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レフ・クレショフ&ニーナ・アガジャーノワ=シュトコ監督『二人のブルディ』その2

2020-09-19 07:11:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

「また夜になると…」の字幕。「演目9オケアノス9」の垂れ幕。
 団長「息子は帰ったか?」父ブルディ「すぐ帰ります」。大佐の情婦が現われ、父ブルディをあざ笑って去る。団長、父ブルディに「いいか、遅刻厳禁だ」。
「“2ブルディ2”本日初日、前代未聞」の看板。
 父ブルディは薬莢が床に転がっている部屋を訪れる。そこへ男がやって来る。「面倒だろうが、かくまってくれ」白軍兵士「赤軍兵が隠れてないか?」父ブルディ「何の御用で?」。白軍兵、去る。男「同志ブルディ、命の恩人だ。ありがとう」。
 トランポリンの技を見せるメンバー。
 団長、父ブルディに「心配するな。出番はキャンセルだ」「なぜです?」「お前の息子は銃殺された」「嘘だ。大佐は約束した」。笑う団長。その首を絞める父ブルディ。
「“2ブルディ2”本日初日、前代未聞」の看板。団長「いえ、実は中止です。不可抗力によるものです」観客「大佐、万歳」他の客「ブルディを出せ!」「ブルディ!」「二代目はどこだ?」父ブルディ「ある阿呆が言うには二代目は銃殺されたとか。(大佐を指さし)奴は嘘つきのクズだ!」観客「その悪党を引っ込めろ」大佐「悪党はお前らだぞ。海に沈められたいか? あの連中を黙らせろ」団長の情婦「ごろつきども、今に見てなさい」観客「いいぞ、ピエロ、アンコール!」「ブラボー、アンコール!」「父さん」。息子のブルディが現われる。「捕まえてみろ」。空中ブランコで敵を蹴落とす息子のブルディ。その後、天窓にとりつき、そこから外へ脱出する。観客「ブラボー!」。「本日初日。2ブルディ2」の看板。大佐、部下に「バカ者! のろま、でくの坊、撃て!(中略)逮捕しろ、二人ともだ」観客「白軍の犬め」「ブルディ、応援してるぞ」大佐「ピエロを捕まえろ、逮捕、逮捕だ」。明かりが消え、闇になる。
「赤軍の衛生輸送隊が前線から後方へ出発した」の字幕。反対方向から荷台に干し草を積んだ老人がやって来る。赤軍の兵士「止まれ! 何を干し草に隠してる?」「誓って何もないです」「干し草を降ろせ」。干し草の下から拳銃を構えて現れた男女に老人は「大丈夫。彼らは味方だ。同志だ」「同志、革命委員長」「ありがとう、じいさん」「オリガはどこに?」。首を振る男。ラッパ。白軍の飛行機がやって来る。「同志司令官、失礼します。仕事なので。撃て! 撃て! 伏せろ。ワーシカ! ワーシカ!」「当たった!」。墜落する飛行機。「待ってろ。必ず戻ってくるから」。映画は終わる。

 空中ブランコでブランコにカメラを仕込んで撮影しているなど、実験的な撮影方法がいくつか試されていました。物語、画面、演出どれを取っても一級品で、レフ・クレショフの傑作の中の一編であることは間違いありません!

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レフ・クレショフ&ニーナ・アガジャーノワ=シュトコ監督『二人のブルディ』その1

2020-09-18 05:42:00 | ノンジャンル
 DVDで、レフ・クレショフ&ニーナ・アガジャーノワ=シュトコ監督の1929年作品『二人のブルディ』を観ました。白黒の無声映画です。

