Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【付下げの別誂え(フルオーダー)第1弾】《下絵編》

2013-12-03 23:46:57 | 着物
先日仮絵羽のお写真をお送り頂いていた別誂え中の水色の付下げですが、早くも
下絵が書きあがったようで、公庄工房様からお写真が届きました


こちらは全体の画像。仮絵羽の記事を見て頂いてもわかる通り、公庄工房様では
付下げも訪問着と同じように、着る人の身長や寸法に合わせて柄付けするため、
通常は省かれる仮絵羽にする作業をきちんと経て、下絵が描かれます

こういう部分でコストを抑えるよりも、職人→顧客という直接注文の流れの中で
流通コストを押さえ、良いものを手にしてもらいたいという気持ちの表れです

既製品はいくつもの問屋を間に挟んで顧客の手に渡るため、かなりのマージンが
上乗せされているので、安価な付下げはできる限り工程を減らして作られている
のが現状ですが、直接注文であれば無駄なマージンが無いぶん、「着物の質」に
こだわって作ることができるのです

限られた予算の中でもこうしてきちんと丁寧なお仕事をして下さる工房なので、
私はいつも心から信頼して制作をお任せできます。本当にありがたいことです


こちらは裾模様の画像です。最初にお願いをした図案は「花の丸」だけだったの
ですが、寂しくならないように流水や周りに散らした花を加えて、全体に動きを
つけた図案を提示して下さいました。その図案がとても良かったので、いくつか
花の変更をしただけで、そのまま採用させて頂きました

上前には私の大好きな牡丹をメインに、梅と橘が配されています。後ろ身頃には
菊の花の丸をあしらっています。


こちらは後ろの右肩~右袖の部分。右袖には上前と同じく牡丹の花の丸を描き、
全体の統一感を出しました。この花の丸は百合か菖蒲に変えようかとも思ったの
ですが、公庄様のアドバイスに従って牡丹にしました。全て違う花にするよりも
一部同じ花を入れたほうがまとまりが良い、ということでした

右肩の部分には散らした小花だけが描かれていますが、これは背中に縫いの一つ
紋が入るためです。紋の邪魔をしないよう、すっきりと仕上げて頂きました


こちらは前の左肩~左袖の部分。左袖には冬の代表花である椿を華やかに描いて
頂き、左肩には楓を配して頂きました

上前にあるお花が春の花ばかりなので、左肩や左袖に秋冬の花を配することで、
前から見ると春秋冬の花が揃って、どの季節にも着られるようになっています

下絵が描きあがったので、この後は糊置き・糊伏せの作業に入ります。