gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

鈴木則文監督『トラック野郎 熱風5000キロ』その4

2019-02-09 06:31:00 | ノンジャンル
 今日は手塚治虫さんの30回忌にあたる日です。素晴らしい作品を多く残してくれた手塚さんに改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、また昨日の続きです。
ノサップ「そしてお前は仲間を裏切り、国に寝返った。当時組合長をしていたお前は反対運動の先頭に立ちながら、裏では金を受け取り、土地買収に一役かってたんだ」「裏切りと言うなら言え。あのままユーフツの村にしがみついてたら、お前たらとおやじ同様、俺も野垂れ死んでいたはず。生き延びるにはああするしかなかった」「そういう奴だよ。てめえは。洪水で民が苦しんでいる時、一人でほくそ笑むよう奴」「狙いは何だ? カネならいくらでも出す」「カネじゃねえ」「命か?」「命でもねえ」「何が欲しいんだ?」「てめえが苦しんで血反吐を吐くのが見てえんだ」「ほざくな。この野郎、出て行け」。ノサップとジュンゾウ、取っ組み合いになる。ナツ、猟銃を構える。「帰んな。ここはあんたなんかがいる場所じゃない」「育てられた恩か?」「この人は私の父さんだよ。私が引取られた時、父さんは裸同然だった。やっと手に入れたボロボロのトラックの助手席に私を乗せて、昼も夜も働き続けた。そんな父さんがなぜ責められなきゃならないんだ? 裁かれるのは父さんを追い込んだ奴らじゃないか! この土地から姿を消すんだ。二度と私たちの前に姿を見せたら、承知しないよ」「世話になったな。おやじ、俺らが血反吐を吐くことになりそうだぜ」。ノサップ去る。「父さんは何で私を引き取ったの? 償いのため?」「俺の勝手を直すためには、お前が必要だったんだ」。
 ひまわり。林の木漏れ日。木々が次々と切られ、木材となり、トラックへ積まれていく。「出発!」。
 トラックの車列。
 谷の道を通る車列をロングで。
 ジュンゾウ「もうじき国道に出る。そしたら目的地まで一走りだ」ナツ「何事もなくて良かった」桃次郎「そう願いたいが、あれを見ろ」。ノサップ、猟銃を手に正面に立ち、「止まれ! 止まらんと橋がぶっとぶぞ!」と叫ぶ。鉄橋の上に停まる4台のトラック。「どうした?」「何だ?」「何だ?」。ドライバーたちが下りてくる。「橋にダイナマイトを仕掛けた。皆トラックを捨てて横道へ行け」。鉄橋の柱に巻かれたダイナマイト近くに着弾させ威嚇するノサップ。「逃げろ。俺は短気なんだ。ぼやぼやしてるとトラックもろともぶっ飛ぶぞ」。ジュンゾウ、ナツ、桃次郎を除くドライバーたちは逃げ出す。ナツ「父さん、本気だよ」ジュンゾウ「頼む。通してくれ。この仕事が済んだらお前の望み通りにしてやる」「俺の望みはお前がすぐ向こう岸に避難することだ」「橋を爆破するのはやめてくれ。この橋が落ちれば、上松陸送は当分荷物を運べなくなる」「そうだ。てめえは全てを失うんだ。そしてお前の裏にいた開拓民と同じ苦汁をなめて生きていくんだ」「俺は動かねえ」「じゃあ、材木と一緒に心中するんだな」。ジュンゾウも猟銃を取り出す。ノサップ「貴様、撃つなら撃て! 一度はお前のために野垂れ死にしかけた俺の命だ。ほしけりゃ、くれてやる。その替わり、お前もお陀仏だ。早く撃て」。ナツ、ジュンゾウの銃口の前に立つ。「ナツ、撃つぞ、どけ! うわー!」。空を撃つジュンゾウは、銃を橋の下に放り投げ、泣き崩れる。ノサップ「一番星、どけ」「おれは一度握ったハンドルは2度と離さねえ」。桃次郎、トラックに乗り込み、エンジンをかける。「てめえ、トラックと一緒に死ぬ気か?」。トラックを進める桃次郎。ダイナマイトに照準を合わせるノサップ。桃次郎が橋を渡り終えた瞬間に発射。トラックらは橋とともに谷に落ちて大爆発を起こす。何も言わずにたたずむ4人。ノサップ、サングラスをかける。オーバーラップ。満蒙団の写真が燃えて行く。燃やしているのはナツ。灰を握りしめ、泣くナツ。桃次郎「おナツ」。振り向くナツ。「行ってやれ。あいつにはもうお前しか残ってねえ。早く行かねえと追いつかねえぞ」。すっくと立って桃次郎の背中にお辞儀をし、そして走り出すナツ。
 走るナツ。歩いて去って行くノサップを追いかける。
 “日本列島ひとり旅”のデコトラ看板。ヨーコ、桃次郎に「おじちゃん、松下のおじさんから電話だよ」。(また明日へ続きます……)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