まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第10回四国八十八所めぐり~高岡郡を横断

2017年07月18日 | 四国八十八ヶ所
高知から窪川に向かうのは11時59分発の鈍行。窪川まで2時間かけて走る列車は1両のワンマン気動車。途中の須崎までだと鈍行も1時間に1~2本走っているのだが、その先となると1日8本とか、その程度。特急も日中は2時間に1本ということでなかなかのものだ。

今回列車で・・・というより高知の西部に行くことじたいが12年ぶりである。今は閉鎖した前身のブログに記事は書いたがそのデータもなくなったので書き起こすことはできないが、その時は高知から始めて中村と竜串に泊まり、今回目指す足摺岬の金剛福寺にも行っている。その後は松山に出て、この年(2005年)に発足した四国アイランドリーグの愛媛対徳島を坊っちゃんスタジアムで観戦している。その時は岩本寺には行っていないし、金剛福寺も足摺岬観光の時に「ここに寺があるんや」と見た程度である。アイランドリーグは、当初は高知でも観戦を予定していたが雨天中止だった。この時と比べて、四国を訪れる目的が変わったのは(変わっていないものもあるが)妙なものである。

1両の列車は地元のお年寄りや学生で立ち客も大勢出る混雑。買い込んだ昼食は後回しにするとして、まずは高知の市街地を抜ける。高知城の天守閣を遠くに望み、その手前には第30番の奥の院で、一時は廃寺となった善楽寺の代わりに30番札所を名乗っていた安楽寺の裏を通る。

途中駅での乗降もあったが、伊野である程度まとまった下車があった。前回は土佐市の高岡、宇佐という辺りの札所を回り、バスで戻ってきたのがこの伊野だった。ここまで第1番から第36番までに回った見覚えのある景色を見てきたが、伊野で交通的にも前回からの再開ポイントとなる。仁淀川を渡り、山がちな区間に入る。この辺りからは現在も高岡郡を形成する町が続く。

次に下車が多かったのは佐川。ホームには高知ファイティングドッグスのチームスローガン「勝気」の幟が何本も並んでいる。風向きの関係で、写真では裏側から撮ったような形になっているのはご愛敬として、こちらには選手の合宿所があり、町もホームタウンの一つとしてPRしている。ファイティングドッグスといえば、今年の前期にプレーしたあのマニー・ラミレスだが、おそらく前期だけのプレーで契約満了につき退団・・・と思われていたのが、後期も再契約したというのが話題になっている。「マニーが高知を気に入った」というのが再契約の決め手だとか。現在前期と後期のインターバルで、チームは対外遠征中とのことだが、今月終わりの後期開幕から登場するかどうか。

列車は須崎市に入る。多ノ郷は郊外型の大型店舗が並ぶところで、入江を回り込むようにして須崎に到着する。須崎というと漁港のイメージが強いのだが(高知・須崎港からの直送・・・というのも海鮮系居酒屋によくあるキャッチコピーである)、改めて列車で来てみると大型設備や大量の木材が並んでいる。現在はセメントや木材の積み出しでも大きな役割を果たしているという。リアス式海岸の入江で天然の良港であるが、過去には地震による津波で町も大きな被害を受けたことがある。

この須崎から土佐久礼までは海沿いを走る。安和駅はホームのすぐ前に海岸がある。八十八所めぐりも所々で黒潮と出会うことができる。ここまで来ると高知からだいぶ西に来たようで、乗客も学生が何人かいる程度。高知から乗り通しているのは私くらいのものかなと思う。いつしか昼食もお腹の中である。

13時55分、窪川に到着。この先土佐くろしお鉄道で中村方面には5分の接続で、急いでそちらに向かう人もいるが、私はとりあえずこの日最初の目的地がここなのでゆっくりと改札を出る。ゆっくりと改札を出たのは、予土線のホームに「ホビートレイン号」が停まっていたり、その裏の側線には同じ予土線を走るトロッコ列車の黄色い車体が見えたからである。予土線は列車本数は少ないが「しまんとグリーンライン」として、車両を観光用に改造するなどして観光PRに熱心である。八十八所めぐりをする中では予土線の沿線は通らないのだが、この路線も久しく乗っていない。またいずれ、鉄道を楽しむということで乗ってみたいところである。

さて、いつもながら札所へのアプローチが長いこのブログであるが、朝6時45分に大阪を出発して7時間以上過ぎたところで、ようやくこの日の札所である・・・。
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