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本多猪四郎監督『マタンゴ』

2021-04-14 07:28:00 | ノンジャンル
 今「松本隆 作詞活動四十五周年トリビュート 風街であひませう」のCDを聞いています。これは2枚のCDと合体してできた本で、1枚目のCDには松本さんが作詞した曲の演奏が11曲収録されていて、CDの中で歌われた詞と、演奏したアーティストたち(草野マサムネさん、斉藤和義さん、やくしまるえつこさん、YUKIさん、細野晴臣さんら)の感想、2枚目のCDは松本さんの詞の朗読が17つ収録され、本の方ではまず是枝裕和監督へのインタビュー、是枝氏や松本さん自身による、この本の付録のCDで朗読している方々(太田裕美さん、小泉今日子さん、斉藤由貴さん、薬師丸ひろ子さん、そして『風をあつめて』を自ら朗読した松本さんご自身ら)がなぜその詞を選んだのかを述べた文章、感想や松本さんと是枝さんとの対談、山内マリコさんによる短編小説、工藤官九郎さんと松本さんの対談、最果タヒさんによる「解説」が掲載されています。
 松本さんは本の最後に「謝辞」と題して、「歌詞から曲を取り去り、読まれると、言葉が裸になって立っているような気がした。ぼくの詞が古くならない理由が少しだけ覗ける。年齢や時代や世代をすべて飛び越えた場所にぼくの言葉は存在している。トリビュートなので、捧げられる側が口を出さないようにした。歌作りにとって、歌い継がれるのは最高の幸福だ。歌ってくれた、読んでくれた人々、「風街でうたう」のトータルサウンドプロデューサー鈴木正人さん、そして「風街でよむ」を監修してくれた是枝裕和監督に愛をこめて感謝したい。」と書いています。
 松本さんの詞に多くの曲をつけてきた筒美京平さんが昨年に亡くなり、それからしばらくは筒美さんの曲の特集がテレビで盛んにおこなわれていました。私は個人的には太田裕美さんの『木綿のハンカチーフ』の世代で、松本隆・筒美京平作品で太田裕美さんが歌った数々の名曲を高校生時代から現在に至るまで愛聴していて、テレビの音楽番組のトリビュート・コーナーでダンディな松本さんの姿を初めて見た時には、かなり感動しました。
 この『風街であひませう』も松本隆ファンなら、常に手元に置いておきたい本だと思います。

 さて、本多猪四郎監督、円谷英二特技監督の1963年作品『マタンゴ』をDVDで観ました。
 ウィキペディアの「あらすじ」を転載(一部改変)させていただくと、
「東京の精神病院に収容されている1人の青年が、自らが遭遇した恐怖の体験を語り始めた。
 ある日、豪華なヨットで海に繰り出した7人の若い男女が嵐に遭って難破し、霧の中、無人島に漂着した。そこは、カビと不気味なキノコに覆われた孤島であった。波打ち際で唯一見つかった難破船には、少数の食料が残されていたものの生存者はおらず、「船員が日々消えていく」と書かれた日誌や、「キノコを食べるな」という警告が残っていた。男女は当初は協力していたが、食料と女性を奪い合って対立する飢餓と不和の極限状態が訪れ、7人の心はバラバラになっていく。また、島の奥からは等身大のキノコに似た不気味な怪物が出没し始め、1人、また1人と禁断のキノコに手を出していく。
 唯一キノコに手を出さず怪物の魔手からも逃れ、ヨットで島を脱出した青年は幸運にも救助され、こうして病院へ収容されることとなったが、そこは精神病院の鉄格子の中だった。難を逃れたはずが狂人として隔離されてしまった青年は、「戻ってきてきちがいにされるなら、自分もキノコを食べて恋人と島で暮らしたほうが幸せだった」と後悔し、窓から平和な東京の町を眺めて悲観に暮れながら鉄格子の方を振り返る。すると彼の顔には怪物に特有の腫瘍ができ始めているのだった。

 ミニチュアの難破船のイメージがものすごくて、圧倒されました。倉谷滋さんがその著作『怪獣生物学入門』の中で書かれていたように、「そもそも名前が凄いじゃないか、“マタンゴ”。ひとたび口にしたらもう元には戻れない。南の島にだけ棲息するという夢のキノコ、“マタンゴ”。その芳醇な風味と、それがもたらすえもいわれぬ恍惚感。マタンゴ経験は文字通り、あなたを一生変えてしまうだろう。なんか、日本酒の宣伝文句か、イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』の歌詞のようだ。いや、まさにその通りだ。いいなぁ、マタンゴ。美味しそうだなぁ、マタンゴ。でも、決して食べちゃいけないのだ。」、「中2の少年の心にも深々と突き刺さる、それはそれは見事な人物描写であったというべきだった。」というような映画でした。
 ゴジラ映画など、東宝の特殊撮影を手掛けてらっしゃった本多猪四郎監督の代表作の一本であることは間違いないと思います。

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