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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

たかが湯沸器一つで国土を汚し、住民に絶望を与えるような技術に、専門家など居るわけが無かろう

2013年07月30日 | 日本とわたし
『安倍さん、原発事故を起こした張本人は、あなた、安倍さんですよね!』

福島在住の若いおかあさんが、両手で掲げている手書きのボード。
まるで彼女の目の前に、抗いようのない巨大な敵がいるかのように、ギッと睨みつけている写真に出会た。
その写真の背景を知り、たまらん気持ちになって書いた記事に、とんでもない数の人たちから、非難のコメントが届いた。
ひとりひとりに返事をしながらも、わたしが伝えたかったことから外れていったり、なんでこんなことを言われなあかんのかというような言葉が目に入ったりして、
いや~な疲れがべっとりと、心の壁を覆い始めてた頃に、この、Percianさんという人からのコメントが書き込まれてた。

法律は人間を守るモノ (Percian)
2013-07-14 03:34:33

行為の是非を、ルールという空気で判断するのは、思考停止の現れ。

原発導入は、中曽根元総理と正力元読売社主らの、米国との協働であることも、歴史が明らかにしてきた。
議会の議事録を読めば、いかに原発の安全対策がおざなりであったか、
車を運転していても、誰もが事故るまでは、まさか自分がと思っているだろう。
それと同じ。
廃車した後の事なんて、誰も思いを馳せないと思うけど、原発についても、同じ感覚だったのではないだろうか。

リスクを後世に遺し、今の利便を享受するために、原発を再稼働することに疑問を感じない人は、愚民化教育の賜物。

法治国家と言うけれど、法律は人を守るためにある。
いろんな法律があるから難しいけれど、電離放射線障害防止規則という法律で定められた、
放射線量を守らない状態を続けている事業者や政府に対して、批判をするために法律に則れとは笑止千万。

ムダな除染や、希望を与えるような避難区域の設定、復興予算の流用など止めて、補償付きの移住を行うべきだと思う。
費用が莫大になると言う意見もあるが、現場のままと比較したら、本当だろうか。
郷里を失うつらさは、想像を絶するが、後世の事も考えたら、汚染地で生きてゆくこと自体が、修羅道ではないのか。
選択の余地のない道を選ばされている人が、いかに多いか。
そして、それを強いた連中は、安穏としている。



諦観と詭弁 (Percian)
2013-07-14 15:35:59

古来、権力者の責任の取り方は、個人が実際に手を下したか否かに関わらず、身を引くことで全うされてきたのではないだろうか。
もちろん、権力の座にしがみついて離れない者、既得権として世襲が当然だと思っている者が、あまた居るのは世界中同じだと思う。
権力に、どのくらい価値があるのか分からないけれど、
持てる者と持たざる者の格差の大きさがあればあるほど、持てる者にとっては、隷属の道を作りやすいのは自明だろう。

先ず、皆が認識すべき事は、
核エネルギーは、制御が容易ではないこと、
現在の原子炉で生まれる廃棄物の、安全な処理技術は、確立されていないこと、
放射能による生物への影響は、便益よりもリスクの方が大きそうだと言うこと、
我が国の電力会社の、原発の資産勘定はでたらめであり、運転してもしなくても、コストは電気料金に織り込まれているということ、等々。
他人任せの、技術の進歩なんていう言葉に惑わされ、原発を容認してきた我々や、
補償で立地容認をした人達、利権に目がくらみ、後世へのつけは想定外、と逃れる政治家、官僚、財界人、
皆が反省しなくてはいけないと思う。

原発については、多様な価値観などと言う相対主義は、通用しないと思う。
諦めて、汚染地で生活してゆくことを選んだ、と言う人も居るが、
それは、諦めさせるような方策を、為政者が執ってきたからではないか、と考える必要はないだろうか。

