ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

贖罪の日

2008年10月09日 | 世界とわたし
今日10月9日は、ユダヤ教の人達にとって1番重要な意味を持つ『ヨム・キプール(贖罪の日)』の日です。
13才以上の大人(ユダヤ教では13才が成人)が、前日の日没からこの日にかけて25時間の断食をします。
この近辺にはユダヤ教の家族が多く暮らしているので、公立私立に関わらず学校は休校になります。

わたしの生徒の中にも、ユダヤ教の人が半数以上います。
最初のうち、日本で教えていた時の感覚で、宗教の違いなどに気を配らず、いろんな失敗をしてしまいました。
初めてのクリスマスを迎えた冬に、クリスマスツリーがいつまで経っても飾られないのが不思議で、
「ねえエミリー、ツリーはどこ?」なんて、超おバカな質問をして、小学生の彼女にしっかり苦笑いされちゃったり、
レッスン中に大声でクリスマスソングを歌ったり……今から思えば……いや、思いたくない


さて今朝のわたしは、最悪なしんどさのまま起床。
でも、最近全然行けてなかったピラテスのクラス、今日はどうしても行くぞぉ~と自分を奮い立たせてました。

ふとキッチンのカウンターを見ると、冷蔵庫の中で化石化しつつあった大根キムチの大瓶とキャベツの千切りを発酵させたブツ(これがめちゃ臭い)の大瓶が。
よし、この世界2大クサクサ瓶を洗おう。その臭いで元気が出るかもしれない。
そう決心して、瓶を逆さにしてブルンブルン。クッサァ~~~
一気に3部屋ぐらいに臭いは放たれ、わたしの脂ぎった髪の毛(シャンプーせえよ)と体にもべったり。

始末している最中に仕事の携帯が鳴り、慌てて手を洗って出ると、
「あの~、まうみ、今日はヨム・キプールだから10時にレッスン変更してたよね。来れる?」
時計を見たら10時10分。ぎょえぇ~

そうでした。レッスン変更してました。言い訳っぽいけど、しんどくて、いつもやる朝のスケジュールチェック、怠ってました。
このキムチと発酵キャベツとシャンプーしてない髪の毛の臭い……しかも顔も洗ってなきゃ歯も磨いてないって
でも行きました。臭うわたしを許してもらうべく、いつもよりも力入れて教えました。なかなかいいレッスンでした

今日はわたしも贖罪の日にした方がいいようです、はい。断食はしませんけど……
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イグ・ノーベル賞

2008年10月09日 | 世界とわたし
「笑えるとしか言いようがなく、しかも記憶に残り、人々を考えさせる業績」に贈られる、毎年恒例のイグ・ノーベル賞

ちょいと長くなりますが、今年の受賞一覧は以下の通り。

○栄養学賞:「同じ食べ物でも、名前の聞こえが良い方がおいしく感じる」ことを示したイタリア・トレント大学のマッシミリアーノ・ザンピーニ氏と英オックスフォード大学のチャールズ・スペンス氏に授与。

○平和賞:「植物にも人間と同様に尊厳がある」ことを法的に定めた、スイスの人間以外の生物工学に関する連邦倫理委員会とスイス国民に授与。

○考古学賞:考古学の発掘現場付近に生息するアルマジロが、発掘品をより深く埋めたり持ち去ったりすることで、発掘現場がメチャクチャになるだけではなく、歴史が変わってしまう可能性があることを示した、ブラジル・サンパウロ大学のアストルフォ・ゴメス・デ・メロ・アラウージョ氏とジョゼ・カルロス・マルセリーノ氏に授与。

○生物学賞:「イヌに寄生するノミは、ネコに寄生する個体よりも、より高く飛ぶことができる」ことを発見した、フランス国立トゥールーズ獣医大学のマリークリスティーヌ・カディエルジュ、クリステル・ジョベール、ミシェル・フランの3氏に授与。

○医学賞:「高価な偽薬(プラセボ)は安価な偽薬よりも効果が高い」ことを確認した米デューク大学のダン・アリエリー行動経済学教授に授与。

○認知科学賞:脳を持たない単細胞生物の真正粘菌が、迷路の最短経路を見つけることを発見した、中垣俊之・北海道大准教授、小林亮・広島大教授、石黒章夫・東北大教授、ハンガリー・セゲド大学のアゴタ・トス氏ら6人に授与。

○経済学賞:プロのストリッパーの排卵周期が、チップ収入に影響を与えることを発見した米ニューメキシコ大学のジェフリー・ミラー、ジョシュア・タイバー、ブレント・ジョーダンの3氏に授与。3氏らによると、ストリッパーが最も稼ぐのは、生殖能力が最も高い時期であるという。

○物理学賞:大量の糸や髪の毛は、外部要因がなくとも必ず絡まることを数学的に証明した、スクリップス海洋研究所のドリアン・ライマー氏と、米カリフォルニア大学サンディエゴ校のダグラス・スミス氏に授与。

○化学賞:「コカ・コーラの避妊効果」についての研究で、ボストン大学医学部のデボラ・アンダーソン教授、ならびに台湾の台北医科大学の研究グループに授与。アンダーソン教授らの研究は「避妊効果がある」で、台北医科大学の研究は「効果がない」と、全く正反対の結果となっている。

○文学賞:「バカ野郎:物語的手法を用いた、組織内で経験した憤慨についての分析」研究で、英カス・ビジネス・スクールのデイビッド・シムズ氏に授与。


『笑えるとしかいいようがない』というのが好きで、毎年の発表を楽しみにしています。

今年のわたしの中のイチオシは医学賞でしょうか。
実はわたしもちょっと意味は違うけれど、同じような経験があります。
小学校の4年生だったか5年生だったか、某新聞社主催の音楽コンクールの予選があり、
緊張し過ぎて下痢ピーになったりオロオロと落ち着かないわたしに、母が一粒の小さな錠剤をくれて、
「これはすごいよ。飲んだら途端に落ち着いて、全然あがらなくなる薬やから」と言いました。
普段は『厳格』が服着て歩いてるような母だけに、小さな驚きとともに、効きそう~と思いながらもらった記憶があります。
初めっから効果があると思い込んだからでしょうか、つい先程までの緊張がウソの様に消えていったのを覚えています。

随分後になって、その時のことをふと思い出して母に言うと、母も珍しく覚えていて、
「ああ、あれなあ、実はビオフェルミン(整腸剤)やってん。あんた下痢してたやろ、そやし、一応鞄の中に入れといてん」
え……

人間って……深いのか浅いのか、複雑なのか単純なのか、よう分からんようになった一瞬でした

考古学賞のアルマジロくんの困った行い……笑たらあかんと思いつつ、想像するとなんだか可笑しい。
生物学賞のノミくんについては、わたしもちょっとしたお話があります。
それはまた明日。

おやすみなさい
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