三重ホーストレーニングセンター在厩のキングエルメスは、先週後半より曳き運動を開始しています。
◇伊藤場長のコメント 「運動時間10分から開始して、現在は20分。その後も球節は落ち着いており、大人しく歩いてくれています。急に暴れられても困りますので、当面は曳き運動でその時間を延ばしていく形。それからウォーキングマシン入りへつなげていければと思っています」
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先週の近況で予告があった通り、すでに先週末から曳き運動が始まりました。患部の球節に問題はないようですし、精神面も落ち着いているようなので、ここまでは至って順調、予定通りに回復しているということになりますね。
先週の阪神JFでは、京王杯2歳Sで負かしたラブリイユアアイズが8番人気で2着に入りましたが、そもそも京王杯2歳Sのキングエルメスの勝ちタイム1分21秒3は、過去10年比較で上から3番目の好タイムだったわけですし、もっと高く評価をされてしかるべきだった…とも言えるでしょう。
まあ、2歳戦における時計の三段論法に大きな意味はないとしても、一緒に走った馬が活躍してくれるのは嬉しいことですし、怪我で休んでいる立場としては、この手の話も適度に楽しみつつ、来年の復帰を待ちたいと思います(^^ゞ
ちなみに本件、スポニチさんでは以下のように取り上げられていますね。。
Sponichi Annex『【朝日杯FS】ヴィアドロローサKOパンチだ!今週も「京王杯2歳S組」が高配当演出へ』
最前線現場記者が気になる穴馬に迫る「G1リベンジャーズ」。朝日杯FSの初回は東京本社の万哲こと小田哲也記者だ。注目は京王杯2歳S8着からのリベンジに燃えるヴィアドロローサ。阪神JFの2着馬ラブリイユアアイズに続き「京王杯2歳S組」が高配当を演出するか?
全休明けの美浦は厳しい冷え込み。南調教スタンドの気温計はマイナス1度。同じ先週火曜が11度だったから寒いのは当然か。先週の阪神JFが痛恨だった。◎サークルオブライフが勝ちながら、2着の関東馬ラブリイユアアイズが“無印”で不的中。これでは寒さも身に染みる。朝日杯FSはリベンジあるのみだ。
開門と同時に角馬場でウオームアップをしていたヴィアドロローサが坂路に移り、4F66秒5で軽快にキャンターで駆け上がった。記者と同様、メラメラと燃えているに違いない。前走・京王杯2歳S(8着)はスタート直後に内の馬に寄られ、VTRでもはっきりと分かる大きな不利。陣頭指揮を執る加藤征師は「活気があって、とてもいい状態。前走はあれだけの不利があっては厳しい。まるっきり参考外。つまずいた時に右前脚に軽い外傷もあったが今は問題ない」と語った。そして、こう付け加えた。「最後はかなり脚を使っているからね」
上がり3F33秒5はメンバー最速。同3着から阪神JFに挑み、8番人気2着で3連単11万馬券を演出したラブリイユアアイズ(京王杯2歳Sは3F33秒9)より切れる脚を使っていた。勝ち馬キングエルメスは負傷で戦線離脱したが、京王杯2歳S組のレベルは高い。(以上、一部抜粋)
【2021/11/9東京 京王杯2歳ステークス(G2/芝1400m)でのキングエルメス:公式HPより】
吉澤ステーブルWEST在厩のアンジアンは、おもに坂路でハロン17~20秒ペースのキャンター2本を消化。週2回の15-15を開始しています。
◇奥場長のコメント 「筋力は付いてきていますし、体力も着実に成長していますが、それでもまだ気持ちで走るような印象がありますね。飼葉喰いは良いものの、テンションが高めであることなどから、食べたものがなかなか実になりにくい体質みたいです。今後もしっかりと乗り込みを重ねつつ、全体的な強化を促していきたいと思います」
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筋力、体力は着実に向上しているとのことなので、あまり心配はいらないと思いますが、どうやら前向きな気性が馬体増を邪魔しているようですし、随所に子どもっぽい部分が残っているということなのでしょう。
それでも普通の厩舎であれば、とにかく実戦を経験させて…という流れもあり得るでしょうが、藤原先生はその手の妥協(?)を簡単にはしませんので、トレセン帰厩のためには、アンジアン自身がそれなりの変わり身を見せないといけません。
そのタイミングいつになるかは難しいところですが、吉澤WESTでも急かさず緩めず継続的に乗られてきましたので、週2回の15-15をキッカケに、筋力、体力に裏打ちされた一段上の走りを見せて欲しいと思います。
◇小泉厩舎長のコメント 「先週末に半マイル59秒台、15日朝は57.2で登坂。ここから週2回、速めを織り交ぜながら乗り進めていきたいです。抑えきれないくらいの手応えでグイグイ行きますのでコンディションとしては良好ですが、もう少し冷静に駆けてくれるようになると、もっと色々な立ち回りができるようになると思うのですが…。この力感が武器でもあり、課題でもある状況です」
