第20回となる九州八十八ヶ所百八霊場めぐりのお出かけは12月28日~30日の2泊3日のコース。初日となる28日は広島から九州を目指す「青春18きっぷ」と特急「あそぼーい!」乗車で車窓を楽しみ、ちょうど日が暮れた肥後大津で終了。
この日は肥後大津駅近くのルートインに宿泊。肥後大津は阿蘇くまもと空港の最寄り駅で、無料のシャトルバス「空港ライナー」で15分ほどでアクセスできる。また豊肥線といえば隣の菊陽町に台湾の半導体メーカーの工場が進出するなどビジネスの需要も見込まれ、全国チェーンのホテルも点在する。まずは部屋に荷物を置き、一献ということで外に出る。
向かったのは駅の北側にある「大津駅前炭火焼&郷土料理 DAMEDORI(駄目鶏)」。入口に「馬刺し」「天草大王」の幟が立つ。大衆酒場のように安く飲める・・とはいかないが、せっかくなので熊本の味を楽しむことにしよう。店じたいまだ新しい感じで、カウンターの隅に陣取る。
まず出てきたのは馬スジ煮込み。煮込みといえば牛肉のイメージが強いが、さっぱりとした味わいが馬肉の特徴である。店ごとに醤油ベース、味噌ベースなどそれぞれの味を楽しむのもよい。レトルト品も各地の土産物店で取り扱っており、後日旅の出来事を思い出しながらいただくのもよいだろう。
今回の一献のメインとしたのは、希少部位とされる馬のレバ刺し。レバ刺しといえば・・ということでまた牛肉を引き合いに出すのだが、牛のレバ刺しは2011年に発生した食中毒事件の影響で飲食店での提供が禁止された一方、馬についてはその生態として食中毒を引き起こす菌類を持っておらず危険性が低いとして店で出すことができる。もっとも、提供にあたってはさまざまな管理が義務付けられているため全国どこの居酒屋でも・・とはいかず、馬肉を食べる地域ならではの一品だろう。日によっては入荷がなかったり早々に売り切れたりするそうだ。
それにしても、生き物を見て「刺身」で食べたいというのは日本人の習性なのだろうか。世界を見渡すと馬肉を食べる習慣がある国や地域はいくつもあるだろうが、その中で馬刺しにする(それもいろんな部位がある)、さらにレバまでも刺身でいただこうというのは・・。
今回はもう一方の雄として地鶏・天草大王を炭火焼きでいただく。こちらは復活した地鶏のブランドで、しっかりした味わいである。
熊本の定番ということで注文したのがからし蓮根。肥後細川藩で殿様に献上されたことから健康食として広まった郷土料理である。辛子味噌が結構鼻にツンと来るが、これがこの一品の美味さ。さまざまな栄養素が含まれており身体も温かくなったように感じる。また、これは熊本の郷土料理というわけではないがにんにくの丸揚げもいただく。これでこの年末年始、栄養十分で万全に過ごせると思ったのだが・・・。
熊本といえばということで、ビールの後は米焼酎の白岳しろをちびちび。合わせて箸休めとして注文したのが「こる豆」。初めての一品である。メニュー表に「大津名物」とあったが、これも熊本の郷土料理という。
納豆を天日干しで乾燥させた保存食で、その起源は加藤清正が朝鮮出兵に参陣した時、馬に積んでいた煮豆が馬の体温で発酵して「香る豆」になったことから「かおる豆」→「こる豆」と呼ばれるようになったという。初めて知った一品だが、これはまた機会があればいただきたいと思う。熊本駅の産直品コーナーあたりで売っていないかな。
賑やかな店内でしかるべく飲み食いし、ホテルに戻る。この夜はルートインならではの「旅人の湯」に浸かり、ゆっくり休むことに・・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます