ZBAT!競馬『【毎日杯】シャフリヤールが驚異の日本レコードタイで重賞初V!』
第68回毎日杯(3歳、G3、芝外1800m)は、川田将雅騎手騎乗の2番人気シャフリヤール(牡、栗東・藤原英昭厩舎)がスタート若干遅れるも、盛り返して一旦は3番手まで上げるなど好位を追走。直線に入ると父ディープインパクト譲りの末脚を発揮。グレートマジシャンが迫るとさらにもうひと伸びし先頭でゴール。2017年に制した全兄アルアインに続く兄弟制覇を果たした。タイムは1分43秒9(良)の日本レコードタイ。
2着はグレートマジシャン(1番人気)、3着にはプログノーシス(4番人気)が入った。
毎日杯を勝ったシャフリヤールは、父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ、母の父Essence of Dubaiという血統。通算成績は3戦2勝。重賞は初制覇。毎日杯は管理する藤原英昭調教師は初勝利、騎乗した川田将雅騎手は15年ミュゼエイリアンに次いで2勝目。
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いやぁ、ある程度想像していたとは言え、強かったですねぇシャフリヤール。。2着のグレートマジシャンも相当強いと思いますが、1000m57.5秒の流れを好位追走から上り34.1秒では、さすがに交わすまではムリでした。
これで共同通信杯組からは、2着だったヴィクティファルスに続いての重賞勝ち馬が出たことになります。共同通信杯自体はドスローからの上り勝負で『レースレベル微妙』との評価もありましたが、スプリングSと毎日杯の結果を見ると、相当に濃いメンバーが集まっていたのは確かなようです。
本来であれば、その共同通信杯でヴィクティファルス、シャフリヤールから0.3秒の競馬をしたカイザーノヴァの話もしたいところですが、さすがに1分43秒9の時計は強烈過ぎます。もしもカイザーノヴァが、好調のまま毎日杯に出ていたとしても、後方から懸命に追い込んでどこまで上位に迫れたか…。いや、そういう想像はあまり意味がないのでやめておきましょう(^^ゞ
ちなみに今日の1~3着は全てディープインパクト産駒。改めてその破壊力を見せつけられた思いと、もうすぐディーププインパクト産駒がいなくなるという複雑な思いが交錯します。正直、4着に入ったルペルカーリアだって悪い競馬はしていないはずですし、ディープの仔がいなかったらいずれ重賞も勝てそうな雰囲気ですが。。でも、ディープ産駒との切れ味勝負に巻き込まれると分が悪いんですよねぇ…
しかしこれ、今年のクラシックはどうなりますかね。昨年のように抜けた存在がいない分、どの馬にもチャンスがありそうですが、それぞれのレベルが結構高そうだしなぁ…。
こう言っては何ですが、クラシック参戦の可能性を残していたカイザーノヴァが骨折で戦線離脱、バスラットレオンはマイル路線確定となった今、私としては気楽に観戦できるので混戦でも何でもありです。うーむ、これは本当に面白いことになってきました!(馬券は難しそうですけれど(^^;))
**2021/3/27阪神11R 毎日杯(G3/芝1800m)・良**
三嶋牧場・西舎共同育成場在厩のアンジアンは、おもに屋内ダートトラックでハロン20~24秒ペースのキャンター2400mを消化。週1~2回、坂路でハロン14~17秒ペースのキャンター1本を乗り込まれています。
◇三瓶担当のコメント 「もともと走り自体は良い馬ですからね。スピード調教を重ねるにつれて、少しずつですが着実にしっかりしつつある状況です。以前よりも飼葉喰いが安定していますので、今後は坂路調教を週2回コンスタントに乗っていくことにより、さらなる体力強化に努めていきたいと思います」
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この世代の出資馬の中では(レフィナーダ’19は別にして)、比較的時間がかかるタイプと思っていましたが、現時点での進捗だけで言えば、アシタカやキングエルメスに全く遅れている印象はありません。
そのあたりは、シュウジデイファームの牡馬2頭に比べてコンパクトな牝馬ゆえもあるでしょうが、もともと走り自体は良い馬、つまり、フォームが良くて余計な負荷が掛かりにくい点も理由の一つかもしれません。
あとは、ここにきて飼い葉喰いが安定したこと、これが非常に大きいですね。前回の近況で「エサの種類を工夫した」話が紹介されていましたが、それによって馬体の維持に苦労がなくなり、坂路速めを継続できるようになったのだとしたら、これはもう育成場の皆さんの大ヒットでしょう。
競馬場での勝利は派手なパフォーマンスになりますが、そこに到達するまでには、必ず地道な努力と工夫の積み重ねがある…。いやぁ、こういう話を知ってしまうと、益々応援に力が入ってしまいます(^^ゞ
