ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「天地の始まりには何も無く、だから無名であり、天地に万物が生まれ名付けられ、有名となった」

2013年07月27日 | ひとりごと
Verse 1 【體道第一】


TRAMSCENDING(道の世界と名のある世界)


The Tao that can be told
is not the universal Tao.
The name that can be named
is not the universal name.

In the infancy of the universe,
there were no names.
Naming fragments the mysteries of life
into ten thousand things and their manifestations.

Yet mysteries and manifestations
spring from the same source:
which is the mystery within manifestation,
the manifestation within mystery,
the naming of the unnamed,
ant the un-naming of the named.

When these interpenetrations
are in full attendance,
we will pass the gates of naming notions
in our journey toward transcendence.


道可道 非常道/名可名 非常名/無名天地之始 有名萬物之母/故常無欲以觀其妙 常有欲以觀其徼/此兩者同出而異名/同謂之玄/玄之又玄 衆妙之門

道(みち)の道(みち)とすべきは、常(つね)の道(みち)にあらず。
名(な)の名(な)とすべきは、常の名(な)にあらず。
無は天地(てんち)の始に名づけ、有は万物(ばんぶつ)の母に名づく。
故(ゆえ)に常(つね)に無はもってその妙を観しめさんと欲(ほっ)し、常(つね)に有はもってその徼(きょう)を観しめさんと欲(ほっ)す。
この両者は同出にして名を異(こと)にす。
同(おな)じくこれを玄(げん)と謂(い)う。
玄のまた玄は、衆妙(しゅうみょう)の門なり。

道というのは、これまで言われてきた道ではない。
名も従来の名ではない。
天地の始まりには何も無かった。だから無名である。天地に万物が生まれ、それぞれに名が付けられた。有名である。したがって有名は万物の母である。  
故に無は常にその奥深き妙を見せ、有は常に無との境を見せる。
此の両者は同じ所から出て名を異にしているだけだ。
どちらも玄妙で、
玄のまた玄は見通せないほど深遠なものである。

老子道徳経 ( 道家思想 《老子・荘子》)より、お借りしました。




昨日の朝、4週間ぶりの、気功瞑想のクラスを受けた。
ミリアムに、今、とんでもなく追い込まれてるので、道教の学びをキャンセルして、1時間の瞑想だけを受けさせてほしいと頼んだ。
ちょうど、わたしひとりだけのクラスやったから、わたしの我がままを聞いてくれた。

ミリアムはまず、6日間ボートに乗り、ノルウェーから北に向かった旅行の話をしてくれた。
そのボートは、600人あまりの乗客がいて、寄港するたびに、現地の住民が乗り込んでは降りて行くというようなもので、
だから彼女は、観光客だけではなく、その土地で暮らして生きている人たちとも出会い、話ができたらしい。

北極に一番近い町には、2000人ほどの住民がいて、
その2000人の住民は、自分以外の、どの人のことも知っている、という町で、
夏は始終太陽が上がってて、冬は一日のほんの数時間だけ、うっすらとした明かりが得られるという。
わたしが「ようそんなとこで暮らせるもんやね」と言うとミリアムは、
「わたしも同じことを考えたから、その町の子どもたちに聞いてみたの」
子どもたちは、全然気にならない、と答えた。
なんでそんなことを聞くのか?というふうに、少し首を傾げながら。

「水がね、もうほんとに美しくてね。


まるでハチミツみたいなのや、絹のようなのや。


町の至る所に、いろんな水が姿を見せてくれていて、わたしはその前に立ち尽くして、ただただ眺めてた。


滝の途中に、大きな岩が露出していて、水の一部がそこに当たって弾けて、そしたらどうなると思う?
空気みたいに泡になって見えなくなってしまうのよね。

まうみやわたしの思いも、水のように、自由自在に、すがたかたちを変わるのだなあと、わたしはその水を見ながら考えたの」


ミリアムからの宿題は、最初に載せた、道教の教え81章の第一番目を、一日に何回となく読み、そして3分間瞑想する。
読む時に、言葉の意味を考えたり、辞書で調べたりしない。
ただ読むだけ。
そして静かにゆっくり息をしながら3分という時間を過ごす。


楽譜が届いたのが今週の火曜日。
今から4日前のことやった。
5曲のうち、どないしても多分、自分のものにできる可能性が無いと思われた1曲だけを断って、他の4曲の練習にとりかかった。
若かった頃なら、2日もあったら完成しそうな曲やのに、どないしてもうまく弾けへんまま3日が経ち、今日は歌手のうちのひとりと合わせの練習をする。
他の3人の歌手たちとは、本番前のほんの30分の間に、軽く合わせるだけ。
歌手たちはプロのオペラ歌手で、自分の持ち歌なんやから、伴奏者がその歌手のクセやら表現に合わせたらええやん、という感じ。
う~ん……。
4曲中の3曲が初めて弾く曲、というのがちょっと痛い。
けども、なんとかするっきゃない。
このOpera Theater の専属伴奏者に、ずっとなりたかったのやから。

