gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

山田宏一・和田誠『ヒッチコックに進路を取れ』

2009-11-05 18:05:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんと和田誠さんの'09年の対談集「ヒッチコックに進路を取れ」を読みました。ヒッチコックのハリウッド時代の代表作のレーザーディスクの解説のために行った対談に、イギリス時代の作品についてのものを合わせて作られた本です。
 この本によって読んでみたいと思った本は「三十九夜」の原作であるジョン・バカンの「39階段」(同じ主人公のものとして他にも「緑のマント」「三人の人質」がある)、英国情報部で働いた経験を持つサマセット・モームが書いた「アシェンデン 英国秘密情報部員の手記」、ヒッチコックの作った身の毛のよだつ話をロアルド・ダールがまとめた「来訪者」。そして見たいと思った映画は、ピーター・ローレがマッド・サイエンティストを演じた「狂恋」とラスコーリニコフを演じたスタンバーグ監督の「罪と罰」、山田さんが大傑作と言いどんでん返しが強烈らしいマイケル・アンダーソン監督の「生きていた男」、ロープウェイでの格闘が見せ場の「第二の機会(チャンス)」、山田さんが傑作だという「欲望の谷」、ジョーン・フォンテーンが艶っぽかったという「豪傑カサノヴァ」、やはり山田さんが傑作だという「潜行」、山田さんが何回も見たというウィリアム・ディターレ監督の「欲望の砂漠」、ヒッチコックの影響を受けた映画として一番に思い出すと和田さんがいうボビー・ドリスコル主演の「窓」とリチャード・ベイスハート主演の「夜歩く男」、ボガート主演の「第二の妻」と「脅迫者」でした。また面白かった話は、ジョン・フォードとヒッチコックがお気に入りの女優を取り合ったという話で、確かにマデリン・キャロル、モーリン・オハラ、グレース・ケリー、ヴェラ・マイルズはどちらの映画にも出ているのに今まで気がつきませんでした。
 ヒッチコック映画の解説書としての決定版であるだけでなく、ヒッチ映画と同じようにエモーショナルな本でした。また未見の映画、未読の本への欲望もかきたてられる本でもあります。映画が好きな方には文句無しにオススメです。