選挙活動の妨害と言うけれど、本欄で取り上げた行為を、エキセントリックに批判している人達は、
少数の意見、しかも、それが急所を突いている場合に、それを封じ込めようと詭弁を弄する。
理不尽な状況に置かれていると感じている人達が、諦めてくれるよう方策を尽くすことで、隷属の道を敷こうとしている集団意志が存在するように感じられるが、
自らがその構成員である、という自覚も無い人達も、多いのではないだろうか。
これが、愚民化政策の帰結なのだろう。
一人一人が思考を深め、行動してゆくしかないのだけれど、溢れる情報の海を泳ぐ術が磨かれていないままでは、茹でガエルになってしまう。
そういう人が多いほど、統治する側は、楽が出来る訳だ。



何度も読み直した。
読み直し読み直し、またくじけそうになったら読み直した。

そしてこの記事↓にもまた、名無しの非難が殺到した。

ここまで無責任に原発を増やし、核のゴミを増やし、日本の自然を、国民を、未来を弱らせたのは?

壁の前で立ち止まるネズミ (Percian)
米国が、自国の産業を優先して、京都議定書の批准を拒否した事を忘れないように。
あちらにも書いたが、繰り返すと、我々が認識を共有すべき事は、
核エネルギーは、制御が容易ではないこと、
現在の原子炉で生まれる廃棄物の、安全な処理技術は確立されていないこと、
放射能による生物への影響は、便益よりもリスクの方が大きそうだと言うこと、
我が国の電力会社の、原発の資産勘定はでたらめであり、運転してもしなくても、コストは電気料金に織り込まれているということ。

他人任せの、技術の進歩なんていう言葉に惑わされ、原発を容認してきた我々や、
補償で立地容認をした人達、利権に目がくらみ、後世へのつけは想定外と逃れる政治家、官僚、財界人、
皆が反省しなくてはいけないと思う。

当時の空気に流されたことは、人間が可謬であることの証左だが、権力の座にある者には責任はつきまとうことを、忘れてはいけない。
たちが悪いのは、有権者から、選挙によって国政を預託されたわけでもない官僚やマスメディア、
財界のシナリオがあるかも知れないと思わざるを得ない、自民、民主双方の政権与党としての、原発政策だ。

仕方が無かったと言えるのは、神の目線か、隷属者の諦めか。

人倫と無知 (Percian)、エキセントリックに非難したり、詭弁を弄する者、諦観から居直るしか無い者は、
利権のバンドワゴンに乗っているか、乗りたい、または、思考停止に追い込まれた自らの環境を理解できないか、したくないのだと思います。

何度も繰り返しますが、為政者は、自らの属する政党や、派閥の先達の行為によって生まれた利得を得ると同時に、責任も負わなくてはいけません。
責任を負わず、たらい回しにする役人は、あくまで行政の執行者に過ぎず、立法する権限を、有権者は預託していないことを自覚すべきだし、
貨幣という共同幻想に、至上の価値を見いだし、投機というギャンブルに熱中する非生産的人間が、社会の富を独占して良い訳はないと思います。

人は、自らに関係がないと思っていたり、興味がないモノは、たとえ目の前にあっても、認識することが出来ない、とネルソン・グッドマンは指摘しています。
では、何かのきっかけで、興味や関心を持った物事に対し、人はどのような行動をとるのでしょうか。
それは、学ぶと言うことです。
自ら経験してみること然り、周囲から情報を収集して、解析、解釈してみる、他者との対話によって思考を深める、といった行為のことです。
学校で受ける授業は、あくまでそのために必要な言語や文法といった、道具を手に入れるだけのことであり、
ペーパーテストは、道具の名前と使用法を、記憶しているか否かを問うに過ぎず、
道具を実際に使いこなしたり、手入れが行き届いているかは、評価できないと思います。
秀才と言われる官僚や政治家、大企業幹部らが、3.11の地震と、それに続く福島第一原発事故で、どのような行動を取ったかを振り返れば、分かりますね。

閉塞感に苛まれる事が多い現代ですが、人間の人間たるゆえんは、言語による対話が可能であることにあると思うので、
互いの存在を否定するのではなく、なぜ見解が異なるのかを、根気よく明らかにしてゆくことが、様々な問題の解決への道だと思います。

