ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

わたし達が知らなければならない現場の声

2011年06月25日 | 日本とわたし
長いです。でも、わたし達が知らなければならない、現場からの声です。読んでください。

ハッピー"ツィート名@Happy20790"という、今原発でずっと作業してくれてはる方から発信されている現場の現実の一部(6/18~6/24)です。

6/18
あっ!それと2号機は今日の夜20時にエアロック開けるって発表ありましたよ。
皆さん確認して下さいね。

2号機の解放「外部への影響はない」って言い切って東電が発表してるけど…。
数値が問題じゃなくて核種が問題だと思うんだけど…。
なんでちゃんと説明しないのかなぁ?
セシウム、ストロンチウム、アメリシウム、キュリウム、ヨウ素等々がどれくらい外部に放出されるって。

それと「細心の注意をはらうため、問題はありませんが、不測の事態を考慮し、念のため外出は控えて、窓は開けないように、外出の際はマスク着用するようにお願いします」って言えないのかなぁ?
オイラだったらちゃんと説明するよ。

6/19
エアロックって何?って質問ですが、エアロックは原子炉建屋に入る入口の扉の事で2号機には2ヶ所あります。
原子炉建屋内の圧力保持のため一カ所に二つの扉があって、通常二つ同時に開かないようになってます。
今回は同時に開けますけどね。

わかってる人が多いと思うけど、みんなにお願い。
マスクは、外から帰って来たら、玄関の外でビニール袋に入れるか、外側を内側に折り曲げて捨ててね。
絶対に再使用しちゃダメだよ。

それと、玄関の外で、服と髪の毛も、埃落とすみたいにパタパタしてね。
家に入ったらすぐ手洗いとうがいを忘れずに!
あと、放射性物質は髪の毛に吸収されやすいみたいだから、子供さんには帽子かぶらせてね。
以上、今日の豆知識でした。

2号機のエアロック、20時50分に解放したね。
ちょっと遅れたから、明日の朝5時までに全開だね。

2号機の外部放出量は、1号機解放時の3.6倍らしいよ。

2号機の空気の流れはエアロックから入って、オペフロのブローアウトパネルから出るはずだから、2号機もモクモクしてるはずなんだけど、パネルは海側だからわかりずらいかも……。

汚染処理システムの方も、今日また安全弁のラプチャーディスク壊れたみたい。
ホントに大丈夫かっ!
オイラには原因わかんないけど、もう一つ前段に、目の粗いフィルターシステム入れた方がいいんじゃないのかなぁ?
その後のアレバのシステムも、何を取り除くのかよくわかんないし……。

『3/15に、2号機の圧力抑制プール付近で爆発があったと思いますが。その時に、原子炉建屋は全く損傷しなかったのでしょう!?』という質問に答えて。
まだ中の破損状況は、全部把握してないと思います。
そのためにも解放して、高湿度や高線量の環境改善して、これから調べるはずです。
ただ、他の号機のような爆発ではないため、他号機と比べたら破損は少ないと思いますよ。

みんな心配してるかもなので、現場速報です。
午前中、2号機廻りの規制も特になく作業してましたよ。
4号機もモクモクしてるけど、いつもと変わらずです。
ホントは注水して満水にしたいみたいだけど、汚染水処理システムが本格稼働しないから、注水量を控えてるみたい。

常に満水になれば、モクモクしないんだけどね。
それは他の号機も一緒で、早く汚染水処理システムが稼働する事が必須になってきました。
あとは、また夜ね。それにしても、今日は暑いよ~。

6/20
ただいまっ(^O^)
ホント今日は暑かったぞい(@_@)
何回も休憩して仕事が思うように進まなかったよ。
今日も汚染水処理システムは動かず、いよいよ秒読みが始まった感じがする。

プロセス建屋はもう限界だから、サイトバンカーと工作建屋の地下に移送かなぁ?
それでも間に合わない場合は、タンクに直接か?
そうなったらまた、作業員の被曝増えちゃうよ。
東電は「予想以上の濃度の汚染水が……」って言い訳してる。