みたいな、自分で招いたプレッシャーにちょっとつぶされかけてたけど、ミリアムに会えてよかった。
ありがとう、ミリアム。
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内田氏「TPP交渉で何か勝ち取るというのは国内向けのウソ」&小出氏「まずは原発をとめて足を洗う」

2013年07月27日 | 日本とわたし
ほんまはほんまは、このアーカイブを文字起こししたいんです!
けど、明日の、ギリギリ仕上がるかどうかのコンサートの練習をせにゃならん!
ということで、今日はとりあえず、この、お二方のきっぱりとした、どっちもいらん!いらんもんはいらん!あかんもんはあかん!宣言を、
ラジオフォーラムさんから転載させていただきます。

どうかどうか、この内容を、みなさんご自身だけやなく、身近な、大切な、ご家族やお友だちに、伝えるなり紹介なりしてください。
よろしくお願いします。



※リンクをクリックするとYouTube上で頭出し再生します

00:33 オープニング
08:27 ブラック企業の実態と対処法
17:39 小出裕章ジャーナル/原発なしでも足りる電力
30:03 極めて危険なTPPの中身
44:43 インドネシアでのコミュニティFM設立支援
53:28 エンディング

ゲスト 内田聖子さん(アジア太平洋資料センター事務局長)
パーソナリティ 石井彰(放送作家)
テーマ ウソと秘密のTPP、交渉の内実に迫る


内田さんは利害当事者としてTPP交渉に参加。その内幕をレポートします

【石井彰・パーソナリティ】よりひとこと
ゲストの内田さんは、番組が放送されている期間はマレーシアにいて、日本が初めて参加するTPPを取材予定です。
会議は、11日間にもわたって開かれるのに、日本が参加できるのはわずか3日だけ、
それまでは、これまでの会議で決まったことや、話し合われたことなど、約1,000ページにも及ぶ資料すら見ることができない! など、
TPPの中味以前に、いかにその進め方すら、私たちは何も知らないことに驚きました。
今回のマレーシアでの会議を、より深く理解するためにも、前回のペルー会議を、現地で取材した内田さんの言葉に、耳を傾けてほしいと願います。


■TPPで輸出は伸びない

TPPについて、内田さんは、日米のグローバル化した一部の大企業にとって、大きな利益をもたらすことは明らかとしつつ、
「その代償として、私たちが、どれだけのものを犠牲にするか。
農業、医療、保険、雇用、地域経済など、さまざまな悪影響がある」と指摘します。

すべての品目で、関税を撤廃するという、極めて自由度が高いTPP。
「結果、安い商品・サービスが、大量に流れこんでくるだろう。
果たして、安ければよいのか。
遺伝子組み換え、農薬や添加物を多用した品を選択するのか
、という問題だ」。

また、推進派が、日本の産品の輸出競争力が高まる、と謳っている点については、
「日米を除き、参加国の経済規模は小さい。
中韓、人口の多いインドネシアも不参加。
つまり輸出先となる市場がない」



■“聖域なし”がTPPの常識

一方、マスコミ報道は全くだめだ、と切り捨てる内田さん。

「TPPを知ろうとしていないし、政府の発表をそのまま流し、批判的検証の視点があまりに弱い」

例えば、コメや砂糖などの5品目の関税を、“聖域”として、交渉で守ると言われていますが、
他国の報道や交渉官によれば、
「すべての品目で関税ゼロにすることを、日本は同意しており、それはない」との応えが返ってきます。
「これが常識。交渉で何か勝ち取るというのは、国内向けのウソ」と断じます。


■人々は、単なる消費者に落とし込められる

TPPの最大の問題点として、内田さんは、
「人にとっての命や生活より、企業の利潤が優先される。
人々は、安いものを買ったり、民営化されたサービスを受ける、ただの消費者として位置づけられる。
社会や国のかたちが変えられていくことが、最大の危険」
と指摘しました。


■若者に権利教育を – ブラック企業への対抗軸



内田さんが企画委員を務めるブラック企業大賞には、名だたる企業がノミネート

もうひとつのテーマは、ブラック企業。
これら企業では、長時間・過密労働、いじめ・パワハラなどが、常態化しています。

ブラック企業をノミネートする「ブラック企業大賞」の、企画委員を務める内田さんは、あらゆる業態で、それが広がり始めているとします。
大賞には、学生が就職したいと思うような、有名企業がずらりと並びます。

雇用契約と実際の業務が違う、残業代が出ない、研修と称して、休日に、ボランティア活動をさせられる
そういったことがひとつでもあれば、おかしいと思うこと
また、先輩や上司の働き方を見て、自分がここで働き続けることはできるのか、考えて見ることも必要。

内田さんは、
今の若者は、労働以外でも、権利教育を受けておらず、法律で定められたそれらを知らない
新卒で、ブラック企業に入っても、声を上げられず、自分が悪いと感じる
小学校から、そういった教育が必要
」と強調しました。


■原発なしで電力は足りる – 小出裕章ジャーナル

原発を止めると電気は足りなくなる?
「まんまと皆さんが騙されていたのですね」~第28回小出裕章ジャーナル


石井:
暑い夏になると、原発が止まっていると、電気が足りなくなるということがつい思ってしまう人が結構いたりするんですよね。

小出さん:
そのようですね。

石井:
原発を止めると、このような豊かな暮らしができないんじゃないかと恐怖を覚えてしまう、でも、実態はそうじゃないんですよね?