もちろん、好き嫌いの感情も生じますが、生命の危機に及ぶような行為に走ることは、野蛮だと思います。
人間の歴史では、そのような行為の枚挙にいとまが無いのが、残念ですが事実です。
だからこそ、人間は、可謬であることを認めて、修正してゆく知恵が求められます。
それが、学ぶと言うことでは無いでしょうか。

思考停止は、人間であることをやめることだと思います。
知恵が豊かな社会を創ることは、時間のかかる行為だからこそ、世代を超えて継承してゆかなくてはならないと思いますし、
その障害となる物事を排除してゆくことが、我々の責務だとも思います。
このように考えたら、原発に頼ることの是非は、自明だと思います。
つなぎの役割として必要だ、という人も居ますが、今をつないで、未来を破壊する危険性に考えが及ばないのは、学びの欠如から来るのでしょう。
それでも、為政者には、この最後の者にも、という気持ちで社会を創っていって欲しいと思うし、そのような為政者を支持したいと思います。



二律背反と詭弁 (Percian)
2013-07-15 15:10:01

原発を使わないと陸地が水没するという、飛躍的な二択は、風が吹けば桶屋が儲かる、に通じるモノがある。
人間の行為は、科学にせよ、可謬であるからこそ、失敗から学ぶ事が必要であり、
過去の原発事故、放射性廃棄物の漏出などを見ても、自分の身に降りかかるまでは、頑なにその正当性を主張するのは、
その利得に、自身の存立が依存しているか、または、単なるディべート好きの揚げ足取りなのだろう。

地球の気象という複雑な物理現象は、その因子も数多くあり、理由付けのルートも、シンプルなモノからアクロバティックな似非科学まで、諸説が巷に溢れている。
二酸化炭素の排出の多寡で、原発の優位性を説く人も居るが、
原材料の採掘から精製にかかるインフラの整備や、
その運転で発生する二酸化炭素、
半減期を押さえるシステムの稼働に費やすエネルギー、
廃棄物処理や廃炉にかかる作業で発生する、二酸化炭素までを含めて考えたら、
二酸化炭素排出量の物差しでは、原発の優位性は語れないだろう。

それに、二酸化炭素は、植物の生育には必要なわけで、現在よりも、その濃度の上昇によって、穀物の増産が見込めるならば、便益があると言えるのではないだろうか。
縄文時代には、東京は海の底だったわけだし、地盤沈下による水没と海面上昇を混同した報道により、温暖化論争がかまびすしく行われた。
そして、排出権取引などという金融が絡んできてから、利権が生まれた。
原発の二酸化炭素排出については、全くの後付けであり、導入の是非を論じる際には含まれていない。
幾多の事故を経て、もてあましていた時に、渡りに船だったわけだ。

高レベルの放射性廃棄物を、500年程度の保管で再利用できるところまで、技術が発達したと言うけれど、
室町時代の人が現代に託したような話であり、誰も責任を取らないと言っているのと同じだろう。
現時点でもてあましている廃棄物を、その技術で保管するようにしたとしても、さらなる廃棄物の発生を抑止するという選択肢があるだろうし、すべきだと思う。

他に選択肢が無かったという物言いは、先にも書いたが、神の視線か、隷属者の諦観だと思う。

原発を導入しない事による電力供給の問題、これとても、代替の電力はゼロではなかったわけだが、
現在到達した水準の消費生活には及ばずとも、少なくとも、東日本の広域が汚染された状況にはならなかった、別の発展の道があったと思う。
国際関係の悪化はむしろ、原発事故の汚染拡大という迷惑な行為によって惹起されるだろうし、
京都という地名によって縛られた、我が国の気候変動枠組条約におけるイニシャティブなど、ハナから存在しない。
原発には手を出さないという、その選択肢を選ばなかった為政者、彼らに信託した有権者、利権を至上とした受益者全てが、
失敗から修正への道を踏み出すべきだと思う。



内田氏「TPP交渉で何か勝ち取るというのは国内向けのウソ」&小出氏「まずは原発をとめて足を洗う」

リスクだらけの湯沸器とTPP (Percian)
2013-07-28 09:04:36

現代の大規模な発電装置は、何らかの力でタービンを回して電気を得る、というのは共通の仕様。
蒸気で回すのは、火力も原子力も同じ。
廃棄物の処理に、莫大なコストとリスクを背負い込ませられ、新技術開発をくさして、既得権益にしがみつくのは、
相当の旨みがあるか、単純に煽動されている人達なのだろう。

