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フリッツ・ラング監督『ブルー・ガーディニア』

2023-04-17 23:59:56 | 日記
 フリッツ・ラング監督の1953年作品『ブルー・ガーディニア』をDVDで観ました。

「ウエストコースト電話局」の看板の前で、「午後の1時にここで待ち合わせだ」とカメラマンに言う新聞記者。新聞社に記者が入って行くと、「クロニクル紙敏腕記者ケイシー・メイヨ」という看板が。電話局では画家のハリー・プレブルは交換手たちに誘いの声をかける。
 電話局で働いているノーラ(アン・バクスター)は朝鮮の戦地に行っている恋人の写真を置いて、彼からの手紙を読む。「ノーラ、君も知っているように、僕は手紙が苦手だ。米カーズフィールドでバイトをしていた頃を思い出す。手紙のことでよく怒られた。今はさらに筆不精だ。でも君を忘れたことはない。一方、他に好きな娘が戦闘で負傷した。東京で会った看護婦だ。彼女の名前はアンジェラ。僕を励ましてくれた。お蔭で回復した。そんな気はなかったが、男ってのはだらしがない。二人は愛し合い、結婚する気でいる。以上だ。ノーラ、わかってくれとしか言えない。愛を込めていつまでも君の幸せを祈っている」のナレーション。手紙をくしゃくしゃにして、一人で外出するノーラ。
 電話局で教えられたハリーの電話番号に電話をするノーラ。彼は中華料理屋「ブルー・ガーディニア(青いクチナシ)」に彼女を誘う。誘いに乗った彼女は悪酔いし、かなり酔った状態でハリーの部屋に連れて来られ、強引に彼女の体を奪おうとするハリーに抵抗する。鏡が割れるショット。彼女は気を失う。
 しばらくして灯りの消えた部屋で目を覚ました彼女は、雨の中、裸足で部屋を出て、家に向かう。
翌朝、パジャマも着ずにひどい二日酔いで目覚めるノーラ。彼女は「青いクチナシ」に行ったところまでは記憶があったが、その後の記憶は定かでない。
 一方、ハリーは翌朝に火かき棒で撲殺された死体として発見される。現場からはサイズの小さいパンプスが発見され、女性用のハンカチも発見される。
 メイヨは記事で犯人を釣ろうとし、「未知の女性殺人犯へ」という見出しで記事を書く。「ケイシー・メイヨの未知の女性殺人犯への手紙。「青いクチナシ」様へ。いつかは分からないが、今日でも警察はあなたを逮捕する。自白を強要される。手を貸してあげたい。私と本紙がだ。我々にも大仕事になる。最善を尽くす覚悟だ。私を信じてほしい。あなたの許諾なしに記事にはしない。今は気が動転しているはず。どこにも逃げられず、隠れ場所もなく、頼りは私だけ。私から提案が。近くの電話ボックスから人生を賭した連絡を。MA---60025に。あなたへの誠意を込めて。ケイシー・メイヨ」という記事を読むノーラ。
 ノーラはとりあえず、殺人現場で自分が着ていた黒のタフェタを焼却する。そしてメイヨに電話をかける。ノーラに会うために喫茶店に向かうメイヨ。メイヨはノーラが真犯人とは考えず、誰かを守るために本人のふりをしていると考える。そして明日の午後3時40分にやはりこの喫茶店で再会することを約束する。
 翌日の午後3時40分にメイヨが喫茶店に現れると、そこにはノーラと一緒に住んでいる女性が座っていた。メイヨはノーラが真犯人ではないと思っていたと語るが、喫茶店の外には警官が押し寄せてきていた。メイヨのことを裏切り者扱いするノーラ。
 しかしメイヨは真犯人がノーラでないことに気がついた。ノーラがハリーの部屋に来た時かかっていた曲は、中華料理店「ブルー・ガーディニア」でナット・キング・コールが歌っていた「ブルー・ガーディニア」で、ハリーが死んだときにかかっていた曲は、それとは違うワグナーの「トリスタンとイゾルデ」であったことに思いが至ったのだ。
 そして「ブルー・ガーディニア」を警官とメイヨが訪れると、接客係の女性が自殺未遂を起こした。彼女こそ真犯人だったのだ。
 こうしてノーラの罪は晴れ、満面の笑みを新聞記者らのカメラに見せたノーラは、近づいてきたメイヨには振り向きもせずに行ってしまい、メイヨは彼女を追いかけるのだった。

