今日紹介する佐藤多佳子作品は「スローモーション」です。
厳格な教師の父、心配性の母、22才で無職でだらしない兄、そして高校生で、遊び人の玲子のグループに入ってる私・柿本千佐。子供の頃から不良だった兄は、今は私の私生活を探って暇つぶしをしています。私が属する水泳部に及川という変人がいて、動きがスローで、めったに口をききません。玲子は最近超セレブなクラブで彼女を見たと言います。町に出て人の写真を撮り始めた兄は玲子を撮らせてほしいと言いますが、彼女を連れて行くと、兄は通りすがりの及川の写真ばかりを撮り、及川は「撮るな」と兄に一言言います。数日後、及川がついにいじめの対象になりそうになりますが、うまく切り抜けるも、その代わりに及川が落としたペンを拾ってやった私が玲子たちのいじめの対象になります。
久しぶりに兄が帰って来ますが、父とケンカになりボコボコに殴られます。兄はカメラ2個と共にまた家出してしまい、母と私は行く先を探しますが見つからず、たまたま学食で及川がうちにいる、と言います。及川の一人暮らしの家に行って、兄に会いますが、私は兄が及川を壊してしまうんじゃないか、と心配します。及川に矢継ぎ早に質問をすると、彼女は笑い出し、それ以降私と及川は行動をともにするようになります。
そんな折り、及川が学校に来なくなります。及川の家を訪ねると、彼女は単なるカゼでしたが、及川は、自分の父は噂の通り殺人犯で、自分もキレやすく、それを防ぐためにわざとスローに動くようにしている、と言います。及川はカゼが治っても不登校のままで、兄の不自由な足のリハビリの手伝いを始めます。ある日、担任と及川の保護者が及川の家に訪ねて来ますが、私と及川は逃げます。兄は家に戻り、リハビリのための資金を作るため、実の母親から今までにもらった物を売り、及川は保護者のもとに連れ戻されてしまう、という話です。
最後はあまりハッピーエンドではありませんが、及川のキャラクターが魅力的で、一気に読みました。会話と独白(説明)の量がほどよくバランスが取れているのも、読みやすい一因かもしれません。しかし学校ものになると必ずイジメが出て来るのが悲しいですね。そういった点でも「一瞬の風になれ」は特異な小説だったと思います。
厳格な教師の父、心配性の母、22才で無職でだらしない兄、そして高校生で、遊び人の玲子のグループに入ってる私・柿本千佐。子供の頃から不良だった兄は、今は私の私生活を探って暇つぶしをしています。私が属する水泳部に及川という変人がいて、動きがスローで、めったに口をききません。玲子は最近超セレブなクラブで彼女を見たと言います。町に出て人の写真を撮り始めた兄は玲子を撮らせてほしいと言いますが、彼女を連れて行くと、兄は通りすがりの及川の写真ばかりを撮り、及川は「撮るな」と兄に一言言います。数日後、及川がついにいじめの対象になりそうになりますが、うまく切り抜けるも、その代わりに及川が落としたペンを拾ってやった私が玲子たちのいじめの対象になります。
久しぶりに兄が帰って来ますが、父とケンカになりボコボコに殴られます。兄はカメラ2個と共にまた家出してしまい、母と私は行く先を探しますが見つからず、たまたま学食で及川がうちにいる、と言います。及川の一人暮らしの家に行って、兄に会いますが、私は兄が及川を壊してしまうんじゃないか、と心配します。及川に矢継ぎ早に質問をすると、彼女は笑い出し、それ以降私と及川は行動をともにするようになります。
そんな折り、及川が学校に来なくなります。及川の家を訪ねると、彼女は単なるカゼでしたが、及川は、自分の父は噂の通り殺人犯で、自分もキレやすく、それを防ぐためにわざとスローに動くようにしている、と言います。及川はカゼが治っても不登校のままで、兄の不自由な足のリハビリの手伝いを始めます。ある日、担任と及川の保護者が及川の家に訪ねて来ますが、私と及川は逃げます。兄は家に戻り、リハビリのための資金を作るため、実の母親から今までにもらった物を売り、及川は保護者のもとに連れ戻されてしまう、という話です。
最後はあまりハッピーエンドではありませんが、及川のキャラクターが魅力的で、一気に読みました。会話と独白(説明)の量がほどよくバランスが取れているのも、読みやすい一因かもしれません。しかし学校ものになると必ずイジメが出て来るのが悲しいですね。そういった点でも「一瞬の風になれ」は特異な小説だったと思います。