.21)
ワタナベサンの教訓。
『シートベルトは忘れずに。はさみを運転席のすぐそばに置いておく』
『人の悪口言うとるもんは死なせんな』
と言うから私も言ったね。
『この世でいらんもんはあの世でもいらん』だってよ。私が知っとる年寄りが言うとったわよ。
佐渡真野公園(2010.4.21)
私が佐渡に行ったときはもうすでに新車の納車待ち状態だそうで。
御年80歳を超えてもなおその心意気、凄い馬力、かなわない。
マサチャンママが「80越えて新しい車買わんなんかっちゃね」と言ったことは内緒。
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