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59秒、57秒といったペースでは「抑えきれないくらいの手応えでグイグイ」行ってしまうというのは、バスラットレオンの状態の良さの証でもあり、課題でもあるとのこと。なかなか難しいところではありますが、近走の内容を考えると、むしろ、最後まで全力を出し切るぞといった、精神面の持続力に不安を感じてしまうんですよね。
そうですねぇ、実際どうなのか、どうしていくのかは専門家の皆さんにお任せするしかないですが、坂路で破格の時計を出すようになったころから、少しずつ短距離適性に寄った馬になってきているのかもしれません。
と書いては見たものの、やはり、マイルぐらいは楽々とこなしてくれないと困る馬でもありますし、まずは次走で様々な不安、何となくの憶測(私が書いたような(^^ゞ)を払拭する走りを見せて欲しいです。そして次走後には、一体秋の大敗続きは何だったのか…みたいな話題で盛り上がる祝勝会をしたいものです。
【2021/11/13東京11R 武蔵野ステークス(G3/ダ1600m)でのバスラットレオン:公式HPより】
チャンピオンヒルズ在厩のプライムラインは、今週もおもに周回コースでのウォーミングアップ後、坂路でハロン17~18秒ペースのキャンター1本を消化。週1回の速めを乗り込まれています。
◇小泉厩舎長のコメント 「右トモ周辺に溜まった疲れが根深いようで、なかなかすぐに解消とはいかない様子。先週末もショックウェーブ放射を施しました。ただ休ませるだけではダメ、とは言え、これ以上無理に進めていくのも得策ではありませんからね。当面は適度に動かしては治療、また乗ってはケアと、少しずつほぐしながら良化を促していければと思います。この中間は半マイル57秒台を1本入れました」
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半マイル57秒程度の速めを入れつつ、ショックウェーブなどで右トモ周辺のケアを継続するという、微妙なライン上での押し引きが続いています。このままうまく乗り越えてトレセン入りまでたどり着いて欲しいのですが、あまり無理をさせても仕方がないですし、やはり、時期的には年が明けてからになりそうですね。
しかし、ヴィジャーヤの園田デビュー戦を見てしまうと、(想定以上に時間が掛かってしまいましたけれど)プライムラインはよく大井で3連勝して戻ってきてくれたよなぁ…と。。もちろん、両馬を比較してどうこうではなく、JRAであれ地方であれ、様々な課題をクリアしてひとつ勝つことがいかに難しいかを改めて感じています。
もともとの素質云々は別にして、これからのプライムラインは大井在籍時よりさらに強い相手と戦うことになりますから、右トモ周辺の疲れもしっかり解消させて、不安のない状態で出走させてあげたいです。
テンコートレーニングセンター在厩のクレッシェンドラヴは、おもに周回コースでのウォーミングアップ後、坂路でハロン17~20秒ペースのキャンター2本を消化。先週末より、速めを開始しています。12月上旬の馬体重は533kgです。
◇伊藤マネージャーのコメント 「先週の金曜日に15-15、14日は43.4-13.9で登坂。競走レベルにおいて年齢的なものはあるのかもしれませんが、ペースアップ後も順調ですし、適度に元気があって馬の雰囲気は良好ですよ。ここからは週2回の速めを織り交ぜて進めていきたいと思います」
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心身をリフレッシュさせて、前走時498kgだった馬体重は533kgに。これからペースを上げて馬体を絞っていくわけですが、写真を見てふと感じたのは、これでもアシタカより少し軽いんだよなぁ…という。。(^^;)
いや、14日に3F43.4秒を乗ったということは、おそらく調教ペースは似たり寄ったりのハズなので、アシタカもこれから30kg以上は絞れるでしょうし、結果、500kg前後でデビューできればありがたいです。デビュー前の2歳馬と7歳馬を単純に比べるのもどうかと思いますが、ついついそんな事を考えてしまいました。
話をクレッシェンドラヴに戻しますと、外厩での調教レベルでは年齢的な衰えは感じられず、「適度に元気があって馬の雰囲気は良好」というのは心強いコメント。ここからの週2回の速めでさらに状態を上げて、トレセンへの帰厩態勢を整えてもらえればと思います。今の感じなら、AJCCにはバッチリ良い状態で向かうことができそうですね(^^)
【テンコートレーニングセンター在厩のクレッシェンドラヴ:公式HP(12/13更新分)より】