おやつの作り方

　最近の夫は「お腹空いた～」と帰宅する事が多い。

「私、昼食べてへんねん。」

え～っ。もう９時半回ってんで～。朝からなんも食べてへんのぉ？仕事が忙しくて、昼食の時間が取れないらしい。さすがに、私も心配になる。

　「それ、まずいんちゃう？体に悪いよ」

　食事を抜きで働くと、血中濃度が高くなると本で読んだ事がある。
ただでさえ、通風の持病があるというのに。

「血液が濃くなるから、なにかおやつでも食べた方がいいよ」

「おやつ、もうなくなったんや」
　
　そうかいな。

「そうや、これ持っていって。今日友達が持ってきてくれた最中」

　夫は大の和菓子好き。大事そうにカバンに入れた。ちょ、ちょっと。
待てよ。

　頂いた最中は、非常に上品なもので。一つの小袋の中に、一口大の最中の皮２枚とあんが、それぞれ別に個別包装されている。私でさえ、これ何や？と思った位。

　食に興味のない夫が、あんをちゃんと皮に挟んで食べれるかしら？

「パパ、あれ、あんと皮が別々になってるから。ちゃんと挟んで食べや」と念の為言っといた。

　「え～っ。夕べ私、そのまま食べた～。」

　やっぱり。

「ややこしな～。どうしよう」と夫は迷惑そう。

「なんも、ややこしあれへんがな。わからんかったら、そのままたべとき」
お腹の中で最中になるから。

　もうっ！あんこ位自分で包み！わざわざあんさんの職場に、最中のあんこ挟みに行けまへん！