小出さん:
もちろんです。
私は電気をたくさん使うということが豊かだと、実は思わないのですけれども、
電気をたくさん使いたい、それが豊かだと思っている方々にとっても、原子力というのは全く不要です。
今、即刻、全ての原子力発電所を停止したとしても、日本の電力供給には、何の問題も生じません。

それは私が言っているのではなくて、
日本には、原子力発電所がどれだけ、火力発電所はどれだけ、水力発電所はどれだけ、というのはもうしっかり分かっていて、データが公表されています。
私自身は、その公表されているデータを調べているだけですけれども、
日本で使う電力は、火力発電所と水力発電所を、きちっと動かすことができるなら、いついかなる時も、十分に間に合います。

石井:
3・11前には、電力の3分の1が原子力だ、というCMが流れていて、
いつの間にか、原子力がなくなると、暮らしそのものが成り立たなくなるという錯覚を持ってしまいましたよね?

小出さん:
まんまと、皆さんが騙されてしまったのですね
去年の夏に、大飯の原子力発電所というのを動かさなければ、停電になるぞと、国と関西電力が脅かしたのですけれども、
大飯の原子力発電所3号機と4号機の、2基を動かしました。
合計、出力270万キロワットですけれども、その陰で、火力発電所を、関西電力は、300キロ万ワット分を停止させたのです。

日本には、火力発電所が十分にあって、年間の稼働率でいえば、5割にも満たないというほど。
つまり、半分以上は、火力発電所を止めておかなければならないほど、火力発電所が余っていた
のです。

石井:
火力発電所をあえて止めて、あるいは減らして、その分、原子力発電所をいっぱい使っていたと?
それはなぜですか?

小出さん:
そうです。
原子力発電所というのは、一度動かし始めてしまうと、出力調整もできませんし、ひたすら動かすしかないという、そういう機械なのです。
ですから、動かしたら、とにかく1年間なら1年間、動かしておきたいということで、
どうしても、稼働率、私たちは設備利用率と呼んでいますが、それが高くなってしまうのです。

火力発電の方は、需要に合わせて、止めたり動かしたりできる、大変便利なので、夜間の方は止めてしまって動かさない、ということをずっとやってきたのです。

石井:
火力発電所は燃料費が高い、原子力発電の方は割安だというのが、ウソというのが明らかになりましたよね?

小出さん:
そうですね。
すっかり明らかになってしまっていて、数年前に、立命館大学の大島堅一さんという方が、電力会社の経営データ、有価証券報告書という実際のデータを使って、それぞれの発電の方法の電力単価を計算してみたら、
原子力が一番高かった
という、そういう結果がすでに出ています。

石井:
円安で石油が高いと、なんとなく火力の方が高いんじゃないか?と思わされてしまっていますよね?

小出さん:
そうですよね。
もともと、原子力なんかに手を染めなければ、私たちはもっと、ずっと安い電気代で済んだはずなのです。
ところが、愚かな電力会社の経営陣のために、もともとこれまでも、高い電気代を払わされてきましたわけですし、
原子力をやめてしまえば、今持っている発電所が、不良債権になってしまうわけで、その部分の穴埋めをしないといけない、というのは短期的にはあると思いますけれども、
もともと高い原子力発電なんか、やめてしまえばいいのであって、火力なり水力なりに転換していけば、基本的には安くなるはずです。



内田さん:
もともと、あまりしてませんでしたが、原発批判が減っていますよね?
そのことが、私たちが、電気が足りなくなってしまうと思う要因と思うのですが、どうでしょうか?

小出さん:
日本の政府、電力会社、原子力産業、そして、マスコミなどなど、全部がグルになって、原子力がいいんだ、という宣伝を流してきたのですね。
福島第一原子力発電所の事故が起きているにも関わらず、原子力をやるという方針を、ますます強めようとしているのですね。
その時に、またそれも、マスコミも巻き込まれてしまっている。
原子力ムラという組織が、全く無傷のまま生き延びてしまっている、と私には見えます。

石井:
日本の電力は、火力と水力で十分に間に合うと、統計データがそれを証明していると…。

小出さん:
そうです。

石井:
なおかつ、安いと…。

小出さん:
そうです。
それも、電力会社の経営データが示しています

石井:
経済コストの面からいっても、火力・水力で十分ですよね?

小出さん:
福島の事故を見るまでもなく、きちっとした賠償・補償をしようと思えば、日本の国家が倒産してしまうほど、被害がすでに出ているわけですし、
これから、廃炉ということをやろうとすれば、大変なお金がかかるというのは、本当のことなのです。
それはもう、逃げることができませんので、私たちが、それと向き合うしかないのです。

もし、これ以上、原子力をやってしまうのならば、その大変さがどんどん膨らんでしまうわけですから、
まずは原子力発電所をとめて、足を洗うというのがいい
と思います。

石井:
小出さんのきっぱりとした発言に、勇気づけられます。
ありがとうございました。
コメント (3)
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