ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

発表会のプログラム

2008年10月28日 | 音楽とわたし
ここ数年のプログラムには、レターサイズ(A4に近い)の紙いっぱいいっぱいに名前と曲名が載っていました。
聞きに来てくれるお客さんの数も多くなり、できたらきちんとしたホールを借りたいなあと思うようになりました。

こちらに来て知り合った98才のピアニスト、ヘレンが亡くなった時、彼女のメモリアルコンサートに出かけ、ここでできたらいいなあと心から思えるホールに出会いました。
この町の美術館の中にある、吹き抜け天井のすてきなホールです。恐る恐る使用料を尋ねてみました。
何時間借りても500ドル。これは日本のホールよりも安い!大喜びで予約をしました。
それから3年続きでそのホールで発表会を執り行ってきました。

今年もそこを借りようと思い、夏前から11月の2日に予約を入れてありました。
ところが、夏が過ぎて新しい年を始めたら、びっくりするほど生徒の数が減っていました。
引っ越しが何軒か、大学の進学が何人か、高校の進学で忙しくなり過ぎた人が何人か、今の経済問題をもろにかぶった人が何人か、そして大きな病気になってしまった人が何人か、どの人もどうしようもない理由です。

長年やっていると、こういうビックリ年がたまにやってきます。

でも……こうやってプログラムを書いていると、名前の字がとても大きくて、隙間があって、それがなかなか寂しいです。

また、あのホールでやれる年が来るかなあ。
生徒のみんなも、そりゃやっぱりあのホールで弾きたいだろうしなあ。

今年はある生徒さんの家の部屋をお借りします。向こうの方からぜひぜひと言っていただきました。
そこにはまだ真新しいシュタインウェイのグランドピアノもあります。とてもありがたいオファーでした。
今回はどこかの教会でやってみようと、あちこちの教会のピアノをチェックしてみたんですが、やっぱりなかなかいいピアノには出会えませんでした。ギリギリというより、う~ん……と唸りたくなる感じ。
できたら家のピアノよりはいいピアノで発表会をしたい。
そう思いながらも場所を見つけられないでいたわたしに、救いの手を差し伸べてくれた家族に大感謝です。

今年は甘えさせてもらうことにして、わたしものんびり手をこまねいて待つだけではなく、少しは営業活動もして、
来年はまた、あのホールに場所を移したいと思います。名前がぎっしり載ったプログラムを書くためにも。
ごめんね、みんな
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上を向いて歩こう

2008年10月28日 | お家狂想曲
やはり、予想していた通りこじれてきました。
そりゃそうでしょう。絶対買うって言い張ってたわたし達が、いきなり買わないと言い出したのだから。

立派な約束違反、契約違反です。

待って待って待たされて、もうすっかり嫌気が差してきたところに、周りに手頃で楽そうないい男がごろごろ現れて熟年離婚……。
そんな感じでしょうか。

デイヴにもゴメンと言って、自分の気持ちにもゴメンと言って、心の切替えに時間をかけた今となっては、
家を買うなんてどうして考えてたんだろう、わたし達にそんなことができる経済力なんてまだまだ無いのにとしみじみ反省。
実際に、夏が過ぎて戻ってくるはずの生徒が数人戻って来ず、金融関係で働いている大人の生徒達も戻って来れず、
わたしの生徒の数がもともとの半分近くにまで落ち込んでしまったのは全く予想もしていないことでした。

浮ついたわたし達の行動に散々振り回された人達には、本当に申し訳ないと思うのだけど、
家の価格が更に下がるのは分かっていても、金融業界がここまでメチャクチャになるのは全く想像もしていなかったので、
ローンを組もうとするわたし達とローン会社の担当者との間に生じた、なんとも言えない緊迫感と猜疑心にすっかり怯えてしまい、
そこにオイルタンクの予想通りの汚染問題が発覚してヒュルルル~ッと意欲が萎えてしまいました。

契約に弁護士をつけなければならない規則を散々疎ましがっていたわたしですが、
こうなった今はただただ有り難い存在です。
まったく勝手なもんです。

彼の言いつけ通りに行動したのですが、それでは全く充分な理由にはならないと向こうが拒絶してきたので、明日からまた次の行動を取るべく指導を仰ぎます。
契約破棄はできそうですが、わたし達がすでに払ってある頭金の半額(手付金)の全額を返してもらうための行動です。

さて、これらすべての交渉は、旦那が全部一手に引き受けてくれているのだけれど、
わたしにも事の成り行きを知らせておかないとと思って説明してくれる旦那に、わたしなりの率直な質問をすると、
なぜだか旦那はものすご~くパニクってしまい、怒り出したり、わたしの聞き方が悪いと文句を言ったりします。

う~ん、声が大きい?それとも声色に無意識の責める気持ちがこもってる?それともトンチンカンな質問をしてる?