またおかしな事言ってるなぁって思うんだけど……。
そもそも、2号機のトレンチの汚染水は1000msv/hあるんだよ。
1号機なんか4000msv/hだし、事前に十分予測出来るはずだよねぇ?
その測定も水中じゃなくて、空間線量当量率だよ。

汚染水濃度がハンパないくらいわかってたはず。
オイラは今回の調査結果発表は素直に受けられないよ。
明らかにクリオンとアメリカを庇ってるとしか思えない。

東電はクリオンに対し、短期間で十分な計画を与えられなかった引け目からか、取りあえず使えそうな装置を選定し発注した責任からか、わかんないけど明らかに今日の発表は政治的なものを感じるよ。
オイラが裏を読み過ぎてるのかなぁ?
何だか解らなくなってきたなう。

今の汚染水処理の計画では、注水量500t/日に対して1200t/日の処理をするはずなんだけど、とても無理。
本来は注水量を増やして、各号機に十分な冷却をするためでもあるのに……。
近く梅雨入りになるし、このままじゃ確実に海に流れ出るし、1ヶ月で冷却なんてあり得ないよ。

それを回避するには、やっぱ高濃度の汚染水を、直接タンクに貯めるしかないと思う。
ホースの切替も大変だけど、移送したあとの作業の被曝もハンパないけど……。
また行き当たりばったりが起きそうだよ。
そうならないで欲しいなぁ。

6/21
今日は、昨日約束した4号機について、オイラが知ってる事、調べた事、感じた事をつぶやくね。
長くなるけど、いつもと同じく、信じる信じないはお任せですよ。
まず、震災当日の4号機は定期検査中で、大型改造工事をいっぱいしてました。

特に炉内は、シュラウド交換と言う工事をしていました。
当日の炉内状況は、シュラウド交換するために、古い炉内構造物をほとんど取り外していて、炉内は空っぽ状態でした。
もちろん、全部の燃料も取り外して、炉内の南側にある燃料貯蔵プール(SFP)に移動し、保管してました。

取り外した古い炉内構造物は、炉内の隣の北側のドライヤー/セパレータプール(DSP)で、細かく切るため置いてありました。
この時のそれぞれのプールの状態は、炉内とDSPは仕切りが無く解放状態でつながってますから水が行き来する状態でした。

また、炉内とSFPは仕切りが有りましたから、お互いの水は隔離された状態です。
炉内と通じてる配管は、ほぼ全て切断し、閉止した状態が当日の状況です。
何故こんな事を話すかと言うと、4号機は他の号機とまず違う状況だ、という事を知ってほしいからです。

専門用語が出るから難しいかもだけど許してね。
そんな状況で地震が起きました。
その時、各プールの水は、大きな揺れにより床に溢れて来て、炉内の水は、はっきりわかんないんだけど、残留熱除去系の配管のどこからか漏れて減ったと思われるんだ。

また、燃料のあるSFPは、電源停止で冷却水が止まったため、燃料の残留熱によってモクモクと水が減ってしまったんだと思う。

事故後、誰もがSFPの水も空っぽで、燃料が溶けてるって思ってたんだけど、ぞうさん(ポンプ車)の先にカメラを付けて確認したら、燃料より上の約1.5m位のとこに水があって、すごくホッとしたんだ。

炉内とDSPの方は、瓦礫が邪魔してみえないからまだよく分からないけど、今日、圧力容器(RPV)下の配管から水入れたから、結果は近いうちに出るんじゃないかなぁ?
原子炉の地下にも水があるから、どこが漏れてるか心配だけどね。

例え炉内の水が空っぽになっても、燃料のあるプールは仕切りがしっかりある限り、燃料がむき出しになる事はないよ。

それはいいことなんだけど、問題もあるんだ。
それは、炉内の水が空っぽになると、DSPもほとんど空っぽになって、線量の高い古い炉内構造物がむき出しになるって事。
そしたら凄く被曝するから、作業も簡単にいかないんだ。