【三嶋牧場・西舎共同育成場在厩のサティアナ'19:公式HP(2021/3/5更新分)より】
シュウジデイファーム在厩のキングエルメスは、引き続き、おもにBTCの直線ウッドチップ馬場や屋内坂路でハロン14~22秒ペースのキャンター1~2本を乗り込まれています。
◇石川代表のコメント 「ダートでは骨に刺激を与え、坂路では2F15-15前後を馬なりで。適度に緩急をつけたメニューを順調に消化できています。本馬に限らず、できるだけ乗りやすい馬を作っていくことが我々の仕事だと思っていますので、この時期は特にその点にも配慮しながら進めさせてもらっています」
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調教メニューに関しては、アシタカと全く同じペースで進んでいるようです。こちらもアシタカ同様に、「適度に緩急をつけたメニューを順調に消化できている」とのことなので、現時点では全く心配事はありません。
その上で、「できるだけ乗りやすい馬を作っていく」ことに関してはどうですかね。いや、石川代表は「本馬に限らず」の話と仰っていますが、今までの傾向から考えると、アシタカよりはこちらの方が『扱いにくい馬』になる可能性は高そうですからね。最終的には、その手の話は程度問題なわけですが、せっかくシュウジデイの皆さんが気を遣ってくれているとすれば、キングエルメスにはできるだけ「乗りやすい馬」に育って欲しいと思います。
でもなぁ、もうだいぶ前のこととは言え、『ステラの仔が扱いやすいはずがない』みたいな事を、木村さんは自信満々に教えてくれちゃったりしたからなぁ(^^;)
シュウジデイファーム在厩のアシタカは、おもにBTCの直線ウッドチップ馬場や屋内坂路でハロン14~22秒ペースのキャンター1~2本を乗り込まれています。
◇石川代表のコメント 「まだタイム云々よりも下地を作っていく時期ですが、あまり軽めだけでもダメですからね。適度な負荷を与えていくことも重要ですので、ダートではじっくりと骨に刺激を、速めをやる時は脚元にやさしい坂路や直線のウッドチップコースで乗り進めています。順調です」
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『まだ下地作りの時期』とは言え、坂路調教では14秒程度まで速くなることもあるようです。前回近況では『15~22秒ペースのキャンター』まででしたから、微妙ながらも少しずつ負荷を高めているのでしょう。
全体としては、様々なコースで長めを乗ったり速めをやったり、様々なバリエーションを取り入れての調教が続いています。もちろん単純に負荷をかければ良いというものではなく、馬ごとの成長度や気性面も含めた個性、調教師の育成方針を充分に考慮して進めていく必要がありますし、当然ながら思った通りに動いてくれない馬もいますからね。
うーむ。。そう考えると競走馬の育成も楽な仕事ではないですなぁ…(当たり前ですけど(^^ゞ)
まあ、結局は石川代表の最後のひと言、「順調です」がアシタカの現状を表しているのだと思います。血統、馬体(馬格)、気性の全てにおいて高い素質を感じさせる馬だけに、この時季は順調であることが何より大事です。アシタカに関しては、その順調さが今までずっと継続しているわけで、そりゃあ期待も膨らんでしまうというものです!
坂東牧場在厩のハキは、現在は、日に2時間のパドック放牧と10分ほどの引き運動で管理されています。
◇荒木マネージャーのコメント 「引き運動の時間を延ばし、午前中の放牧もスタート。その後も歩様に異常は見られず、いっそう馬に元気が戻ってきたように思います。今月に入ってからはもう積雪がなく、歩きやすいコンディションになっているのも好都合です」
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引き運動が5分から10分に、そして2時間のパドック放牧も始まりました。ジッとしている時間が長いとストレスも溜まりやすく、馬房内で良くない動きをしてしまうリスクもありますから、パドック放牧でノンビリできるようになったのは、これまでと大きな違いという気がします。
幸い歩様に異常はないようですし、ハキ自身に元気が戻ってきたというのも好材料。このまま順調に回復が進み、後遺症などが全くない『完治』に至って欲しいと思います。
まだ騎乗者が乗るまでには時間が必要でしょうが、少なくともここまでは、寛骨臼骨折からの回復期間として最短パターンで来ています。もちろん焦りは禁物ながら、これから段々と暖かくなってくる気候も味方につけて、一層の成長促進と本格的に身体を動かす準備が進んで欲しいと思います。