3月20日予定のNPBプロ野球の開幕が延期されることになった。まあ、こうした状況であれば致し方ないところだが、ならばいつ開幕になるのか、どういう状況なら開幕してもよいと言えるのか、そこはまだこれからのようである。東日本大震災の時は電力事情や交通事情などを勘案し、一部は開催球場を変更する対応もできて、まだ計算を立てることができたが、今回は出口の見えないウイルスである。例えば2週間延期するのか、大型連休のところでいいのか判断がつかないだろう。一ファンとしては早期の収束を願うしかない(3~4月はすでに何試合かチケットを購入しているのだが)。
そんな中で、国会での人をバカにした安倍の薄ら笑いには殺意を覚える。安倍はこの混乱に乗じて非常事態宣言を出して、国民の財産から自衛隊までまるごと我が物にして、独裁者ごっこをやるという。それを止めるなら実力行使しかないだろう。
個人が何を言っても何にもならないし、どうせ今の仕組みではそうなるのだろうから、せめて国民が安倍に殺されるまでは淡々と記事を残すことにする。
・・・さて話は西国四十九薬師めぐり。屋内に人が密集するわけでもなく、外を一人ぶらつくぶんには札所めぐりはまだ安全だと思うのだが。まあ、都合のいい解釈かもしれないが。
前回の記事で木津川市の岩船寺を訪ねたが、改めて目的地である浄瑠璃寺に向かう。その途中で当尾の石仏めぐりをする。
この地は奈良に近いことから奈良仏教とのつながりが深かったが、京都や鎌倉の仏教と対立して寺を離れたり、大きな寺のあり方に飽きたらない修行僧たちがこの地に集まって庵やお堂を建てた。その塔が山の尾根のように連なったことから塔尾→当尾という名前になったそうだ。また、庶民の間に信仰を広め、土地の人たちも浄財を集めて石仏や石塔を立てて拝むようになった。それが現在も残されている。


標識が出ているのでこちらを見ながら細道を行く。なお石仏はこうした細道にあることが多いので、クルマで回るのはちょっと厳しいと思う。


今回最初に訪ねたのは岩船不動明王磨崖仏だが、これも細道からさらに石段を下った谷間にある。5メートルはあるだろうか、巨大な岩の真ん中にかすかに不動明王の形が見える。鎌倉時代に彫られたという。修行の場として似合う配置である。一願不動の名前もあるそうで、一つお願い事をしておく。


険しい石段が続く。昔の遍路道を連想させる。そこを下ると少し広い道に出る。


こちらには「わらい仏」がある。中央に阿弥陀如来、左右には観音、勢至菩薩が並ぶ阿弥陀三尊である。笑っているかどうかはさておき、先ほどの不動明王より輪郭もはっきりしている。700年以上鎮座しているのも驚きだ。

その横には「眠り仏」というのもある。半身が土の中に埋まっているのが、布団に入ってスヤスヤ眠っているように見える。

しばらく緩やかな下り道を歩く。両側には杉や竹が植わっていて、山村の風情を出す。これはのんびり歩くのが似合うコースである。



四つ辻に出る。何やら歌碑もあるが、その向こうに「からすの壷二尊」というのがある。からすというのは、そう言われれば見えなくもないが鳥のカラスだろうか。いや、四つ辻には中央をくり抜かれた形が粉をひく唐臼に似ているから「からす」と名付けられた岩があるから、そこから来ているようだ。


表には阿弥陀如来が彫られ、同じ岩の少し陰になった面に地蔵菩薩が祀られている。岩をくり抜いて灯籠用の場所もある。


ここから、木にぶら下げられた案内を見て、水呑地蔵経由の浄瑠璃寺行きのルートを取る。元より徒歩用のルートだが、前日か前々日かに降った雨のためか、道もぬかるんでいる。所々は泥になっていて、それを避けたり、あるいは落ちている石や竹を踏み台にしてやり過ごす。結構ハードで、ルート選択を誤ったかなとも思う。

水呑地蔵に着く前に、赤門跡という開けた四つ辻に出る。かつて、浄瑠璃寺の仁王門があったそうだ。右に行けば浄瑠璃寺だが、水呑地蔵に行くにはいったん左に行くことになる。ちなみに、左にずっと進むと県境を越えて、同じ西国四十九薬師めぐりの札所である般若寺、さらには興福寺まで道が続くようだ。興福寺まででも10キロ以内とある。もしこの後浄瑠璃寺で行うサイコロで般若寺もしくは興福寺が出れば、このまま歩いて行ってもいいかなとすら思う。
それはいいが、この赤門跡に来るとカラスの鳴き声が四方から連鎖する。先ほどの「からすの壷」を連想するが、四方の昔ながらの景色と合わさって、今ここで刀を抜いて真剣勝負というのが起こっても不思議ではないなという思いが沸き上がる。

別に私に危害はないが、カラスの鳴き声が続く不穏な雰囲気の中、脇道を下りて水呑地蔵に着く。この地蔵のためだけに山道を開いているようにも見えた。
再び赤門跡に戻り、浄瑠璃寺に向かう。石仏めぐりで他に行きたいところもあるが、先にお参りとしよう。


道端に猫が5~6匹いる。人にも結構馴れた様子だ。その先には焼き物や骨董品を扱う店がある。ここの飼い猫かな。

そして目を転じると、石柱に浄瑠璃寺の文字。先ほどの赤門跡から来れば正規のルートなのかもしれないが、ここまでの歩きからして突然着いたようである・・・。