でも、今の現況からするとオイラ、4号機は他の号機より早くなんとかなると思うよ。
でも、心配な事が大きく二つあるんだ。
一つは、プールを満水にした時に、プールを支える支柱が持つか?
これは、原子炉二階に、この前支柱を建てたんだ、まだコンクリートは流してないけどね。

それでプールが持つかどうかは、オイラ専門家じゃないからわかんないけど……。
もう一つは、汚染水処理が注水量より多く処理出来るか?
今は難しい状況だなぁ……。
この二つが上手く行けば、何とかなるはずだよ。

4号機の落ち掛けてる壁は危ないから、今後、重機を使って落とす計画みたい。
落としたら、ライブカメラできっと分かるね。
あとは、燃料プールに注水する配管を設置して、常に満水にすればモクモクしなくなる。

あと、1号機と同じくカバーも付けるみたいだから、そしたら空気中に放射性物質も出なくなる。
しっかり冷却できれば、あとはどう燃料を取り出すか?
数も多いし大変だけど、それは今計画中みたいだよ。

問題も沢山あるけど、頑張ればなんとかなるはず。
原子炉建屋はそんなに線量高くないから入れるし、躯体の評価をもっと精度上げて、弱い部分を補強をして、汚染水処理が上手く行く事が、4号機を収束させる鍵だね。

以上が、4号機についてのオイラのつぶやきだけど、現状は他の号機に比べたらいいと思うよ。
長くなってわかりずらいかもだけど、オイラのわかる限り勝手につぶやいたから許してね。ではまたねー(^O^)

6/22
ただいまっ(^O^)
あづいぃ(@_@)
今日は今までで一番、ハンパない暑さだったよ。
オイラ達のグループからは熱中症出なかったけど……。
他の会社大丈夫だったかなぁ?
温度計は42℃超えてたぞ!
血液が暑いのがわかるなんてなかなか無いよなぁ。

こんだけ暑いとクールベスト着ても、すぐホットなベストになって、重さだけが体にのしかかってくる感じなんだ。
こまめに休憩とるしかないんだけど……、工程がなぁ……。
汚染水処理も、相変わらず上手く行ってない。

汚染水処理能力が100分の1だって、あり得ない!
最初の計画は10000分の1だよ!
こりゃみんな被曝して、ホントに作業員いなくなっちゃうぞ!
サイトバンカー地下に移送しても、リミットは多分、7月4日位で雨が降るともっと早くなるはず。

その後、いまオイラ達が怖れてるのは、本来処理された低線量の汚染水を入れるタンクに直接、高濃度の汚染水を入れなくてはならなくなるんじゃないかって事。
そうなったら、高線量で人が近づけなくなって、漏れても手をつけられなくなるぞ。

今日、4号機の炉内とDSPのプール、注水して満水になったよ。
明日水位が減ってなければ、線量計って低ければ、初めてオペフロに入れるかもだよ。
瓦礫や床が抜けてるから危ない所もあるけど、なんとかしなきゃね。

2号機は今日、原子炉建屋の調査したけど、やっぱり線量高いなぁ。
調査するだけでも相当被曝するよ。
地下の汚染水もいっぱいあるしなぁ。
爆発してないから、系統配管が使える状況だといいんだけど…。

1号機は、明日から循環冷却に向けて工事が始まるけど、2号機と同じように線量高いんだよね。
30分の作業で2mSv位被曝しそうなんで、人がいっぱい必要なんだ。

オイラが現場でいつも心がけてるのは、外部被曝よりも内部被曝。
確かに外部被曝も受けちゃいけないけど、たとえ一回に100mSv被曝したからといっても、その後しばらく被曝しなければ、破壊されたDNAは修復すると思うんだ。

だけど、内部被曝は身体から出て行かない限り、たとえ低線量でも、常にDNAを破壊するから修復出来ない。
それが癌になっていくんだ。
セシウムは筋肉、ストロンチウムは骨に溜まりやすく、すぐには身体から出ていかないんだ。

