帰宅してCS放送をつけるとちょうど昨年のパ・リーグクライマックスシリーズ第5戦の録画をやっていて、ロッテからメジャーを希望しながらも結局は西宮狂虎軍に入団した小林宏が投球をしていた。最後は福岡のファンの落胆の雰囲気がスタジアムからも伝わってきたものだ。
さて、その福岡にかつてあった球団が西鉄ライオンズ。
パソコンでサンスポのコラム「甘口辛口」のバックナンバーを読むうちに目に止まったのが、「西鉄ライオンズ研究会、NPO化」という記事である。
この研究会は西鉄ライオンズの熱心なファン約20人で構成されており、関連資料の収集や、西鉄の栄光を後世に語り継ごうという活動をやっているそうだが、その活動を本格化させるにあたりNPO法人としての活動を申請したとか。法人としては資料の展示や発表などの活動を行うそうである。
九州大学では「西鉄ライオンズの経営史」ということで、地方におけるプロ野球の経営や、福岡において西鉄ライオンズがどのような存在で、戦後の復興、地域活性化にどのような役割を果たしたかということを研究するゼミというものもできているとか。今でこそダイエー→ソフトバンクが九州の顔として人気を集めているが、福岡の人たちの思いというのはやはり「西鉄」なんだろうな。特にライオンズのファンというわけではないが、こういうテーマの話なら何時間でも聞きたい、付き合いたいという気がする。
で、翻ってわれらがオリックス・バファローズはどうだろうか。阪急、近鉄、オリックス(ブルーウェーブ)という、歴史は幾層にも重なり、また今季からのユニフォームなどの一新は「新しい伝統」ということが念頭に置かれている。ただ、そこにあって昔を顕彰しようという動きがそれほど見られないのが残念である。南海ホークスにあっては永井良和氏の名著などもあるのだが、阪急、近鉄はどうだろうか(元近鉄応援団員とかいう肩書きの、Sという人の作品はあまり評価していません)。もっと福岡のような活動があってもいいのではないかと思う。
交通新聞社叢書に「国鉄スワローズ」という、鉄道の観点からの野球関連作品があるのだから、今度は私鉄経営と関西人の気質を絡めた作品というのを出しても面白いと思うのだが、果たしてどうだろうか・・・?