 「1919年、ロシア内戦の前線」の字幕。爆炎、騎馬兵たち。「後方では、飛行船が真っ二つだ。横隊から腹に一発! ピュン…で大混乱」「地平線に白軍機!」「ワーシカ、仕留めろ」と言って逃げる。ワーシカの相棒「薄汚い豚野郎が…、またトンズラかよ」。
 「前線の近くに小さな田舎町があった」の字幕。「今に撃墜されるぞ」と赤軍にエールを送る男。「ゴロホヴォエ大村を白軍騎兵斥候隊が占領し、赤軍部隊は前線を伸ばして東に退却。周辺の村を白軍機が襲い、タギンカ村ほかが全焼した」の字幕。
 革命委員会。「前線で戦況が悪化しているのに、なぜ決起しないのです? ただちに工場や企業の操業を停止し、全員動員すべきです」「たしかに…総動員しかないな」。“息子のブルディ”「革命委に呼応し、サーカス地区委は即時動員に応じるように指導する」。
 サーカスに戻ってきた息子のブロディ。“老いた道化師、父ブルディ”。息子のブルディの演説にサーカス団の者たちは拍手する。「ご覧よ、赤の連中がうろたえてる」と“サーカスの団長”。息子のブロディ「白軍連中の襲撃に必要な反撃をしよう」。
 「そしていつもの夜…」。父のブルディはサーカスの舞台で大うけである。サーカスの団長「アカのでくの坊め、待て、本番前だ」。空中ブランコをする男たち。
 逆立ちする息子のブルディ。父ブラディ「ブラボー」団長「ジュニア、メイクはまだか?」息子のブロディ「同志さん」団長「黙れ、若造。政治かぶれめ、今に見ていろ」。団長、部屋から出る。息子のブロディ「なめんなよ」。
 満員の客、拍手。「ブルディ!」「皆さん、私のピエロも今日が最後です。私の長年の夢がかない、明日は息子と舞台に出ます。〈2ブルディ2〉です」観客「ブラボー、ブルディ!」団長「〈2ブルディ2〉の初日をお見逃しなく」。拍手喝采。
 舞台裏。メンバー「心からお祝いします」別のメンバー「心からね」。
 客「ブルディ!」。「明日〈2ブルディ2〉の初日、前代未聞」の看板。
 革命委員会のメンバー、ブロディの息子に「君のお父さんのような真の芸術の巨匠を味方につけるよう、全力を尽くすべきだ」息子のブロディ、彼に答えて「革命委に我々の決議を伝えてくれ」。父ブロディ「今日は行くな。お祝いの日だ」息子のブロディ「大事な用なんだ、ごめん、父さん」。
「馬使い、W・トルッツィ!」。
 革命委員会。「町の防衛に動員された労働者を守備隊長の指揮下に置け」「ブルディが来たわ」電話「こちらは革命委。ご用件は? 切れたわ」「切られた。街に白軍が侵入し、電信局を奪われた。オリガ、急げ」。
 少女のオリガ、馬で駆ける。“〈2ブルディ2〉前代未聞”の看板。
 白軍の襲撃に会い、オリガは死ぬ。
 白軍、息子のブロディに「お前が撃ったな」「まさか、私は芸人です」。白軍、床に飛び散った薬莢を見つけ、「逮捕しろ」。
 サーカスの舞台では剣飲み。
 団長の情婦「味方が来たわ。街に白軍が来たそうよ」。
 サーカスのメンバー「助けてくれ、白軍が…」。
 別のメンバー「武器を持て。行くぞ」。
 別のメンバー「白軍が町に」。
 白軍の支援者、「万歳」「万歳」。
 父ブロディ「息子が逮捕された」。
 白軍に息子の釈放を訴える父ブルディ。「ピエロだ」「ピエロだ」ともみくちゃにされる父ブルディ。
 父ブルディ「どうなるんです?」白軍の将校「銃殺刑だ」「息子は芸人で明日は舞台があるんだ」「私にではだめだ。大佐に頼め」。
 「大佐、芸人のブルディが会いたいと」大佐「追い返せ」大佐の情婦「会って。赤軍がいたころの夫で、面白いのよ」。父ブルディが現われる。「芸人だな。ピエロか」「息子が逮捕され間違って銃殺されそうです。芸人なのに」「芸を見せろ」「どういう意味です?」「何か楽しい芸をやれよ。さあ、始めてくれ」。一通り芸をして大佐を笑わす。「これでも慈悲をかけてもらえませんか? ここで息子の出番です。パインも鳥も自由に食え♪ ブルジョワ 最後の日が来たぞ♪」「歌詞が違うぞ。逆だ」「無理です。変えられません」「無理だと? 赤の道化め」。銃声が聞こえる。「撃ってる! 早く息子を助けて下さい!」「違う歌を歌えば考えてみる」「鳥も食べ、焼け♪ パインも食え♪ 焼け…人民委員の最後の日が来たぞ♪」。大佐、電話で「捕虜は動かすな」父ブルディ「それでは大佐様、息子の件は」「約束する」。
 父ブロディ「芸のお代は息子の命か…」