思考停止の自覚が無い人に限って、対話を拒否し、自分の物差しを他者に強要するが、他者の物差しは認めない。
あまつさえ、居直って、対案を示せと言う。
責任の所在を考えたら、対案を示すべきはそちらだろうに。
電力の安定供給、などとうそぶくが、これほど高くつく代物を買わされている消費者は、カモネギだ。

沈黙の大衆は、本当は感じているはずだ。

原発が核エネルギーであり、爆弾としてしか使い道がない代物であることを。

持て余していたところに、平和利用というまやかしが生まれ、
後付けのCO2排出削減や、安価だという虚偽を、政府とマスメディアが喧伝し、
太平洋戦争時の大本営発表を、表面上は信じている大衆は、場に放り込まれた家畜の群れくらいにしか、権力者の目には映らないのだろう。
言葉が通じないのだから、官邸前の抗議行動なぞ、ノイズに過ぎないのだ。
そういう者が、選挙で預託されたとして、国会に出ているのだから、愚民主政治とはこんなものだと思う。

たかが湯沸器一つで、国土を汚し、住民に絶望を与えるような技術に、専門家など居るわけが無かろう。

大切なのは、謙遜の情であり、廃炉のための技術、研究を最優先することであり、再稼働なんてもってのほかだと思う。
再臨界が疑われるような現状では、チェルノブイリのような蓋も出来ないわけで、
海洋への放射性物質の漏出も、事故当初からあったのだろうし、
参院選挙が終わるまで隠蔽しておいたのは、東電が政府の意向を忖度して、単独で行ったわけでもないだろう。

いわき市や北茨城市の、海開きなんてニュースに、やらせだろうが、地元民や観光客のインタビューが報じられているが、
ブラック政府・企業の、ブラックジョークでしかない。
そこには、不特定多数の集合意志が働いているのではないだろうか。

いわゆる1%と、そのコバンザメだ。

TPPにせよ、関税撤廃による自由貿易によって繁栄した国が、歴史上存在するのかという素朴な問いに、答えられる経済学者はいるのだろうか。
不均衡が存在するから、流通が存在するわけで、一国の繁栄には、搾取された国々が必要なことは、ちょっと考えたら分かるだろう。
賭博の胴元しか儲けは得られないように、資本主義経済はしょせん、投機なのだろう。
J.S.ミルが、定常状態の経済に希望を託したように、我々は、身近にある財と、共同体の自活の道を探るべきであり、
不労所得をむさぼるホワイトカラーと、生産者の構成比を変えてゆくべきだと思う。

形而上学的な文言の解釈のために、交渉団と称し、税金でマレーシアに外遊している官庁職員などは、
それでも日程がキツイだの、誰に対してかは分からないが、ご奉公しているつもりでいるのだろうけど、
本当に日本と世界の共通の人類益のために、判断力を行使することが出来ないのならば、税金で禄を食むことを止めればよい良いだけの話。

納税者が預託したわけではないのだから。



ありがとうPercianさん!
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ピアノ弾きのひとりごと

2013年07月30日 | 音楽とわたし
これは多分、きちんと準備期間がとれるコンサートやったら、こんな展開にも、演奏にもならんかったと思う。
というか、なによりも、オペラ歌手さんたちにとっても、突然依頼を受けたコンサートやったわけやし、
そやから、伴奏を依頼された時も、急にごめんね、やりたくなかったら断っていいからね、と何度も言われた。
けれども、前々から彼らの歌に惚れ込んでいて、いつか彼らの伴奏ができたらどんなに嬉しいやろうと思てたわたしには、どんなに無理でも断ることなどできんかった。


