京都旅行2日目のスタートです。
いつもは早起きの娘の声で7時前には起きるのですが、今朝はひとりでゆっくりと
寝れるチャンスですので、7時半ごろまでのんびり眠りました
起きてからお化粧をして軽く朝ごはんを食べて、ゆったりお化粧・ヘアメイク・
着付けを済ませます。時間や娘の様子を気にせずに身支度できるのが、とっても
贅沢な時間に感じます
のんびり身支度したあとは、ホテルから京都駅まで荷物を送ってもらって、少し
早めのランチに出かけました。
昨日はたくさん歩いて回るつもりだったのでお洋服でしたが、今日は着物です。
一人旅なのでホテルのフロントの方にお願いして写真を一枚撮って頂きました
今日は都をどりなどを見に行くので、例年ちょっと良い着物で出かけています。
前年に仕立てた千總の総柄小紋を着てくことが多いので、今年も昨年に仕立てた
ものを。昨年の東をどりで初下ろしをした着物です
水色は焼けやすいのであまり日に当たる時間の多い機会には着たくないですが、
今日は移動は出来る限りタクシーを使って歩くときには日傘をさすことにして、
この着物でおでかけしました。
春の日差しや桜に良く似合うと思って選んだ着物ですが、嬉しいことにすれ違う
方々やおどりのお茶席で近くに座った方などから「春らしくて綺麗な着物ね」と
お褒め頂けて、この着物を選んだ甲斐がありました
着物はシボの高い明るめの青藤色の縮緬地に、御所車を中心として淡いピンクや
朱色を差し色にした御所解き柄が描かれている可愛らしい「千總」の総柄小紋。
帯はサラリとした柔らかいピンクの塩瀬地に、桜や菊や撫子を中に描いた大きな
老松が金彩使いで描かれている染名古屋帯。小紋の柄のピンクに合わせました。
帯揚げは菱形の地模様のある白い綸子地にピンクで葵柄が絞り出された輪出し。
帯締めはオフホワイトとピンクの2色使いになった変わり組紐。
ランチは以前お伺いしてとても美味しかった、清水五条にある半兵衛麩さんへ。
創業三百年という老舗のお麩・湯葉専門店です。こちらの茶房「半兵衛」では、
ランチタイムのみ「むし養い料理」を楽しむことができます
全てお麩か湯葉を使ったお料理なのですが、そのバリエーションの豊かなこと
最初のお膳に乗って来たのは、縁高に入った白米を中心とした様々なお麩料理。
蓋物の中には焼き麩の炊き物。次にくみ上げ湯葉、花麩・鞠麩・湯葉の揚げ物。
蓋物の中はお麩を揚げだし豆腐のようにしたもののみぞれ仕立て。最後の汁物は
白味噌仕立ての生麩に落とし辛子。
もう食べられない
というくらいのお麩&湯葉料理を堪能させて頂きました
都をどりが始まるまで時間があったので、ちょうど半兵衛麩のすぐ近くにあった
「洛東遺芳館」へ。こちらは京都の豪商であった「柏屋」の柏原家の家屋を公開
しているところで、築数百年の日本家屋を見ることができます。
洋風の応接室に純和風のお部屋、お部屋から見る素晴らしいお庭など、建物だけ
でも十分楽しむことが出来ますが、敷地内の蔵を改装した美術館では、柏原家の
コレクションを様々見ることができて、今は節句人形と書画展が開催中です。
遺芳館を後にして祇園四条へ。河原町方面から八坂神社方面へ四条通を東へ歩き
ながら、いくつかのお店でお買い物をしました
京都の有名な観光スポットや四条通りを歩いていると、若い女性の着物姿を良く
見かけるようになりました。観光客向けに、手ぶらで行って着物を着せてもらい
洋服に着替えて帰れる気軽なプランがあるようで、日本人だけでなく外国人客の
姿もありました。最近では修学旅行生向けのプランもあるとか。
着物らしい着物、というよりは、華やかなプリント柄の着物なのですが、お若い
女性達がそういうものを着ているのは可愛らしいものですね。そういう着物から
いつか本物の着物を着たいと思ってくれるようになれば良いなぁと思います。
まずは井澤屋さんでバッグや帯揚げなどを購入。礼装用のバッグをあまり持って
いなかったので、優しいピンク地に七宝柄のもの、黒地に疋田と菊の柄のものを
選びました。それから普段のお稽古用にベージュ地に鈴柄の刺繍のもの。
帯揚げは白い綸子地に山吹色の絞りのものを選びました。
舞扇堂さんでは茶席用の扇子を2種類。春に使える桜の柄と、初夏に使える鉄線の
柄のものを購入しました。茶席用の扇子はひとつあれば良いじゃないか、という
ことを言う方もいらっしゃいますが、私の通うお稽古場では毎月お月謝をお渡し
する際に開いた扇子にお月謝の封筒を乗せてお渡しするので、季節はずれの柄の
ものを持っているのは恥ずかしいのです
そして幾岡屋さんでは簪などを見たあとに、懐紙を購入しました。いつも使って
いる懐紙が最近は近所で手に入らなくなってしまったので、買い溜めしました
その他に金竹堂さんに寄って、来年秋に行う娘の三歳のお祝い用に、簪の注文を
