中島京子『ライターの仕事』

　高野秀行さんがファンである、中島京子さんの'99年作品「ライターの仕事」を読みました。20代の女性でライター志望の人のために書かれた本です。
　まず、様々なライターが紹介されます。化粧品、ファッション、料理、車、フード＆トラベル、映画の紹介記事のライター、タレント・スポーツインタビューアー（ちなみにスポーツは山崎浩子さんです）が具体的に紹介される人たちです。次に実際の仕事ぶりを具体的に紹介します。紹介される人は、ストリート系雑誌の佐藤貴子さん（別名TOKYO ドーナツ）、情報誌の佐藤紀子さんです。次はルーキーで活躍している小玉深雪さん、神田恵実さんが紹介され、内田桃孔さん、沢田洋子さん、上條華江さんの座談会が掲載され、仕事を始めるきっかけ、最初の苦労、楽しいこと、前の仕事、将来について語られます。次は様々なメディアで活躍している人が紹介され、翻訳の西田佳子さん、シナリオの相良敦子さん、テレビ構成の稲葉淳子さん、コピーの佐々木順子さんが紹介されます。そして様々な雑誌編集長、CREAの西川清史さん、FRAUの原田隆さん、Cawaii!の荻野善之さん、週刊朝日の大森千明さん、ダンチュウの神田久幸さん、ダ・ヴィンチの大野誠一さんがアドバイスをしてくれます。最後には、ライターなるためのスクール、そしてノンフィクションライターやシナリオライターになるための公募が載っています。そしてそれぞれの章の最後に、ライターになるための方法などがコラムの形で掲載されています。
　本自体が中島さんというライターの仕事であり、こうした本の企画、取材する人の準備、実際の取材、撮影、文章起こしがライターの仕事であることが分かります。ライター志望の人にはとても親切な作りになっているのではないでしょうか？　実際にこの本を読んでライターになった人がどのくらいいるのか、知りたいと思いました。20年近く前の本ですが、古びてはいないと思います。ライター志望の女性にオススメです。