先日、テレビで小澤征爾のインタビュー特集を行っておりました。残念だったのはインタビュアーのNHKの有働アナウンサーが、クラシック音楽については経験が浅いためか、小澤征爾に対する質問が紋切り型になっており、彼が音楽をかたち創る時の本質的な部分について、今ひとつ明確に引き出せなかったことです。
しかし、その中でも彼が言っていたことの1つ、作曲家が残した譜面への解釈は、演奏家その人の過去の人生の様々な経験が積み上がって、年を経るにつれ、いわば熟達していくものであるとの箇所は、確かにそのようであると思いました。
というのは、作曲家が譜面(楽譜)に書くことができることには、そもそも限界があるため、演奏家の解釈の余地が、録音技術の発達も相俟って、近年は随分と領域を拡げているからです。
今日届いたJ.S.Bachのハープシコードコンチェルトで、このことを改めて思い知りました。このよく知られたバッハの曲に対しての演奏家の解釈に基づく即興の部分が、ここまで嫌みなく新しい極致にまでこの作品を仕上げていることに、いささか感動しました。
ヴァイオリンと指揮は、あのトレバー・ピノックのイングリシュ・コンサートの後を継いだアンドリュー・マンゼ。
ピノックは演奏会にも行って彼のサインまで貰ったことがあり、LPレコード中心にかなり聴き込んでおりますが、このマンゼの演奏は、そう言われればイングリシュ・コンサートの面影はあるものの、実に斬新で現代的な解釈を、このバッハの有名なコンチェルトに対して施し得ております。
このCDに収録された3曲のコンチェルトは、筆者も過去40年間で、数え切れない演奏家の演奏をLP、CDや生で聴いてきましたが、それでもなお、このマンゼと、リチャード・エガーのハープシコードなどによる、アカデミー・オブ・エンシャント・ミュージックのCDには新鮮な驚きを感じました。
2001年のデジタル録音ですが、最近、ハーモニア・ムンディから発売されております。
バッハファンのみならず、バッハ音楽への入門用として、初めての方にもお薦めのCDです。
しかし、その中でも彼が言っていたことの1つ、作曲家が残した譜面への解釈は、演奏家その人の過去の人生の様々な経験が積み上がって、年を経るにつれ、いわば熟達していくものであるとの箇所は、確かにそのようであると思いました。
というのは、作曲家が譜面(楽譜)に書くことができることには、そもそも限界があるため、演奏家の解釈の余地が、録音技術の発達も相俟って、近年は随分と領域を拡げているからです。
今日届いたJ.S.Bachのハープシコードコンチェルトで、このことを改めて思い知りました。このよく知られたバッハの曲に対しての演奏家の解釈に基づく即興の部分が、ここまで嫌みなく新しい極致にまでこの作品を仕上げていることに、いささか感動しました。
ヴァイオリンと指揮は、あのトレバー・ピノックのイングリシュ・コンサートの後を継いだアンドリュー・マンゼ。
ピノックは演奏会にも行って彼のサインまで貰ったことがあり、LPレコード中心にかなり聴き込んでおりますが、このマンゼの演奏は、そう言われればイングリシュ・コンサートの面影はあるものの、実に斬新で現代的な解釈を、このバッハの有名なコンチェルトに対して施し得ております。
このCDに収録された3曲のコンチェルトは、筆者も過去40年間で、数え切れない演奏家の演奏をLP、CDや生で聴いてきましたが、それでもなお、このマンゼと、リチャード・エガーのハープシコードなどによる、アカデミー・オブ・エンシャント・ミュージックのCDには新鮮な驚きを感じました。
2001年のデジタル録音ですが、最近、ハーモニア・ムンディから発売されております。
バッハファンのみならず、バッハ音楽への入門用として、初めての方にもお薦めのCDです。