(明日へ続きます……)

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斎藤美奈子さんのコラム・その68&前川喜平さんのコラム・その29

2020-09-17 06:54:00 | ノンジャンル
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず9月9日に掲載された「自民と同じ?」と題された斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと(一部改変)、
「合流新党の代表選が盛り上がっていない。世論調査の結果を見ても六割が「期待していない」。自民党の総裁選に偏った報道のせいだ(怒)、とばかりもいえまい。なぜ期待がもてないか。
① かわり映えのしないメンツ。枝野幸男氏は旧民主党政権の官房長官だった方である。あの頃から同じようなメンバーが出たり引っ込んだりしてるだけ。後継者が育ってないのは自民と同じ。
② 若手や女性を積極的に登用すると言ってるわりには、おっさんだらけ。自民と同じ。
③ 投票権のある党員投票を実施せず、国会議員だけの代表選。幅広い声を集める気がないという点では自民と同じ。
④ 代表選に立つには国会議員二十人の推薦が必要。自民党議員は約四百人。規模が違うのになぜ自民と同じ二十人? これだと当選回数が少ない気鋭が出にくい。
⑤ 投票どころか告示前から結果が見えてる出来レース。自民と同じ。
⑥ 苦言を呈すと「野党の足を引っ張るな」という声が支持者から飛んでくる。自民と同じ。
 同じなら、安定している与党のほうがマシって思う人は多いよね。自民と違うのは、小事にこだわること、PRが下手なこと。政策はもちろん大事。しかし演出も大事です。埋没してほしくないから言ってるの。枝野さんでほんとに選挙を戦える?」

 そして、9月16日に掲載された、「幼稚な国」と題された、斎藤さんのコラム。
「大阪なおみ選手の全米オープン優勝。人種差別への抗議に国内のスポンサー企業が「手放しでは喜べない」などの反応を示したという報道もあったけど、どこの企業よ。どうして彼女のメッセージを支持し応援するっていえないのかなあ。
 もっとも大坂選手に対する敬意を欠いた態度は一部のスポンサーだけではなかった。2018年、彼女が全米オープンを制した際の日本社会の対応を思い出してほしい。
 あのとき日本のメディアは日本語でインタビューに答えるよう半ば彼女に強要し、カタコトの日本語を「かわいい」「おもしろい」と評したあげく「なおみ節」は新語・流行語大賞にノミネートまでされたのだ。たが実際に彼女は……。
 「日本人? アメリカ人? ハイチ人? 黒人? 言ってみれば、私はこれらすべてです」「バイレンシャル(両親の人種がそれぞれ異なること)、特にバイレンシャルのアスリートは日本の未来を担う存在であり、私たち(私自身や八村塁さんなど)は日本で受け入れられています」「少数の無知が、多くの人の前進を妨げてはいけません」
 「ELLE」ウェブ版に7月13日付で載った大坂選手の寄稿の一部だ。高い見識をもつ女性アスリートを全力でコドモ扱いした日本社会の幼稚さに今さらながら赤面する。猛省したほうがいい。」

 さらに9月13日に掲載された、「日本国民は蒙昧の民か」と題された前川さんのコラム。
「安倍晋三首相の辞任表明と菅義偉氏の自民党総裁表明の前後に行われた世論調査の結果には、暗澹(あんたん)たる気持ちになった。辞任表明前の8月22~23日に共同通信が行った世論調査で36.0%まで落ちていた内閣支持率は、辞任表明直後の29~30日の調査では56.9%に跳ね上がった。同じ29~30日の調査で、次期首相にふさわしい人のトップは石破茂氏で34.3%、菅義偉氏は14.3%だったが、有力派閥がこぞって菅氏を推し、菅氏の勝利が確実になった9月8~9日の調査では、菅氏が50.2%でトップとなった。
 「病気で辞める人はねぎらってあげるものだ」とか「自民党の偉い人たちが応援する人は立派な人に違いない」とか思ったのかもしれないが、1週間や10日でここまで極端に意見を変える国民が民主国家の主権者たり得るだろうか。僕は魯迅の「阿Q正伝」を思い出した。百年前の中国を舞台に無知蒙昧(もうまい)な民阿Qの愚かな生涯を描いた話だ。日本国民は阿Qに成り下がったのではないか。
 愚かな国民は愚かな政府しか持てない。賢い国民が育つために決定的な役割を果たすのはメディアと教育だ。メディア関係者と教育関係者が権威主義や事大主義に毒され、同調圧力に加担し付和雷同に走るなら、日本国民はますます蒙昧の淵に沈んで行くだろう。」

