昨年末の12月29日、九州八十八ヶ所百八霊場めぐりで玉名、熊本市街を回り、この日は熊本で一泊である。コースの都合上、上熊本から熊本市電に乗る。こちらの市電だが、決済方法が多岐にわたっている。現金のほか、全国交通系ICカード、PayPayやd払いなどのQRコード決済、そしてクレジットカードやスマホによるタッチ決済・・と何でもあり。現在、タッチ決済に対応した機器を導入するため全国交通系ICカードの利用が停止されている熊本県内のバス路線、また熊本電鉄とは対照的である。
ガタゴト揺られ、洗馬橋電停で下車する。電停横にはたぬきの銅像、そして童謡「あんたがたどこさ」の歌詞が書かれた菓子店の看板がある。「あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ 船場さ」にある「船場」とはこの辺りとされている。ただ、この後の「船場山には狸がおってさ」となると、近くに山というほどの山は見えないし、どうなのかと思う。この「あんたがたどこさ」、一説では埼玉の川越が発祥ともされている。
ただもう一方、「あんたがたどこさ」の歌詞を見ると「電線音頭」が頭に浮かぶ。「それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ ヨイヨイヨイヨイ オットットット・・・」。昭和の時代。
電停から少し歩き、この日チェックインしたのが、スーパーホテルLohas熊本天然温泉。前日の肥後大津のルートインとともに、全国チェーンのホテル宿泊となった(さすがに市街地にあるこの部屋は、カーテンの向こう、すぐ隣には別のマンション?ビルがあって眺望はなく)。ただスーパーホテル独特のよさも感じられる(部屋の鍵が暗証番号方式なので、部屋を出るたびにエアコンのスイッチが切れずに済むのはありがたい)。
部屋に荷物を置き、まずは天然温泉・火の国美肌の湯に入る。浴槽は若干狭いのだが早い時間ということで他に客もおらず、ゆったりと浸かる。
しばらく部屋で休み、一献ということで市電に乗る。今度は別系統の河原町から乗車。中心街に近い辛島町で下車する。
今回向かったのは新市街のアーケード。年末ということでどの店も混雑しているだろうというのと、熊本の料理や酒がさまざまあるというので予約したのが「遊食亭 えくぼ」。前日に続いて熊本名物をあれこれ楽しむつもり。ただ予約も詰まっているため、1時間半ラストオーダーの2時間制といわれる。
本日のおすすめとともにメニューを見てあれこれ考える。馬肉メニューもあれこれある。
まずは前菜として人文字ぐるぐる。そして馬ホルモンの味噌煮込み。前日はすじ煮込みだったかな。ホルモン煮込みもなかなかの一品だった。煮込みがあるということは、熊本には馬のホルモン焼きを出す店もあるのだろう(今回スーパーをのぞく機会はなかったが、熊本のスーパーの肉コーナーには馬肉を置いている店があるのかな)。
メインは馬刺し。赤身、タテガミ、フタエゴの三種盛りである(さすがに、霜降りが加わるが1000円プラスとなる「上」を注文するまでの勇気はなかった)。これらを単品、あるいは2種、さらには3種をいっぺんに口にして味のバリエーションを楽しむ。
メニューを見て気になったので注文したのが、地獄蒸の焼豚足。大分県に接する小国町の名物とあり、地熱の蒸気でじっくり蒸しあげ、その表面をあぶった一品である。外はカリッと、中はトロトロの味わいを楽しめる。
その間に焼酎も進む。定番の白岳しろに加え、この札所めぐりで出会った人吉の武者返し、川辺といったところをいただく。普段積極的に焼酎を注文することがないのだが、熊本県内に入り米焼酎を口にすることが多かった。これも札所めぐりで得たご縁である。
料理の最後に出たのは、時間をかけて調理されたカンパチのかま焼き。身がぎっしりと詰まっており食べ応えがあった。ここでラストオーダーとなり、次の客もいるので速やかに店を後にする。
この後はしばらく繁華街をぶらつき、桂花ラーメンの本店を見つけたので入る。熊本のラーメン店と聞いて連想するのが桂花ラーメンと味千ラーメン。味千のほうはこの札所めぐりの途中、たまたま国道沿いで見つけた水俣店に入っている。これで一応、両方押さえたことになる。
市電に乗ってスーパーホテルに戻る。このホテルの1階「旅彩」にも郷土料理がいろいろあったようだ。ここなら多少安く上げることができたかな・・と思いつつ、まだ開いていたフロントのウェルカムバーに向かう。各種アルコールの中に白岳もあり、趣向を変えてソーダ割でいただく。
この後は再び天然温泉・美肌の湯に入り、部屋でゆっくりしていた。
・・・夜遅く、スマホが鳴った。実家の母の様子がおかしくなったので、早く大阪に帰省してほしいとの声であった。当初の予定では翌12月30日は熊本城見物、そして青春18きっぷを使って広島に戻り、翌31日から高松へ移動、そして年明け、元日に大阪に帰省することにしていた。ただ、そうも言っていられないようだ。
この時間からではどうしようもなく、翌朝、身支度もあるのでいったん広島に戻り、準備をした後に大阪に向かうことにした。ということで、熊本城見物は見送り。また青春18きっぷ5日間用の元は取れないことになったが、仕方ない。
朝食後に市電で熊本駅に出て、熊本から大阪市内までの乗車券、そしていったん下車する広島までの新幹線特急券を購入した。結局正月いっぱい、そして仕事始めからしばらくは実家にて過ごすことに・・・。
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