まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第20回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~熊本電鉄に乗車

2025年01月18日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

まだ昨年末のことを書いているが、12月29日、玉名にある蓮華院誕生寺に参詣後、熊本市内を回るべく鹿児島線で上熊本に到着した。ここから、初乗車となる熊本電鉄に乗ることにする。

熊本電鉄は上熊本~御代志の菊池線、途中の北熊本~藤崎宮前の藤崎線という2つの路線があるが、現在の運転系統では、御代志~藤崎宮前がメイン路線の扱いで、上熊本~北熊本間が支線の扱いとなっている。

熊本電鉄の上熊本はホーム1本だけの駅。ここから北熊本行きに乗る。駅舎にくまモンがデザインされる中、これもくまモンのラッピングが施された車両がやって来た。どこかで見たことがある車両と思うが、以前は東京メトロ銀座線で走っていた車両である。軌間や集電方式が違うなと思うが、そこは熊本電鉄仕様に改造したという。

くまモンのラッピングは熊本だからありかと思うが、私が驚いたのは車内吊りの広告。ロート製薬の目薬の広告なのだが、文面が中国語、それも繁体字なのである。他に、列車の乗り方指南も繁体字で書かれている。大陸で使われている簡体字ではないということは、台湾からの観光客に向けた広告であり案内であるといえる(簡体字を使う大陸の人も意味はわかると思うが・・)。熊本と台湾のつながり・・観光客が先か半導体メーカーが先かというのはあるが、熊本城に行くわけでもないこの電車に台湾の人がわざわざ乗りに来るのかな?

時間となり発車。住宅が建ち並ぶ中をのんびり走る。2両編成だが、駅によってはホームが短く、2両目の車両が途中までしかかからないところもある。そこはワンマン運転で、先頭車両からの乗り降りなので支障はないようだ。

北熊本に到着。ここで御代志行きに乗り換える。ちょうど御代志から来た藤崎宮前行きは、これも東京メトロ日比谷線からの譲渡車両である。日中は北熊本で御代志行き、藤崎宮前の行き違い、そして上熊本行きとの接続がいっぺんに行われるダイヤのようだ。

そこに来た御代志行き。これも私にはなじみ薄いがどこかで見たことがあるような車両である。乗り込んで車内を見る中で、かつて静岡鉄道で走っていた車両とある。経営が厳しい路線が多い地方の私鉄、他の鉄道会社からの車両を譲り受けるなどして何とかやり繰りしている実情がある。見る人によってはそれが地方私鉄の楽しみの一つでもある。

近郊区間をガタゴト走り、合志市に入る。三ツ石は九州自動車道にある西合志バス停に近く、高速バスの時刻表も掲示されている。後で調べたが、福岡~熊本の高速バスが30分に1本(土日祝日ダイヤでは20分に1本)走っており、博多、天神まで1時間半ほどで結んでいる。合志市には初めて訪ねたが、熊本の玄関口の役割もあるようだ。

北熊本から20分で終点・御代志に到着。ホーム、駅舎ともに新しい。駅が新しいのは、2022年に合志市の御代志地区の土地区画整理事業によるもので、この辺りの熊本電鉄の線路や駅を移設したという。

「みよし」といえば広島県民の私としては「三次」に変換されるのだが・・。

御代志から折り返しの列車に乗ってもよいのだが、時間があるので1つ手前の再春医療センター前駅まで歩く。御代志駅からすぐのところに再春医療センターがある。「再春」から連想するのが、熊本にある再春館製薬。ドモホルンリンクルとか、オリンピックのメダリストを輩出しているバドミントンチームで知られる。

再春医療センターは再春館製薬が運営する病院なのかなと思ったが、この施設は戦前に傷痍軍人の療養所として創設された国立のものである。そもそも再春館製薬じたい、同じ熊本でも益城町が拠点である。ただ、それぞれ「再春」の言葉が使われていることには何か意味があるだろう。調べてみると、江戸時代の熊本細川藩の時に医学のための藩校「再春館」(現在の熊本大学医学部、薬学部につながる)が由来のようである。

ここから藤崎宮前行きに乗車。

北熊本の側線に、熊本電鉄で走っていたかつての東急5000系(通称・青ガエル)が停まっている。行き違い停車の間に反対側ホームから団体客が線路を渡るが、その話し声は中国語である。駅舎には「團體出口」もあり、そちらに向かっている。実際に台湾から熊本を訪ねるツアーというのがあるようだ。それにしても、熊本電鉄の上熊本~北熊本に乗るというのはどういう意図なのだろうか・・。

行き違いとなる御代志行きとすれ違い、北熊本からは藤崎線に入る。建物が密集する中、その間をギリギリで抜けるように走る。終点の藤崎宮前は駅ビル「熊電プラザビル」と一体化した駅である。

藤崎宮前駅に来たということでこの後は藤崎宮に参拝し、そのまま歩いて九州八十八ヶ所百八霊場の第56番・金剛寺を目指すことに・・・。


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