 どの論評も、私たちが常に思っていることを代弁してくれている素晴らしい論評だと思いました。特に最後の前川さんの文章「賢い国民が育つために決定的な枠割を果たすのはメディアと教育だ」には激しく同意しました。みなさんは、どうお考えになりますか?

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レフ・クレショフ監督『ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』その2

2020-09-16 06:14:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

 事務所で聞き込みをするジェディとエリー。
 ジパン、夜中に「ボリシェヴィキだ! 人民委員だ! 家宅捜索だ! 助けてくれ!」。ウェスト氏はおろおろするが、伯爵夫人には「心配いらないよ。ハニー、アメリカ人の真髄を見せてやる」。ウェスト氏は片目の男に倒され、毛布に包まれ、柱に縛りつけられる。伯爵夫人も柱に縛られる。眼鏡のあるところだけ毛布を切られ、伯爵夫人も縛られているのを知るウェスト氏。
「裁判」で「死刑宣告」と受けるウェスト氏と伯爵夫人。「ウェスト氏はめまいを起こす」「執行を待つばかり」「ジパンの照明効果」。窓から差す光の中に手の影が現われ、その手が2人を招く。伯爵夫人「絶望しないで! すぐ助けます。使者に1000ドル払って下さい。煙突から脱出させます。その前にもう1000ドル払って下さい」。
「“友人たち”は眠らない」。
「ウェスト氏の不在が長引き、事務所も落ち着かない」「今日にもウェスト氏は見つかりますよ。あなた方自身で警察に相談しなさい」と言われるジェディとエリー。アイリス・アウト。
 煙突から脱出したウェスト氏「助かった!!」。
 先に扉から脱出していた伯爵夫人と部屋で二人になったウェスト氏は、同じソファに腰掛ける。ジパンは「俺の嫁にキスしやがったな」とウェスト氏に殴りかかろうとする。「落ち着け! 落ち着いて! 彼にお金を払って」と言われるウェスト氏。
 そこへ警官が拳銃を構えて現れる。遅れてジェディとエリーも現れる。警官「本物のボリシェヴィキですよ」。
 獄中のジパンたち。
「児童養護施設の新たな住人は本物のカウボーイに夢中だ」。
 エリーは鳥のぬいぐるみの羽を一枚ずつ抜き、「愛してる。愛してない」と繰り返し言い、最後に「愛してる」となると大喜びする。ジェディが現われると、抱いていた猫を放り出してジェディの元へ向かうエリー。ジェディの帽子の中には数匹の子猫が入っていた。「ウェスト氏の夢はついに現実となった。オープンカーでモスクワの町をめぐるウェスト氏。案内役が「あれが大学ですよ」と言うと、そこには“労働者に学問を”と刻まれた立派な建物が建っている。「あれがボリショイ劇場です」と言うと、そこにも立派な彫刻を施した入り口を備えている建物が見える。「これから何千という本当のボリシェヴィキが見られますよ」。
「ご覧ください」。大勢の人々が、整然と進むパレードに熱狂している。ウェスト氏「無線電信:親愛なる妻よ! ソビエトロシアから挨拶する。ニューヨーク誌は焼き捨て、レーニンの肖像を掲げてくれ。ボリシェヴィキ万歳! ジョンより」。
「無電局への道すがら」。立派な鉄鋼工場で働く労働者たち。
“不減衰振動のモスクワ大出力無線局”の看板。「郵便電信人民委員会部」。巨大な無線の電波塔が映り、そこにウェスト氏の笑顔の映像がオーバーラップになり、映画は終わる。

 1回目に見たときには、とにかくハチャメチャで、ユーモアに満ちた映画だったという印象でしたが、今回はただそれだけでなく、まぎれもない傑作だということが分かりました。字幕が多く用いられていて、見事なショットとの編集が巧妙になされ、映画ならではのダイナミズムを感じることができる作品だったと思います。活気あふれるロシア革命時の映画として、歴史に名を残す映画でした!!