させて頂きました。三歳で舞妓さんのような季節の簪というのはそもそも作って
いないそうなので、別誂えになります。
実は十三やさんでとっても可愛らしい髷を見つけて、これがあれば、髪の少ない
娘でも、鬢さえ作ることができれば新日本髪が結えるかも
と思いまして。
七五三は11月なので、小さな紅葉の豆簪に同色のブラをつけたものと、あわせて
同じ豆簪に銀ビラをつけたものの2種類
まだ1年半も先ですが、また来年も京都に行けるかはわからないので、行った時に
注文してこなければと思っていたのです。
荷物は全部送ってもらうことにして、四条通から花見小路に入って歌舞練場へ。
都をどりは他の花街のおどりと違って大規模なので、バスが何台も来てツアーの
方々がたくさん来ていました
入り口を入ると今年の総踊りの衣装が展示されていました。以前には緑地だった
時期もありましたが、最近では濃淡はあれど地色は水色に決まってきたようで、
肩からの枝垂れ桜もお決まり。裾と袖の模様が毎年替わります
今年は光琳水に扇面の柄。今年は琳派誕生四百年ということで、舞台のテーマも
琳派ですので、それを反映させたのでしょうね
毎年変わるこの総踊りのお衣装。かなりの人数が着るので毎年たくさんの着物が
仕立てられますが、1ヶ月間毎日4公演もしているとかなり傷んでくるのだそう。
その着物の傷んでいない部分を選び、再利用で色々なグッズが作られています。
私はこの衣装の色柄が大好きなので、小さながま口を小銭入れとして着物を着る
時に使っているのですが、今回は大きながま口を買いました。着物の時にカメラ
などを入れるポーチにしようかな
歌舞練場のお庭は純日本庭園で池もあってとっても素敵ですが、枝垂れ桜がまだ
綺麗に咲いていたので、近くにいらっしゃった方にお願いして、桜の下で写真を
撮って頂きました。ありがとうございます
私が見に行った回には別の花街から芸舞妓さんが見に来ていました。からげ姿の
芸妓のお姉さん数人と、お座敷着を着た舞妓さんが3人で、1人はお姉さんの舞妓
さん、2人は出たての舞妓さんでした。
お茶席ではちょうど前の方の席に座ることが出来て、良い場所からお点前を拝見
することができました。今日のお点前は満友葉さん、控えはまめ柳ちゃん。
まめ柳ちゃんはまだ先月店出しをしたばかりの本当に出たてさんなので、今日の
お茶席以外は舞台にも出番は無し。緊張しながらお運びする姿が初々しいです
お茶席でお饅頭とお抹茶を頂いて、プログラムを購入して、いざ座席へ。今回は
二階席になってしまったのが残念ですが、前から2列目だったので、舞台はとても
よく見えました。
約1時間夢の世界に浸ったあとは、近くの建仁寺で一休み
風神雷神図や法堂の双龍図、方丈庭園や茶室「清涼軒」「東陽坊」などを見て、
その後はお庭を見ながらのんびり。
潮音庭は緑が豊かで渡り廊下も美しく、のんびりゆったり、お庭を見ながら寛ぐ
ことのできる場所です。たくさんの人が庭を眺めながら思い思いに過ごしていて
私もなんだか眠くなってしまいました
ゆったりとした時間を過ごした後は、少し歩いて宮川町へ。祇園甲部と違って、
団体の観光客や外国人観光客などがあまりこない街ですので、おどりのこの時期
でもあまりザワザワしていなくて、静かな花街の様子を楽しめます。
こちらのお茶席は点前座と客席が近いためか撮影禁止なので、お茶を頂きながら
自分の目でしっかりと芸舞妓さんの美しいお姿を見せて頂きました
プログラムを購入して席に付き、1時間の素晴らしい舞台を堪能させて頂きます。
こちらでも2階席だったのですが、一番前の列でした。隣は別の街の芸妓さんが
お客様と一緒にいらしていたようです
若手の芸妓さんが定着するようになったからか、2年前に見に来たときに比べて、
全体のクオリティがとても上がっていたように思いました
美人さんの多い街ですので、美しいお姿を堪能させて頂き、舞妓さん達の衣装も
しっかりと目に焼き付けてきました
おどりを見終わるともう5時半。8時過ぎの新幹線まではまだ時間がありますが、
着物のまま新幹線移動をすると疲れるので、着替えてから新幹線に乗ることに。
帰ったらすぐに寝られるよう京都タワーの大浴場で着物を脱いでお風呂に入り、
洋服に着替えて新幹線に乗りました
京都タワーの大浴場は初めて使いましたが、こういう時にはとても便利ですね。
風呂敷一枚のスペースがあれば着物を畳めるので、脱衣所の端で畳ませてもらい
キャリーケースに詰めて、帰宅してすぐにハンガーにかけて湿気を抜きました。
この2日間あまり予定を詰め込んで疲れないようにのんびりとした旅行でしたが、
美味しいご飯に綺麗な桜に素敵なお買い物に素晴らしい踊りと、本当に堪能して
満足できた京都旅行でした
娘の世話を引き受けてくれた夫に、本当に感謝しています