新年も早いものでもう365分の3を経過しようとしています・・・。
3日は箱根駅伝で東洋大学の連覇をテレビで見届けた後、チャンネルをNHK教育にスイッチ。東京ドームで行われた関西大学カイザーズ対鹿島ディアーズによるライスボウルを観戦。
関西大OBとして手に汗を握る接戦。甲子園ボウルで見せつけたRB藤森や、QBなのに「投げれるRB」という異名のついた原口らのプレーに期待したのだが、案の定マークがきつく力を発揮できず。その中で、インターセプトからのTDを奪って先制点を挙げるなど、ディフェンス陣の頑張りが目立った試合だった。第3Qを終えて関大が16対10とリードしていたのだが、最後に社会人の経験がモノを言ってFG2本で同点。最後は「ラスト4秒」の実質最終プレーでFGを決められて19対16で敗戦。
「最後の最後でFGを阻止しようと、攻めの姿勢を見せる関大ディフェンス陣です」というアナウンサーの言葉にグッと来たし、社会人相手に真っ向勝負を挑んでこういう試合を繰り広げてくれ、最後まであきらめないプレーを見せてくれたカイザーズの皆さんに、石を投げても当たらないような一OBだけど賞賛の拍手を送りたい。ライスボウルの長い歴史の中でもなかなかこういう試合というのはなかったことらしいし。
・・・さて、年越し四国紀行の続き。
大晦日の未明、徳島の駅前は雨だった。年末にかけて寒波が来ているとかで、「太平洋側」の徳島でも雨ということだ。この日の行程はコンディションの悪い中かな。
徳島発6時11分の阿波池田行きで出発。「よしの川ブルーライン」という愛称のある徳島線だが、冬の夜明けは遅く、暗闇の中を淡々と進む。おそらく前の晩から飲み明かしたと思われるグループ客はいるが、それを除けば乗客もほとんどない。
縁起ものの入場券で人気の「学」駅に来たのが7時前。このあたりでそろそろ外が明るくなってきた。少しずつ明るくなる空の下、「四国三郎」の吉野川の流れが見えてくる。治水工事が行き届いたせいか、土手の内側にはほとんど水流がなく、砂利が姿を現している。
さてこのような早い時間の列車に乗ったのは、徳島線のどこかで途中下車しようというもの。沿線の観光名所といえば「うだつの町並み」ということになる。中でも有名なのは脇町のそれという。脇町には以前訪れたことがあり、特別な保存地区の中で道の両側に並ぶ「うだつ」をいろいろと見てうなったものだ。ただその時はレンタカーで訪問しており、徳島線からだと穴吹が最寄駅だが、駅からちょっと距離がある。
その中で私はどうしたか。結局穴吹では下車せずにそのまま乗車し、2つ先の貞光で下車。駅のホームには剣山への玄関駅であることが示されている。駅としては無人駅だが、駅舎の中に売店が入っており、いわば駅の業務を委託しているようなもの。コインロッカーもあり、家出同然の量の私のバッグも預けることができた。
さて貞光で下車したのは別に剣山に行くわけではなく、「二重うだつの町並み」というのに引かれたため。脇町は上記の事情で訪れたことがあるため、それだったら「二重とはいかなるものか」ということで行ってみようというものだ。駅から程近いということもある。
それはそうとやけに寒く、徳島駅前では雨だったのがこちらでは雪になっている。駅前から歩くと、古びてはいるが鮮やかな建物に出会う。これが「貞光劇場」である。その昔といっても大正から昭和にかけてか、ちょっとした町には必ずあったという映画館。この「貞光劇場」もその当時には地元の人たちの娯楽スポットとして賑わったことだろう。当時のムードを今に伝える数少ない建物である。
この劇場は現役の映画館として使われているようだ。ただ、近くによって見るとこんな感じの看板が・・・・。思わずこの後の旅程を全て変更して貞光に滞在しようかと・・・・。
いわゆる「Vシネマ」というやつですな。いいなあ(←どういう意味で??)。こういうのが上映されているということ自体が、場末のローカルな雰囲気を余計に醸し出しているように思うのだが、どうだろうか。
さて、貞光の「二重うだつ」というのは、脇町のように特別に保存された町並みというのではなく、現役の地元商店街の店の間に混じっている古い建物である。観光色はないが、ありのままの姿を見せてくれるというか。
二重うだつの特徴として、通りに面したほうにさまざまな意匠を凝らした彫り物が見られるというのがある。なかなかに縁起物をあつらっており、往年の勢いというのを今に伝えてくれるような感じだ。
ただそんな町並みも片道10分ほどで終わりになる。次の列車まで時間があるので吉野川の堤防まで行ってみたり、国道沿いのコンビニで時間をつぶしたりした後に次の阿波池田行きの列車となる。
阿波池田に到着。雪も強くなり、真冬の盆地の小駅の風情を漂わせる。ここからは少し南へ、大歩危に行くことにする。やってきたのはアンパンマンの塗装をした特急。この辺りは鈍行の本数が少ないため、全体的にスムーズな旅程のために特急も利用することになる。
そしてやってきた大歩危。こうやって駅に下車するのは初めてである。こういう山間の小駅というのもローカルムードを盛り上げる。ここでは2時間あまりの時間を作っているのだが、駅前でボンヤリしても仕方ないので、雪の舞う中を歩いて今来た方向を歩いて逆に戻る。
20分でやってきたのはドライブインのような建物。実はここで大歩危の川下り遊覧船を運航しているという。係の人に聞くと、大晦日、しかも朝から雪が舞うという天候ではあるが運航しているとのこと。ただし不定期とかで時間を訊ねると、11時30分発という。おそらく、運航は30分間隔で設定しており、客があると運航しようというものだろうか。
ドライブインがあるところから船着場までは結構階段を下りる。それだけ切り通しのキツイところなのだろう。11時30分発の便には私のほかには家族連れが二組乗ったが、よくそれだけ需要があったものだなと思う。
というわけで、こんな感じで大歩危の渓谷を船で回る。鉄道や国道から川を見下ろすと、いわゆる急流というところでもゆったりと流れているように見えるのだが、こうやって川面に身を置くとムチャクチャ速く感じる。
ましてやこの冬の天候である・・・たまたま私の乗った時間がそうだったのか、風、雪ともに強くなり、乗り場に置いていた傘をさしたとしても上半身は結構ビショビショになる。ムチャクチャ寒い。
行程20分(普段なら30分のところ、悪天候で短縮したみたい)の間、他の乗船客とともに寒さに震えながらの行程。雪見船なんてそんな優雅なもんとちゃいまっせ・・・・。
渓谷で身体を冷やした後で上の売店兼食堂で昼食をとり、大歩危の駅まで歩いて戻る。やってきたのは12時50分発の阿波池田行き。ロングシートが並ぶ気動車だが、運転台の横に立って前方を眺める。ちょうど四国の山間ということで雪が積もるところが多く、吉野川が切り開いた渓谷よりも高いところに住む人たちはこの先どうなるのかなと、いらんことを心配してしまう。
阿波池田に到着。ここで次の多度津行きの鈍行列車(実質は同じ車両が使われます・・・)で徳島県から香川県に移動する。その様子はこの次ということで・・・・。(続く)