また昨日の続きです。
草むらに隠れているアレクセイ。銃で水鳥を狙う、指笛。「何をするの?」「鳥たちの恋の季節さ。突然来て老人は脅すし、門も壊した」「銃を渡して。白鳥を撃つ気?」「ターヤ、文句ある?」「これは法律違反よ」「どうした?」。帽子を枝にひっかけるターヤ。キスして抱き合う。ほほ笑みながら「手が早いわね」「俺が? 俺が誘ったか? 違うぞ。君の方からだ」「ダメよ。家で」「家は後。ここでも」「雨だわ」「コートを広げるさ」「私が自分でするわ」「早くしろよ、どうした?」「痛いわ」「弾倉だ。外すよ」(中略)銃声。「散弾銃ね」「驚いたな」「何事かと思った。私のあなた。アレクセイ」。
水面に白鳥。
「あんたは私を忘れていたのね」「仕方ないさ。あの頃の君は田舎の小娘で、今とは違った。今は田舎の女には全然見えない」「半年前に戻ったわウエイトレスだったの。船のレストランで働いていたの。豪華なレストランでね。家具も立派」「すごいな!」「そうよ」「なぜ辞めた?」「良過ぎたの。ここではスピリドンの世話。わがままだけど哀れな人」「なぜ君は結婚しなかった?」「知りたい?」「あなたには想像できない?」「できるはずないだろう」「長い話よ」「忘れてたぞ! 宴会がある。村には別々に戻るんだ。噂になるといろいろまずいから」。歌うターヤ。
白黒画面。橋を壊して進む装甲車。沼へ突っ込み停まる。「じいさん、生きてたのか?」「アレクセイか?」「驚いたな。いつまで生きる気だ」「死ぬのは年を取るからではない。熟すからだ。私はまだ熟してない」「“魔の沼”は?」「正確なことは誰も知らない。行くのは止めとけ」「迷信は信じない。今は20世紀だ」「それなら勝手にするがいい」。ヒヒヒと笑う老人。進む装甲車。無数のアリ。
装甲車、木をなぎ倒して進み、沼に着く。水面にはあぶく。小屋から煙。「ここで掘ってたのか。ここが昔の現場だ」。アレクセイ、小屋の中に入る。無人。床が抜ける。「父さん! 父さん!」泣く幼いアレクセイ。沼の上を歩き去る父。「アレクセイ!」。
カラー。油田の鉄塔。「回せ!」「手伝おうか?」「そっちは?」「問題ない」「向こうを!」「了解、いけそうか?」「解らん」「お前の故郷だ、お前が見つけてくれ」「ターヤ!」。握手する二人、「何かようか?」「祖母の葬式なの」「婆さん、死んだか」「寄っただけよ」「サーニャ」「何だ?」「あっちを頼む。この通り、忙しいんだ」「何が」「仕事が」「私を忘れたの?」「ヒマがないんだ」「1カ月も待ったわ」「レーナ、調子はどう?」「問題ないわ。いいお仲間ね」「今日は掘り始めの日だ。解ってくれ。また今度」。握手。
轟音で会話聞こえない。アレクセイ、走り去る。
葬式後。「これを持って」「どうしたの?」。スピリドン、鉄塔を眺めている。
ドリルが下げられる。
葬式。
回転するドリル。
鉄塔を俯瞰。
小舟の上でギターの弾き語りをする男。小舟に乗り込むターヤ。
100ルーブルのイヤリングをターヤに買うアレクセイ。
掘削するボーリングのドリル。アレクセイ「夢を見ただけ」。(中略)
夕日の中、門を立て直す男。
「フィリップ 1960年代」の字幕。カラーの画面。ヘリコプターから眼下を眺めるフィリップ。
ヘリを降りて来たフィリップは、水力発電所を作るため、村が湖底に沈むと言う。
「委員会の委員長、発電所の計画を変えてくれ」と言訴える村人。(中略)
白黒画面。アレクセイ「ここはエラニだ」。
カラー画面。雪の湿原。猫。女の歌。アレクセイ、ターヤに「ソチに行って結婚しよう」と言う。ターヤ「6年待ったのよ」「実はソチには行ったことない」「私、妊娠してるの」「構わない。荷作りしろ。父親が必要だ」。それでも拒むターヤに「君は幸せを逃したな」と言って、アレクセイは去る。ターヤ「本当は好きよ」。
「柱が折れたぞ。炎。「アレクセイ、やったな」。塔、倒れる。同僚を助けるアレクセイら。
冬景色のシベリア。委員会。アレクセイの元に電報が届けられる。「エラニ村で大量の石油が噴出。現在、消火作業を敢行中。ウスチュジャーニン技師が死亡」。白黒画面でウスチュジャーニンとの思い出。アレクセイは檀上に上ると、電報の内容を告げ、ウスチュジャーニンに黙祷を捧げる。
消火作業を続ける人々。
墓に押し寄せる炎。フィリップ。消火作業を行うブルドーザー。花束を渡され、キスの嵐を受けるフィリップ。白黒画面でウスチュジャーニンとの思い出が映し出され、映画は終わる。
3時間19分の大作であり、カンヌではもうひとつの『1900年』と高い評価と受けた作品です。アッという間に観られる作品でした。