内部被曝の核種がコバルトだけなら、なんとかなるかもなんだけど……。
と言うわけで、オイラはマスクをしっかり付けるんだ。
だから、他の原発作業員の人も気をつけて欲しいなぁ。
来週、オイラも事故後初めてのWBC受けるから、ちょっとドキドキなんだけどね。

6/24
ただいまっ(^O^)
今日もあづい1日だった~(+×+)
コンクリートの上での作業は、特に照り返しもハンパないよ。
頭ボーってしながら作業してる。
線量とか汚染とか考えて仕事してる人なんかいない。
ただ暑い暑いって思ってる。

汚染水処理、やっと上の野鳥の森に設置した、淡水化処理システムまで上がってきたよ。
線量や流量はわかんないけど、取りあえずやっと稼働したね。
汚染処理された水を炉内に注水するホースも、明日から繋げるみたい。
でもこの暑さだけに、ホースひくのも大変だと思う。
倒れなきゃいいけど……。

2号機の屋上に、Tホーク墜落しちゃった。
以前につぶいたけど、やっぱ夜飛ばしてたんだね。
4号機の質問の多くに、夜中の閃光とか爆発とか、なんか光ってるとかあって、質問に答えたんだけどね。

Tホークは、結構前から、カメラやダストサンプリング装置とか付けて飛ばしてたみたい。
なんか、Tホーク自体の重量が軽すぎて、バランスをとるのが難しいらしいよ。
だから、頻繁にカメラの取付位置とか変えて、バランスの飛行試験してたみたいだよ。

メガフロートに、いよいよ6号機の低レベルの汚染水移送するみたい。
やっと出番が来たよ。
いっぱいになったら、どっかに持って行くのかなぁ?
知ってる人いる?

2号機の原子炉内は、水いれても水位計の数値あがらないんだ。
別な場所に、またロボットで設置して確かめてみるかも。
空っぽっな状態って状況は、オイラの頭じゃ想像出来ないんだけど……。
どうなってるのかなぁ?

1号機のカバーリングの準備は、順調に進んでたよ。
何日かぶりに行ったけど、道路も震災時とは比べものにならないほど綺麗になってたよ。
小名浜での仮組もあと少しだし、来月初めには船で運ばれて来るかもです。

4号機の中にも入ってきたよ。
補強工事の作業員が頑張ってました。
来週位には、コンクリート打設出来そうな感じ。
4階まで足場登って上がって来たけど、疲れた~(>_<)
やっぱり、上は壁も手すりもないから、ちょっと怖かったです。

コンクリート打設終わったら、4階の瓦礫も片付けて足場を組んで……、
線量の結果はまだわかんないけど、そしたらいよいよ最上階に突入ですよ。
汚染水処理システムも、カバーリングも、津波対策も、2,3号機調査も、みんな頑張ってるから応援してね。



わたしなんかには想像もできひん厳しい作業に加えて、確実に身体を蝕む放射能汚染の恐怖や、ムチャクチャな暑さとも闘わなあかん現場の作業員の方達。

どこかの国の、征服欲だか金銭欲だか、あるいは単なる興味本位だか、もっと始末が悪いのんは、これで世の中の貧困を救えると勘違いしている、軍や政府や企業のお偉いさん達が、
いいんじゃないかコレ、ふふふ。
なんてほくそ笑みながら、秘密裏に、国の金を湯水のように使えるシステムを作り、仲間を集め、ええ加減な建て方をしてしもたがために、
何人もの作業員の方達が亡くなり、今も命を削って、事故処理をせなあかんようになってしまいました。

わたしはもう、本気中の本気で、原発に関わった上層部の人間に、この作業に関わらせたいと願てます。
あんたらが口先だけで進めた物事の現実は、こういうことなんやでと、裁判でもない、刑務所でもない、あの事故現場に引っ張ってって、
防護服を着せ、放射能物質がむき出しになった建屋の中に、一日でええから閉じ込めてやりたいです。