まだほんの二日前に起こったことやのに、もうだいぶ前のことのような感じがする。



わたしは先週、火曜日から、猛烈に譜読みをし、猛烈に練習した。
なんとしても、その曲をものにし、自信をもって弾けるようにしたかった。
できたら、音の追求もしたかった。
ソロの部分では、存分に歌いたかった。
ユーチューブなどで、オーケストラやピアノの伴奏を聞き比べ、それぞれの歌手の歌い方に合わせて弾いてみたりした。
なにしろ、本番までたったの5日しかない。
そやから、指番号を書き込み、省略しても差し支えの無い音には×印をつけ、譜めくりのし易いように譜面を整えた。



土曜日の朝に、やっとやっと、なんとか合わせても良い状態になったので、シアターのリーダーでソプラノ歌手であるミアに連絡した。
彼女はうちから車で5分ぐらいの所に住んでるので、じゃあ、午後にちょっと合わせてみようということになった。

彼女はうちに来てくれて、一回だけ歌い、全く問題無し!と明るく言うて、帰ってった。
そして何回も、「まうみは自己批判し過ぎよね」と言われた。



当日のお昼に、会場のお屋敷に行って、ピアノの調子を見ようとしたら、生ピアノではなく、電子ピアノで演奏することがわかった。
そして、その足で、ミアの家に行き、他の歌手と合わせようとしたら、4曲中の2曲が、調ちがいやということがわかった。

その時の、わたしのパニクりっぷりというたらなかった。

会場では、主催者に、なんとかこの、シュタインウェイのグランドを弾かせてもらえないかと詰め寄ったり、
全く違う調の楽譜を手に、呆然と突っ立ってたり。

そんなわたしの反応は多分、わたし以外の人たちにとったら、かなり異様な光景やったということに、後になって気がついた。

わたし以外のピアニストは、誰ひとりとして、平然としてた。
電子ピアノにも、急に違う調になった楽譜にも、全く動じひん。
ふ~ん……という感じ。



結局わたしは、一番必死で練習した曲を、別のピアニストに弾かれてしもた。
そのピアニストが、どんなふうに伴奏したかというと、まるで適当に、派手に音を外したりしながら、それでも要所要所はとりあえず決める、という感じ。
歌手はというと、全く気にせず、マイペースで、声高らかに朗々と、聴衆を圧倒させながら歌てた。

オペラ歌手がいったん歌い始めると、皆はギュッと心を惹き込まれる。
そのふたつのものの間にいきなり現れた愛を、傷つけないように、水をかけたりせんようにしながら支えるのが、ピアノの役目なんかもしれん。
ピアニストが、その一音を、そのフレーズを、どれだけ大切に歌おうと研究したか、和音の流れにどれだけ注意を払てるかなど、誰も興味が無い。
わたしは、わたしのこだわりとプライドのせいで、演奏のチャンスを逃したのかもしれん。



アメリカに引っ越してきて間無しに、なにかバイトをしようと、バレエ団が練習ピアノの応募をしてるってんで、面接を受けに行ったことがある。
そこに行って見たのは、その場その場で、ダンサーの体調や気分に合わせて、テンポや調まで変えてペラペラと弾くピアニストやった。
なんで調まで変えなあかんのかと尋ねると、ダンサーによっては、その音が耳障りやとか、その調では踊る気分になれんと言う人がいるらしい。
それに加えて、即興演奏も要求された。
わたしはとりあえず試験を受けて、オッケーが出たけど、帰りの車の中で、絶対自分には無理やと結論を出し、断りの電話をかけた。



ピアノを長年弾いてると、いろんな場の、いろんな弾き方があることを知ることになる。
もちろん、専門に学んでる身である以上、曲をていねいに研究していきたいし、時間をかけてコツコツと仕上げた成果を、聞いてもらいたいと思う。
けれども、中には、極端に言うと、そんなことはどうでもええから、とにかく適当に弾いて、と要求されることもある。
わたしは一度、そういうことを、合唱の指導者から言われ、プツンとキレて、それから一切の伴奏を断ったことがある。



先日の、わたしの目の前で弾いた、もうひとりの伴奏者の、猛烈な適当っぷりを、今でもまざまざと覚えてる。
そしてその演奏は、聞きに来てた旦那が「すごかったな」と言うほどに、聞いてる人らにも分かるほどやったけど、
弾いた本人はもちろんのこと、どの歌手も、全くそんなことは気にしてない、ということに、わたしはかなり驚いた。
わたしが弾ききれないからとお願いした曲も、それやったらわたしが初見で弾いても同じぐらい弾けるかも、と思えるような演奏をした。