 中盤からラストに向かってはハラハラドキドキの展開で、ラングの隠れた代表作だと思いました。場面転換はすべてオーヴァーラップが使われていました。そしてナット・キング・コールの生歌も聞けるという贅沢な映画でもありました。

フリッツ・ラング監督『飾窓の女』

2023-04-17 00:52:08 | 日記
 フリッツ・ラング監督の1944年作品『飾窓の女』をDVDで再見しました。

 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に一部加筆修正させていただくと、
「創立1828年のニューヨークのゴーナム大学で講義を行なっているウォンレー教授(エドワード・G・ロビンソン)は犯罪心理学の専門家。謹厳実直な家庭人でしたが、避暑に出かける妻と2人の子供をグランドセントラル駅で見送った後、久しぶりの独身気分を味わいます。
 夜になって会員制クラブで友人たちと歓談しますが、その中には地方検事レイラー(レイモンド・マッセイ)もいました。10時半になってほろ酔い気分でクラブを出たウォンレーは、クラブの隣りにある店の窓に飾られた女性の肖像画に見惚れてしまいます。
 と、突然その肖像画そっくりの女性・アリス(ジョーン・ベネット)がウォンレーの前に現れました。彼女はその絵のモデルを務めたのです。
 アリスは驚くウォンレーをバーに誘い、彼もその気になります。彼女が自分をモデルにした他の作品も見せるというので、ウォンレーは彼女のアパートへ。こんな経験はウォンレーにとって結婚以来初めてでした。
 ところが絵を見ていると、突然1人の男が部屋へ入ってきます。どうやらアリスのパトロンらしく、彼女を殴りつけ、それを止めようとしたウォンレーにも襲いかかってきました。彼は首を絞められ、もがき苦しみます。
 アリスは彼を助けようとウォンレーの手にハサミを渡し、ウォンレーは無我夢中で男の背中を何度も刺します。男はぐったりし、やがて絶命してしまいます。
 ウォンレーは人を殺した事で動揺します。家族のことを思うと、自首もできません。仕方なくアリスに言われるまま死体を乗せると、郊外へと車を走らせます。
 そして適当な林の中に死体を捨ててしまいます。埋めたわけではないため、死体はすぐに発見され、殺人事件として捜査が始まります。皮肉なことに事件を担当した検事はレイラーで、ウォンレーは彼に誘われるままその死体発見現場に足を運ぶことになります。
 そして、さらにウォンレーを怯えさせたのは、殺された男・ハワードの用心棒を名乗る男が、女性を脅してきたことです。
 ウォンレーはアリスとともに彼を毒殺しようとしますが失敗します。これでもう自分はお仕舞だと考えたウォンレーは用意した毒薬をあおり、自殺しようとします。
 ――と、ここでウォンレーは目を覚まします。実は肖像画の女性アリスに会ったのも、その後男を殺したのも、すべてクラブで見た夢だったのです。
 ホッとしながらウォンレーは外へ出て、夢の中のように肖像画を眺めますが、そこへいきなりアリスとは違う女性が現れます。彼女は夜の女で、ただ煙草の火を借りようとしただけでした。しかしウォンレーは、もうあんな経験はたくさんとばかり、あわてて彼女のそばを離れていったのでした。」
 この映画でも場面の転換にはほとんどがオーヴァーラップが使われていて、大きな転換となる時だけ、フェイド・アウトとフェイド・インが使われていました。