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ヴィンセント・ミネリ監督『バンド・ワゴン』その2

2021-04-29 03:53:00 | ノンジャンル
 最近、NHK・BSでたまに放映されている「駅ピアノ」「空港ピアノ」に、はまっています。おもにヨーロッパの駅や空港に、ピアノを誰でも弾いていいように設置し、複数のマイクロカメラをつかって、ピアノを弾きに来る人の様子を流している25分ほどの番組ですが、小さい子からプロのアーティストまで、暗譜した曲を見事に弾きこなす姿を見て、そのレベルの高さに驚きました。音楽は趣味でしている方が圧倒的に多く、やはりポーランドのショパンの影響が大だな、と思いました、

 さて、昨日の続きです。

「舞台「バンド・ワゴン」はコネチカット州ニューヘイヴンで初日を迎えた。リハーサルの段階からご難続きで、その結果、舞台の出来も散々なものになり、ジェフリーの前衛的な演出と脚本の変更に唖然とした観客たちが次々と席を立つ事態となった。初日の舞台の後のパーティーにトニーは向かうが、パーティー会場には誰もいなかった。ホテルに戻ると、脇役をやった若者たちがパーティーを開いていて、トニーはそちらに参加し、ガブリエルも、レスター夫妻も加わりにやってきた。(ここでオスカー・レヴァントのピアノで、アステアが「ビールの歌」を歌い始める。)
 出資者たちが次々と手を引き、舞台の続行が危ぶまれる事態に陥った。それでもトニーはガブリエルやレスター夫妻と共に共演たちの“愚痴パーティー”に顔を出し、楽しいひと時を過ごしながらもこのままで終わらせてなるものかという決意が沸いてくる。
 トニーはジェフリーに、脚本の内容を本来のコメディミュージカルに立ち返らせ、新曲を増やし、地方巡業を続ければ必ず上手く行くと提案する。資金は自分の所有する絵画を売って確保するというトニーにジェフリーも賛同し、「舞台にボスは一人でいい。ボスは君(トニー)だ。そしてできれば僕も一人の役者として参加したい」と願い出る。ポールはガブリエルを連れて舞台を降りることを決意したが、ガブリエルはショーを続けたいと一座に残る決意をし、ポールは一人ニューヨークに戻っていった。
 原点に立ち返ったトニーらは次々と新曲を披露し、フィラデルフィア(「空に新しい太陽が」の歌)、ボストン(「トニーとジェフリーがタキシードを着てステッキを持って踊る」、ワシントン(「ルイジアナ・ヘイライド」の歌」)、ボルチモア(「豚の三つ子」の歌)と地方巡業を続けていった。そしてガブリエルへの想いを募らせていたトニーはレスターにその気持ちを伝え、レスターはガブリエルも同じ気持ちだとトニーに伝え、焦らずにブロードウェイ凱旋公演まで様子を見るように助言した。一方のガブリエルもポールと別れ、ポールは別の女性と結婚した。
 いよいよトニーの一座はブロードウェイ初演を迎えようとしていた。劇場入りしたトニーはガブリエルと出くわし、なかなか彼女への気持ちに自信を持つことのできないトニーは「この舞台がヒットしたら、ロングランでずっと僕と一緒にいなくちゃならない。うんざりしないかい?」と問いかけるが彼女は何も答えようとしなかった。
 舞台のプログラム。「ガール・ハント 殺人ミステリー・イン・ジャズ」というトニーが探偵を演じ、独白とダンスでドラマが進んでいく。トニーやガブリエルたちは見事なパフォーマンスで観客たちを魅了、初日は大成功のうちに幕を閉じた。それでもトニーの心は中々晴れず、また打ち上げパーティーも「古臭い習慣だ」とのハルの意向で開かれないことになった。それでも気を取り直したトニーは一人だけでも成功を祝おうと(「一人でも出かけよう」の歌)、楽屋を出たところ、ステージ上ではガブリエル、レスター夫妻、ジェフリー、共演者やスタッフたちが勢揃いしてトニーを待ち構えていた。
 仲間たちに出迎えられたトニーは、ガブリエルから「あなたと一緒にずっとずっとロングランを続けてゆくわ」と愛を伝えられる。互いの愛を確かめ合うトニーとガブリエルを見て、レスター夫妻とジェフリーは「本当のショーは人をうっとりさせる、そして帰り道で気づくんだ、これこそがエンターテイメントだと」と感じ、最後はトニーとガブリエル、レスターとリリー、ジェフリーの5人で「ザッツ・エンターテインメント」を歌って映画は幕を閉じる。」

 「ザッツ・エンターテイメント」が最初に歌われるシーンの振り付けは、とにかく楽しくて見ていてゾクゾクしました。ハリウッドのミュージカル映画の代表作の一つであることは間違いないと思います。