ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ベルガマスク組曲

2008年10月11日 | 音楽とわたし
先月ガーシュインを弾いたホールで、今日はドビュッシーのベルガマスク組曲の「メヌエット」を弾きました。
「月の光」もこの組曲の中に入っています。

この演奏家協会のミーティングでは、演奏者は必ず演奏前に、どうしてこの曲を選んだのか、それぞれの思いを説明します。

舞台の上に立ったわたしは、聞いてくれている皆にこう話しました。
「わたしは8日前に、とても大切な友人を失いました。64才でした。
彼は楽しい事、美しい物、こだわりのある物、彼の子供達、美味しい食べ物、ワイン、タバコが大好きでした。
束縛されたり忠告されたりするのを嫌い、大空を飛ぶ鳥のように、大海を泳ぐ魚のように、自由で解き放たれた生き方に恋いこがれていました。
チャーミングで、可笑しくて、考えが足りなくて、うそつきで、正直で、情熱的な彼に、この曲はぴったりだと思います。
まるで冗談みたいに、わたし達の前からフッと消えてしまった彼に、祈りとともにこの曲を捧げたいと思います」

わたしの演奏を聞いてくれている人達が、それぞれの心の中に、それぞれのデイブを見つけ、想ってくれているのが強く伝わってきました。
最後の(ppp)ピアニッシッシモの、まるでチェロのピッチカートのようなラの音を弾き終えた時、
会場のあちこちからフフッと笑いが漏れたのを聞いて、わたしはとても幸せな気持ちになりました。
演奏後、大勢の人がやってきて、初めて会った人も、顔見知りの人も、みんな優しい言葉でデイブを偲び慰めてくれました。

音楽っていいなあ。しみじみとそう思いました。




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哀れな菜切り包丁

2008年10月11日 | ひとりごと


刃の半分ぐらいがボロボロになっちゃった、哀れな菜切り包丁です

去年の丁度今頃、わたしは3年ぶり、旦那は7年ぶりの、しかも2人一緒としては初めての日本旅行をしました。
そしてこれまた初めての、JRパスという、JRの乗り物ならなんでも乗り放題というチケットを使い、
ラーメン食べに長崎へ、原爆ドームの見学に広島へ、友人に逢いに新潟へ(ちなみに長崎は実現しませんでした)、
日本の電車時刻の正確さや、切符売り場の方々の迅速な対応や手つきにホレボレ~(時には涙ぐんだり)
親しい友人達や家族と美味しい食べ物を頬張りながら、とても楽しく懐かしい時間を過ごしました。

その旅行中、わたしは必ず見つけたかった物がありました。それは、菜切り包丁と三徳包丁です。

野菜の千切りやみじん切りが好きなわたし。切れ味の悪い包丁ほどイライラする物はありません
こちらで持っている包丁も、研げばそれなりに良く切れるのですが、早切りするのには片刃の方がやりやすい。
大津に移ってすぐに、ゴミから拾った三徳包丁も、今だに活躍していますが、さすがにくたびれてきた様子。
ところが、やっぱりいくら日本製の物と言えど、いい物は高いんですね~。インターネットで探しては諦めた値段とさほど変わりません。
それで、仕方が無いと諦めたものの、未練タラタラのわたしは、友人の家で愚痴り、母に愚痴り、
それなら使ってない包丁があるからと、三徳包丁を友人から、菜切り包丁を母から、ありがたくいただいちゃったのでした
もう嬉しくて嬉しくて、荷物検査で取り上げられてなるものかと、それはそれは慎重に二丁の包丁を包みました。

そして1年近く経ち、毎日ほのかな幸せと満足感に包まれながら、野菜を切ったり果物を切ったり
旦那も菜切り包丁が大のお気に入りで、「これなら僕もまうみみたいに早切りできる」なんて自慢してました

がっ!!!なんじゃこりゃ~!!!なんでこんなボロボロやねぇ~ん!!!

犯人が自首してきました。
自白によると、原因はチキンスープのようです
そういやあのスープ、やけにコクがあってうまかった。
骨付き鶏肉でベースを作る時、こともあろうに、犯人は菜っ葉専用の、あのとても繊細な包丁を手に……、
あ~~、想像しただけで、包丁くんの悲鳴が耳をつんざくようで辛いです。


さて、気を取り直して、
今日の午後、マンハッタンでクラシック演奏家協会の月に1度のミーティングがあります。
先月のガーシュインがウケて、またなんでもいいから聞きたい、弾いて!と言ってもらったのが嬉しくて、今日はちょっくらドビュッシーを弾こうと思っています。
どんなちっちゃな世界でも、楽しみにしてもらえるっていいですね。
背中と首の根っこが固まって怠いので、これからじっくりストレッチをしてお肉をほぐしてから練習します


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必殺仕置き人

2008年10月11日 | お家狂想曲
ブッシュ政権は、大ウソついて戦争を始めた。
町を破壊し、市民を殺し、動物も植物も殺し、双方の兵隊もいっぱい死んだ。
わたしゃてっきり、戦犯扱いになって、弾劾されると思ってた。

ブッシュ政権は、ええ加減でウソばっかりの金儲けに走り続けた。
世界中に金融不安が広がり、多くの人々が路頭に迷い、大混乱に陥った。
わたしゃてっきり、被害を被った国々が団結して、直接の原因を作った機関なり会社なりを突き止めて、訴えを起こすと思ってた。

こんな酷い、愚かな政権は、半世紀生きてきて、見たことがない。
なのに、どうして無事に、あと4週間もしたら、
「はい、じゃ、あとのことよろしくね」と、
すました顔して堂々と辞めることができるのだろう。

バチが当たらないなんて、どうしても納得できない。
『アメリカ史上最低の大統領』なんて汚名だけでは全然足りない。
彼と、彼を取り巻いてきた強欲で利己的で恥知らずな男や女を、戦場の、第一線の先頭に立たせてやりたい。
彼らの所有する豪邸の数々と別荘、そして彼らが今までに謳歌してきた贅沢と快楽のすべてを取り上げ、
刑務所じゃなく(どうせ彼らは刑務所といっても特別室に入れられるのだから)、ホームレスのシェルターに入れ、
寒空のもと、その日の食事や寝る場所のために長い長い列に並び、それでも運が悪かったらありつけない毎日を送らせたい。

ほんとうに、どうして誰も、彼らが普通に辞められるのを止められないのだろう。
それはやっぱり、このわたしのように、こんなところでブツブツ文句を並べているだけで、一向に行動に移そうとしない、
だって自分の生活も大事なんだもん、なんて言い訳してる人間が多いからだろうか。
それとも、ブラックジョークでもなんでもなくて、彼らが正しいと信じている人間が多いからだろうか。

こうなったらもう、必殺仕置き人に頼むしかないのかなあ。
そういや、仕置き人に鍼灸師がいたような……。頼もかなあ……。
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