ウード奏者 松尾 賢 のブログ(アラディーン主宰者)

ウード奏者、ダラブッカ奏者、サズ奏者、歌手、アラブ、トルコのオリエンタル音楽演奏家・作曲家である松尾賢のブログ。

「スィアヴァシュ」「長尾ゆうたろう」とのリハ

2005-10-15 02:07:00 | 音楽
今日は、二人のミュージシャンとリハを行いました。

一人は、ペルジアン・ネイ奏者の「スィアヴァシュ」

もう一人は、フラメンコ・ギタリストの「長尾ゆうたろう」

「スィアヴァシュ」とは、もうかれこれ4年くらいの付き合いになりますが、本格的に彼と音楽を作ろうとするのはこれが初めて。

彼は、ネイという「ななめ吹きの笛」よりも、さらに音を出すのが難しい、「ペルジアン・ネイ」を吹きます。普通のネイよりも5色ぐらいの異なった音を出すことが出来ます。

2曲ほど練習しましたが、これが良い「耳の訓練」になるのです。

何故ならば「クオーター・トーン」があるため、音程について鋭くなければなりません。

日本に住んでいると、なかなか「クオーター・トーン」を聞く機会がないので、本当に良い耳の練習になります。

ちなみに今日弾いた曲のマカーム(音階のこと、イランではマカームとは言わないらしい)は「バヤティ」というマカームと同じで、「ショーフ」というもの。

この「ショーフ」と「バヤティ」、展開に違いがあって、私の知る限り、「バヤティ」は「サバ」というマカーム、つまり「ファ」が「ファ#」になるという展開が主なんですが、(スフェイヤでは良くそのように展開する)「ショーフ」は「ラ」が「ラの4分の1音下げ」になり、この微妙なサウンド展開が、ドキッとさせてくれます。

ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、アラブ音楽のルーツをたどると、「イラン」が源流になります。

マカームの「アジャム」は「ペルシア」そのものを指し、「ナハワンド」はイランの地名、「クルド」はそのものズバリ「クルド」を指します。

何でもイスラム帝国の一時期は、音楽家&舞踏家は「ペルシア人」だけで構成されていたとか。

アラブ音楽の歴史は面白いですね。

さて、「スィア」とみっちりリハをやった後は、スペインはグラナダでフラメンコ・ギタリストとして活躍していた「長尾ゆうたろう」君とリハ。

このリハは、10月20日(木)、赤坂の「ノーベンバーイレブンス」で行うライブのため。

彼は今、精力的に活動している若手実力派のフラメンコ・ギタリストです。

スペインのグラナダで活動していた時期に、モロッコ人ウード奏者やダラブッカ奏者達と交流が多かったことから、レパートリーにもアラブ音楽が多い上、彼のオリジナル曲にもアラビック・テイストな曲が多数あり、今回は4曲をウード、後はダラブッカで一緒に共演します。

ライブの詳細はこちらへ
http://blog.livedoor.jp/habichuela_1975/archives/50137554.html

「長尾ゆうたろう」のコミュはこちら
http://mixi.jp/view_community.pl?id=248068

今回も、これまたアコーディオンの若手実力派「檜山学」君との共演です。乞うご期待!