あんなんでええんや……あんなんでよかったんや……。



いや、でも、同じく聞きに来てくれたミリアムのご主人が、
「まうみ、あれだけよく、歌手の気持ちに添えるね。すごく不思議でエキサイティングだった」と言うてくれたんやから、全く無駄な努力ではなかったはず。

まだ、二日しか経ってないのに、ほんでもってあの嵐のような毎日は、たったの5日間だけやったというのに、
ずいぶん長いこと関わってたような気がするし、なんかいろんな世界をいっぺんに見たような気もする。




さてさて、今夜はこのトウモロコシさんに、夕飯のお皿に乗ってもらう。
弟が、採って2,3時間もすると、味が半減する、と教えてくれたので、採ってすぐに塩ゆでして、みなで4分の一ずついただこう。



日本カボチャさんも、めきめきおっきくなってきた♪
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TPPは、もともとスリだということが、はっきりわかっている交渉!ど~ん!

2013年07月30日 | 日本とわたし
内田聖子氏
「TPPの農業5分野に含まれる品目は586品目あり、すべて守る事は到底ありえない」



毎日放送MBSラジオの「報道するラジオ」
国際NGOの一員として、TPPの18回目の交渉(マレーシア)に行き、情報収集してきたNGO「アジア太平洋資料センター」の事務局長・内田聖子氏。
彼女は、16回目のシンガポール、17回目のペルー・リマの会合にも参加しはった人。



・TPPのルールは、29章ほどあり、約半分(14章)は確定している。

・農業の5分野(米、牛肉等)に含まれる品目は586品目あり、
 これを全て守る事など到底ありえない。

・TPPは、交渉参加する前に、秘密を保持する契約書にサインさせられ、
 自国がどういう主張したかさえも、教えることはできない。

・ルールが決まり、国会で承認する際に、TPPは一括採択方式なので、
 丸ごと飲むか飲まないか、の二択しかない。
 要は、ここの部分は飲まない、などということはできない。

・アフラックのがん保険の参入は、TPPのほんのはじまりに過ぎない。


↓以下、内容を簡単に書き起こしました。

・マレーシアのコタキナバルで行われた、第18回TPP交渉での、日本の立ち位置は?

ひと言で言うと、今回の参加は交渉ではなく、最後の三日間だけ、駆け込みで参加しただけなので、
説明を受け、情報収集をすることだけで精一杯で、挨拶に行ったと考えた方がいい。


・日本から93人が乗り込む理由?

大集団で会場に入る時に、ひとりひとりの名前を確認するために、ダーッと一列に並ぶ。
時間もかかるし、異様な光景だった。
その人数が必要があったのかどうか、それはわからない。
会合に参加すると、テキスト(条文)が見られる。
もちろん、日本の交渉官には、英語に堪能な者が選ばれているので、理解はできるとは思う。
1000ページに及ぶ、すべて英文で書かれているテキストを、どうやって完全に理解できるのか。
テキストは用紙ではない。
23日の昼の時点で、参加がオッケーになり、いくつかの手続きを経て、その後初めてパスワードをもらえる。
コンピューター上で、大変厳重に一元管理されているサーバーにアクセスし、パスワードを入れて初めて見られるもの。
印刷なんかは一応できるみたいだけれども、そこから100人の人たちが、手分けをして一気に読むことになった。
23日の午後から交渉があり、そこに参加したのだが、その時点では、とてもではないけれども、全部を読んで臨むなんてことはあり得ない。
その日(23日)の夜は、全員、徹夜をして読んでいた、と聞いている。
読むということと、それを分析したり、さらに戦略を立てるということは別。
そんなことをしてるうちに終った
、と思っている。