現場はどの現場も厳しい。
現場にいる人々と、どこか涼しい部屋の中で、現実味も想像力も乏しい頭で物事を決めて、その後は無責任を通せる役員や役人との間には、
どんな世界でも役所でも、そして軍隊でさえも、大きな隔たりがあることはわかってます。

けれども今のこの、原発事故による放射能汚染は、地球全体を揺るがす大事になってるはずやのに、
その中心になったはずの人間の潜み方、黙り方に、腸が煮えくり返る思いです。
ハッピーさんをはじめ、作業に従事してくださっているすべての方々の無事を、心の底の底から祈ります。
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雨あがりのしあわせ

2011年06月25日 | ひとりごと
旦那が胸からお腹を真っ赤にして、家の中に入ってきた。
まったく久しぶりの太陽を、この椅子で昼寝をしながら楽しんでいたのだそうだ。


砕いたアスファルトやセメントの塊が、まだそのまんま。
でも、ナニゲに感じが良かったりする。きれい、なんて思えたりもする。
などと、多分他人からすればとんでもないことが、「ええやんかべつに」と思えるところが、旦那とわたしの共通点なのである。

雨水を吸って、吸って、また吸って、だいぶ大きくなったピーマン三兄弟。
どないしょ?もう穫ってもええんやろか?


きゅうりさんも、葉っぱのヒゲがぶっとくなってきた。


サバイバーの豆さん達。わたしと同じぐらいの背丈になった。


旦那のカエデに喧嘩売ってる、すが子さんのアジサイ。


アナタ ハ ドウシテ ソンナニ オオキイ?


毎日元気に、色とりどりの笑顔を見せてくれてありがとう!
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米国ゲンジツは映画よりおもろいなり!事情

2011年06月25日 | 米国○○事情
昨晩、旦那が前から観たがっていたウディ・アレン監督の映画、『Midnight in Paris』を観に行った。
彼の映画は面白いことは面白いのだが、彼特有の皮肉やジョークは、アメリカの文化や歴史、ユダヤ人特有の習慣などをちゃんとわかっていないと笑えないものも多く、
ジョークの80%は、大ウケしている周りの大人達に囲まれて、笑えないでシラケているガキになったみたいで、ちょっとした孤独感を感じたりする。
そして旦那は、そんなわたしの孤独感を可哀相に思って、ほんとは大いに笑いたい時でも、それができなかったりする。
まことに気の毒なのである。

そんな映画館の会場で、とても珍しいことが起こった。

会場が暗くなり、携帯電話などの諸注意ビデオが終わり、長々とした予告編も終わり、さあいよいよ本編!という時に、
我々と同列の大人カップル、我々の後ろの列のティーンの女の子達、そして、最前列に座っている、これまたティーンの女の子達4人が、どういうわけか話すのをやめないのだ。

しばらくは我慢した。
たまたまなんだろう。騒がしいといっても、映画の声が聞こえない、というほどではない。
そこに居たそれぞれが、そんなことを言い聞かせていたのだろう。誰ひとり、注意する者はいなかった。
2分経ち、5分経ち、10分が過ぎた頃、しかも、映画の中では、主人公のカップルが小声で話し続けているシーンが展開さえていて、
いよいよ堪忍袋の緒が切れた女性が、「静かにしなさい!」と大声で叫んだ。
一瞬シーンとなったが、驚いたことに、すぐにまた、同じような声量で話し始めたではないか?!

次に行動に出たのは、彼女達の席と通路を隔てた列に座っていたおじさんだった。
おじさんは、彼女達の所までツカツカと足早に歩いて行き、「静かにできないのだったら出て行きなさい」とでも言ったのだろう、
4人の女の子達はひとり、またひとりと、派手に音をたてて会場から出て行った。

その間にも、我々の後ろの列の女の子達は、同じペースでおしゃべりしている。
左側のカップルは、やっと静かになった。

と、信じられないことに、出て行った4人が、ガヤガヤと騒がしくおしゃべりしながら、またまた戻ってきたではないか!

