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ヴィンセント・ミネリ監督『バンド・ワゴン』その1

2021-04-28 05:22:00 | ノンジャンル
 ヴィンセント・ミネリ監督の1953年作品『バンド・ワゴン』をNHK・BSプレミアムで観ました。
 サイト「映画ウォッチ」のあらすじに加筆・修正させていただくと、
「1950年代のアメリカ。トップハットに燕尾服というスタイルで一世を風靡したかつてのミュージカル界のスターで名ダンサーのトニー・ハンター(フレッド・アステア)は、今や時代の流れに取り残されてすっかり落ちぶれ、ロサンゼルスで半分引退したかのような暮らしを送っていた。映画スターのお宝オークションでも、トニーが映画に出演した時に被っていたハットと手にしていたステッキは、5ドル、1ドル、50セント、といくら値を落としても落札されない。
 ある日、トニーはお忍びで列車に乗ってニューヨークに向かった。到着した駅には新聞記者たちが待ち構えていたが、彼らのお目当てはトニーと一緒の列車に乗っていたエヴァ・ガードナー(本人)だった。(ここで「自分は落ち目になった」という曲が最初に歌われる。)
 トニーを出迎えてくれたのは、ブロードウェイ時代からの親友で舞台作家兼ソングライターのレスター・マートン(オスカー・レヴァント)とその妻リリー(ナネット・ファブレイ)だった。レスターは出来上がったばかりの脚本をトニー主演で舞台化しようと考えており、あまり気乗りのしないトニーに舞台の演出を手掛けるジェフリー・コードヴァ(ジャック・ブキャナン)に会うことを勧める。トニーはすっかり様変りした街の様子を気にしながらもブロードウェイを歩き(ここで2曲目の「靴磨き」が歌い、踊られる)、ジェフリーが演出と主演を兼任する古典劇「オイディプス王」を舞台の袖から見守る。
 終演後、トニーはレスター夫妻と共にジェフリーに対面した。ジェフリーはレスター夫妻の脚本を「それはまさに現代の“ファウスト”だ」と絶賛、悪役としての出演を快諾するとともにコメディタッチの脚本を深刻な心理劇に書きなおすよう夫妻に指示する。
 トニーはコメディでないなら自分はお呼びでないと断ろうとするが、ジェフリーは「古い栄光にしがみつくな。この舞台で新しいトニー・ハンター像を打ち立てるんだ。ビル・シェイクスピアの台詞のリズムも、ビル・ロビンソンのタップのリズムも、同じように人を楽しませる。それがエンターテイメントだ」とトニーを口説き倒す。(ここでジェフリーが歌い始める『ザッツ・エンターテイメント』が3曲目として歌い、踊られる。おそらくここのダンスがこの映画の白眉だと思われます。)
 ジェフリーは早速、主演女優にバレエダンサーのガブリエル・“ギャビー”・ジェラード(シド・チャリシー)を抜擢、ガブリエルの恋人で新進の振付師ポール・バード(ジェームズ・ミッチェル)に舞台の振付を依頼、出資者の確保に乗り出す。
 トニーはレスター夫妻と共にガブリエルのバレエを見、その素晴らしさを認めるとともに、ジェフリーのマネージャーのハル(ロバート・ギスト)の手引きでガブリエルに会うことにする。しかし、トニーは一見自分より背が高く見えるガブリエルとの共演に気後れし、ガブリエルもまたかつてのスターであるトニーに嫌われているのではないかと思い込み、互いに会うことをためらう。
 それでもトニーはガブリエルの身長が実際に自分よりも低いことを確認するが、二人は些細なことから口論となってしまい、ショーのリハーサルが始まってもトニーとガブリエルは反目し合ったままだった。(この間、練習風景が見事なカッティングで描かれていきます。)
 3週間経って遂に我慢の限界に達したトニーはオーバーな演技を絶えず求めるジェフリーの演技指導にも不満を漏らし、劇場を後にする。自宅に戻り、物を投げつけ、踏みつけて荒れるトニー。ガブリエルはジェフリーやポールに促されてトニーの元に謝罪に向かい、トニーは苛立つものの、ガブリエルは自分が三流ダンサーだと思われていると思って精神的に参っていたと涙ながらに打ち明ける。
 トニーも彼女と話し合わなかったのが悪いと自分の態度を反省し、ここでようやく打ち解け合ったトニーとガブリエルは「僕ら二人はバレエとミュージカル、二つの別な世界からやってきた。でも一緒にできると思うよ」と意気投合、夜のセントラルパークで踊り始め(二人でシンクロする無言のダンス。ここの振り付けも見事。アステアは白いスーツ、シド・チャリシーも白いドレス姿)、二人なら一緒にやれることを確信し合う。

(明日へ続きます……)