政府は「TPPに遅れて参加してることについてのハンデはあまりない」と言うが、
政府としては、行ってすぐに、ダメだったとは言えない。

各国の主張がバラバラでひらきが大きいので、そこに日本が入って交渉する余地がある、などとも言っているが、
それも、相当無理があると言える。

議論はもう、18回も重ねられていて、3年経っている
そのプロセスに、日本は全く関与していない
目標としては、年内に妥結することになっている。
協定の全容の29章のうちの14章ぐらいは、文言が確定している。

農業の5分野は、どこまで進んでいるのか。
今、それぞれ個別に、2国間での交渉は進んでいて、妥結にはまだまだ至っていないのは事実。
この5分野という言葉だが、多くの人は勘違いして、五つしかないと思いがち。
実に、586品目にわたって交渉をしなければならない
加工品や調整品、お米だったら、せんべい、餅などの加工品も米に含まれる。
その線引きを、日本政府は一切していない。
具体的には、譲っていく品目は必ず出てくる。
それを政府は、ずっと曖昧にしてきている。
5分野といっても大変複雑であって、その中には交渉の余地があるものがあるかもしれないけれども、
全部守るなんてことは全くあり得ない

政府の態度は全くデタラメ。
無責任の極み。

TPPの秘密性が遅れて入る国には、秘密を保持します、という契約を交わしてからでないと入れない。
日本も、23日の昼間にその手続きをした。
日本の農業団体や経済団体も来ていたが、その秘密保持の契約にサインしたので、なにも言えないという説明をした。
どういう主張をしているのか、ということすら言えない。

農業関係や財界の団体も来ていて、なんとか情報を得ようとしていたが、その説明を受け、愕然としていた。

国会で全容が出される時には、一括採択方式。
丸ごとのむかのまないか。

『聖域を守る。国益に反する時は撤退』
などというのは、全くの絵空事。

その時までに、詳しいことの経緯は秘密で、いきなり全容を知らされ、それがどんな内容であれ、それを断ることなどできない。
例えば、自動車の輸出メリットは、8月の段階で皆無になっている。

日本の得るものはなにか?
もともとスリだということはわかりきっている交渉。
日本は守りますを連呼してきたが、勝ち取ることなど全くなにも言ってこなかった。
ようやく言い始めたものは、自動車や家電や鉄鋼だったが、中国やインドが入っていないのに、意味がない

海賊版の著作権を管理し、防止すると言っているが、これも中国や香港や台湾が一番関与しているので、経済的メリットなどなにもない

海外からの投資を呼び込むことによるメリットを言うが、これがメリットなどと全く思えない。
アフラックのがん保険を郵便局で売ることになったが、アメリカの商品を、日本が作り上げてきた政府が株主の郵便局で売る
アメリカはずっと、こういうふうに、日本の市場に進出したかった。
日本の企業と対等に競争がしたい。
貿易の障壁を壊したい。
それが、TPPではすべては叶うことになる。

4月からずっと用意はされてきた。
選挙が終わるのを待って、アメリカの企業の代理店化を発表した。
日本の生命保険は独自の開発をしていたが、撤退を強いられた。

平行協議と言われる2国間だけで行われる交渉は、TPP交渉よりももっと見えない。
この、がん保険の件のように、突然結果が報道される。
こういうことが、おそらく今後、いろんな品目で行われることになる。
医薬品についても言い出している。
ジェネリック薬品が使えなくなる⇒新薬の特許延長

アメリカの製薬会社は、新しい薬をなかなか作ることができていないので、
とにかく今、作ったもの(薬)の特許期間を延ばして利潤を得ないと、薬の開発投資ができない。
だからもう今、死に物狂いで、TPP交渉の中のチザイという分野になるのだが、テキザイサンの方を強化しようとしている。

これは日本の医療現場に与える影響というものは強烈。
安い医薬品をようやく使えるようになった途端に、こういう交渉(延長要求)で、ジェネリック医薬品を使えなくするという。
既に日本の中では、貧困の格差は広がっている。
薬や医療品にお金が払えない若者が増えてきているのに、それが手に入らなくなるというのは、大変なことだと思う。

がん保険は始まりに過ぎない。

TPPに参加するということについての国益とはなにか?

戦略なき交渉。

異議を唱えなければならない。
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