こちらに引っ越してきて気がついたのだけど、
どういう場であれアメリカ人は、係員や作業員のでんでん虫級の遅い動作や、延々と待たされる踏切や一旦停止、決して時刻表通りに来ない乗り物など、理不尽とも言えるほどに待たされることに、とても我慢強い。
そして、こういうおバカをする人間のことも、しばらくは様子を見る、という忍耐力もある。
けれども、一旦キレると行動は早い。しかも、そこに見事な連携が生まれる。

戻ってきた女の子達が全員座った途端、今度はおばさんが立ち上がり、外に出て係員を連れてきた。
係員は、彼女達ひとりひとりを、FBIが使っていそうな強力な懐中電灯で照らし、ひとりずつ強制的に連れ出して行った。

もはや誰も、映画など観ていない。
出て行く彼女達が全員いなくなるまで拍手喝采、わたしももちろん「イェ~イ!」と言いながら拍手で見送った。

現実は映画より、何倍もおもろかったのであった。
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ピアノのお医者さん

2011年06月25日 | 音楽とわたし
雨がずっと続いていて湿度が高くなり過ぎたのか、カルロスピアノの鍵盤の多くが、元の位置に戻ってこなくなってしまった。
そこで、修理にやってきてくれたアルバート。週末の土曜日にすみません!
まあ、土曜日がいい、と言ったのは、彼の方だったんだけど……。

またまた鍵盤の解体作業。


この一本一本の裏側にある、赤いフェルトで縁取られた四角い小さな穴に、ピアノ用のアイロン?棒を突っ込んで温め乾燥させます。
ツマミは温度調節ができるらしい。作業の邪魔にならないよう焦って撮ったらピンぼけでした、すんません。


背ぃ高のっぽのアルバート。ちょいと照れておられます。


作業が終わったのから戻していって、


ひとりぼっちの黒鍵さん。


今日は久しぶりに晴れたので、部屋の中もピアノも、ずいぶん乾いてきたようです。

百歳を超えるこの家は、雨が降り続くと必ず、年月の香りが湿気に手を引かれて戻ってきます。

湿気の度合いが高まると、その香りの濃さの度合いが強くなります。

そういう日は、ここで暮らしては亡くなっていった人達の、息づかいまでもが感じられるような気がします。
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世界七兆不思議

2011年06月25日 | 日本とわたし


企業の存続よりも、まず福島、日本のものだけではない海、そして近隣地域に生きる人や動物や自然を守る。

なんでそうならへんの?
今だにこれは、東電という一電力会社がなんとか始末せなあかんもんなん?
そんな程度のことなん?

わからへん。
わたしにはほんまにわからへんわ。
なんでこんなとんでもなく難しいことを、
今までに経験したこともない、どないしたらええのかようわからへんことを、
作業してくれ言われても、だからどうするのかもよう知らん人達が、命削ってせなあかん仕事をしてて、
それでも全然事態が好転もせず、見通しも立たず、ただ後手後手でその場凌ぎの方法考えてやってて、
それもことごとく失敗ばっかで、
もうなにがなんやらお手上げですわ~の会社やのに……。
なんで105日間もずうっと、お任せしてんの?
なんかそういう、どうしても東電やねん!なにがなんでも東電やねん!っちゅう決まりとかあるん?

1000億もの工費がかかるから、それを株主総会で言うたらまたえらいことになりますから、
多分、地下水までドロドロに溶けたマグマみたいなんが届くのには、1年以上はかかると思いますから、

なんでこんなブラックジョークみたいなことを聞いて、誰ひとり叱らへんのん?
わたしがもし東電の株主で、こんなニュースを耳に入れてたら、多分会社に怒鳴り込みに行くわ。
「ド阿呆が!ごちゃごちゃ言うてんと、今すぐにでも壁の設置に取りかからんかい!」って。
コメント (8)
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