草むらに隠れているアレクセイ。銃で水鳥を狙う、指笛。「何をするの?」「鳥たちの恋の季節さ。突然来て老人は脅すし、門も壊した」「銃を渡して。白鳥を撃つ気?」「ターヤ、文句ある?」「これは法律違反よ」「どうした?」。帽子を枝にひっかけるターヤ。キスして抱き合う。ほほ笑みながら「手が早いわね」「俺が? 俺が誘ったか? 違うぞ。君の方からだ」「ダメよ。家で」「家は後。ここでも」「雨だわ」「コートを広げるさ」「私が自分でするわ」「早くしろよ、どうした?」「痛いわ」「弾倉だ。外すよ」(中略)銃声。「散弾銃ね」「驚いたな」「何事かと思った。私のあなた。アレクセイ」。
水面に白鳥。
「あんたは私を忘れていたのね」「仕方ないさ。あの頃の君は田舎の小娘で、今とは違った。今は田舎の女には全然見えない」「半年前に戻ったわウエイトレスだったの。船のレストランで働いていたの。豪華なレストランでね。家具も立派」「すごいな!」「そうよ」「なぜ辞めた?」「良過ぎたの。ここではスピリドンの世話。わがままだけど哀れな人」「なぜ君は結婚しなかった?」「知りたい?」「あなたには想像できない?」「できるはずないだろう」「長い話よ」「忘れてたぞ! 宴会がある。村には別々に戻るんだ。噂になるといろいろまずいから」。歌うターヤ。
白黒画面。橋を壊して進む装甲車。沼へ突っ込み停まる。「じいさん、生きてたのか?」「アレクセイか?」「驚いたな。いつまで生きる気だ」「死ぬのは年を取るからではない。熟すからだ。私はまだ熟してない」「“魔の沼”は?」「正確なことは誰も知らない。行くのは止めとけ」「迷信は信じない。今は20世紀だ」「それなら勝手にするがいい」。ヒヒヒと笑う老人。進む装甲車。無数のアリ。
装甲車、木をなぎ倒して進み、沼に着く。水面にはあぶく。小屋から煙。「ここで掘ってたのか。ここが昔の現場だ」。アレクセイ、小屋の中に入る。無人。床が抜ける。「父さん! 父さん!」泣く幼いアレクセイ。沼の上を歩き去る父。「アレクセイ!」。
カラー。油田の鉄塔。「回せ!」「手伝おうか?」「そっちは?」「問題ない」「向こうを!」「了解、いけそうか?」「解らん」「お前の故郷だ、お前が見つけてくれ」「ターヤ!」。握手する二人、「何かようか?」「祖母の葬式なの」「婆さん、死んだか」「寄っただけよ」「サーニャ」「何だ?」「あっちを頼む。この通り、忙しいんだ」「何が」「仕事が」「私を忘れたの?」「ヒマがないんだ」「1カ月も待ったわ」「レーナ、調子はどう?」「問題ないわ。いいお仲間ね」「今日は掘り始めの日だ。解ってくれ。また今度」。握手。
轟音で会話聞こえない。アレクセイ、走り去る。
葬式後。「これを持って」「どうしたの?」。スピリドン、鉄塔を眺めている。
ドリルが下げられる。
葬式。
回転するドリル。
鉄塔を俯瞰。
小舟の上でギターの弾き語りをする男。小舟に乗り込むターヤ。
100ルーブルのイヤリングをターヤに買うアレクセイ。
掘削するボーリングのドリル。アレクセイ「夢を見ただけ」。(中略)
夕日の中、門を立て直す男。
「フィリップ 1960年代」の字幕。カラーの画面。ヘリコプターから眼下を眺めるフィリップ。
ヘリを降りて来たフィリップは、水力発電所を作るため、村が湖底に沈むと言う。
「委員会の委員長、発電所の計画を変えてくれ」と言訴える村人。(中略)
白黒画面。アレクセイ「ここはエラニだ」。
カラー画面。雪の湿原。猫。女の歌。アレクセイ、ターヤに「ソチに行って結婚しよう」と言う。ターヤ「6年待ったのよ」「実はソチには行ったことない」「私、妊娠してるの」「構わない。荷作りしろ。父親が必要だ」。それでも拒むターヤに「君は幸せを逃したな」と言って、アレクセイは去る。ターヤ「本当は好きよ」。
「柱が折れたぞ。炎。「アレクセイ、やったな」。塔、倒れる。同僚を助けるアレクセイら。
冬景色のシベリア。委員会。アレクセイの元に電報が届けられる。「エラニ村で大量の石油が噴出。現在、消火作業を敢行中。ウスチュジャーニン技師が死亡」。白黒画面でウスチュジャーニンとの思い出。アレクセイは檀上に上ると、電報の内容を告げ、ウスチュジャーニンに黙祷を捧げる。
消火作業を続ける人々。
墓に押し寄せる炎。フィリップ。消火作業を行うブルドーザー。花束を渡され、キスの嵐を受けるフィリップ。白黒画面でウスチュジャーニンとの思い出が映し出され、映画は終わる。
3時間19分の大作であり、カンヌではもうひとつの『1900年』と高い評価と受けた作品です。アッという間に観られる作品でした。