よく分かりません。よく分からないだけじゃなく、とても辛くなります。
なぜかというと、そういう場合、わたしが英語で話していると、
「そんな下手なワケ分からん英語で言うな、文法が無茶苦茶だ、日本語で言え!」って言われるからです。
なので、しばらく時間を空けて、彼が少し落ち着いてくるのを待ち、日本語でゆっくりわたしの疑問を話します。
すると、それまで分厚い甲羅のような物に覆われていた旦那の心の窓が少し開き、ようやく話を聞いてくれるのです。

これもまた、後になって、あのときゃ大変やったよなあって思い出せる時が来ると思います。
そして、もう少しは、こういう種類の話であっても、声を荒げず、お互いの話を落ち着いて聞けるようになるかもしれません。

やっぱり大きな買い物であっただけに、簡単に断れないですね。当たり前だと思います。
最悪、手付金が全く戻ってこなかったら、わたし達夫婦にとっての人生の勉強代に払ったと思うしかありません。

なかなかタフで気が重い毎日が続きます。
これも人生、これからも人生、まだまだ続くのだから、上を向いて歩きたいです
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鍼師妻の悲哀

2008年10月28日 | ひとりごと
先々週の日曜日に風邪をひいてから、とうとう10日も経ってしまいました
その間、頑固に自分のやり方で治そうと思っていたわたしは、薬はもちろん、旦那に鍼をやってもらうこともないまま……、
一家に一台!なんて言ってたくせに、その日の夫婦の仲良し状況やら、その気になれるタイミングのずれなんかがネックになって、マッサージテーブルの上に寝転がれないでいました。

それで昨日は、どんなことがあってもやると旦那が言い出しました。しかもカッピングをするからと。
カッピングなら好きなので、わたしもどんなことがあってもやってもらおうと決心しました。
カッピングというのは、鍼灸の治療の方法の一つで、吸玉と呼ばれる分厚いガラスでできた器を使います。
今それを写真に撮ろうと、旦那の治療室にコソコソ入って行ったら、「なにしてんの?」と見つかってしまいました。
それで、カッピングの器を写真に撮ろうと思うと言うと、今はこれを使ってるからと、新しいのを出してきました。
それがこれです。




器の厚さが随分薄くなっています。この青いぽっちんはなに?ほんでもってこの黒い怪しげなもんは?




実演して見せてもらいました。青いぽっちん部分に差し込んで、ワインの空気抜きのような感じで器の中の空気を吸い込みます。




体内に悪いものがあればあるほど、吸い口の皮膚に黒ずんだ痕が残り、それが紫になり赤っぽくなればほぼ完治。

などと、真剣に説明してくれている旦那の声を聞きながら、
フフン、ほんじゃ、お腹吸って真っ黒になったら、これがほんまの腹黒?!なんちゃって、などと想像するわたし……

話を昨日に戻します。
時間がきて、マッサージテーブルにいざ上らんとしているわたしに、
「やっぱりカッピングより鍼にする」とあっさり言いやがった旦那。「ええぇ~っ
トホホなことに、わたし、今だに鍼が苦手なんであります。
鍼を打ってもらって10分も経てば、なんともいえない心地良い気分になることが重々分かっていても、
あの尖ったのを刺されると思うと……目にも見えないほどの(髪の毛よりも細い)物なのにね。
しかも、ほとんどの場合、刺さったのが分からないってのも体験済みなのに……。

ブツブツ文句を言いながら、しょうがなく寝っ転がったまな板の上の鯉のわたし。
そのわたしに、旦那のとどめの一発。
「今日はちょっと面白いことする」
目の前真っ暗です。面白いことをする→けったいなとこに刺されることになる場合が多いのであります。

で、昨日刺されたけったいな場所はどこだったかというと、
両脇の少し下(こしょばいがな)&喉元&そこより5センチ下&そしてまた5センチ下、でありました。
旦那は「ウヒヒ、ぜ~んぶ今まで刺したことないとこやった」とかなり嬉しそう。わたしゃ人体実験か?

正直な感想を言うと、なんとも気持ちの良いうとうと気分になり、午後から夜にかけてどんどんスッキリ感が増し、
こりゃ明日から絶好調かも~とかなり期待しましたが、案の定、好転反応とやらがやってきて、今日もなかなかしんどいです。
今日もう一回治療を受けたら明日はかなり期待できる、とのこと。
生徒の発表会も間近に迫ってきたので、わたしもここはひとつ大人になって、鍼師の言うことに従おうと思います
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