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レフ・クレショフ監督『ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』その1

2020-09-15 00:13:00 | ノンジャンル
 今日はビル・エヴァンスが51歳で亡くなってから、ちょうど40年目に当たる日です。ジャズのトリオで、ベースやドラムスにソロパートを創ったのは彼が最初です。そんな素晴らしい音楽を創ってくれた彼に改めて感謝し、また彼のご冥福を改めて祈りたいと思います。

 さてDVDで、レフ・クレショフ監督の1924年作品『ボリシェヴィキの国におけるウェスト氏の異常な冒険』を再見しました。白黒無声映画です。

「コメディ。あるアメリカ人の好奇心が罰と褒美を招く物語。1924年、ゴスキノ製作、クレショフ工房第1回作品。撮影A・A・レヴィツキー」の字幕。
「ロシアへ!」「ウェスト夫人は夫の出発を嘆いている」「ウェスト氏の忠実な使用人、カウボーイのジェディ」「ウェスト氏への手紙」「YMCA理事長ウェスト氏へ 親愛なるウェスト氏。ボリシェヴィキの国を訪れるという、あなたの勇気ある行動を知り、ニューヨークマガジンをあなたに贈ります。今日のロシアの野蛮な状況が書かれています。武器を携行し、ボディーガードを連れて行くことを強く勧めます。ご多幸を祈って。敬具。G・L・コウガン」「典型的なロシアのボリシェヴィキ」の記事は毛むくじゃらの野蛮人の写真ばかりが掲載されている。「ジェディを連れて行って! ケダモノから守ってくれるわ」。アイリス・アウト。
「1ヶ月後の朝、ボリシェヴィキの国の首都に到着した」「ウェスト氏の荷物」「目立たない旅行者、コソ泥のセーニカ」「靴下のガーターベルトの具合が悪い」。ガーターベルトの具合を直している間にカバンを少年に盗まれる。ジェディ「心配しないでください。私が野蛮人からお守りします」。弾倉を確認するジェディ。「快適さの基準は人それぞれ違うもの」「ジェディは周囲に目を光らせる」。
「かつては芸術愛好家、今はただの詐欺師ジパン」。少年がカバンを持ってくる。
「“温かい仲間たち”」「ダンディーと伯爵夫人」「片目の男」。片目の男はネズミをかわいがり、松葉杖を一つ持っている。ジパン「金の匂いがするぞ! このアメリカ人から目を離すな」。
 ウェスト氏の乗っている車から荷物が落ちる。それに気づいたジェディは車から飛び降りるが、車はそれに気づかずに行ってしまう。「ジェディの頭の中はひっくり返る」。投げ縄をし、発砲し、馬のそりを奪って車を追うジェディ。
 ジパンらはニューヨーク・マガジンのボリシェヴィキの記事を見て笑う。「こいつからありったけの金を絞り取ってやる」。
 警官がバイクで出動。逃げるジェディ。「ウェスト氏と荷物がボリシェヴィキに奪われた」。(中略)警官をまくジェディ。「アメリカ人の女性エリー」。お互いに気づいて名前を呼びあうジェディとエリー。
 ひげを剃るジパン。「ウェスト氏はアメリカ企業の事務所にかくまわれたが、忠実なボディーガードが姿を消し、落ち着かない」。タイピングをする事務員の女性2人。
「悪党仲間が“仕事”を始める」「ジパンが投網を投げる」。カバンをウェスト氏に返すジパン。「どこで私のカバンを見つけたのですか?」「アメリカ紙の特派員記事にうってつけの話です」。
“刑務所”の看板。「私はケダモノの口からそれをひったくりました」「世界で一番文化的な国の旗を前にして帽子を取って敬意を表しました」「投網がたぐり寄せられる」「私の家に来ませんか。あなたは尾行されています」「でも私には荷物がたくさんあるんです」「必要なものだけを持って行き、残りは後にしましょう」。
「警察署でエリーはジェディを釈放してもらおうとしている」「アメリカでの知り合いです。暴漢から助けてくれたんです。ボスの影響でロシア人は野蛮人だと思っています」。女を網の上で蒸し焼きにする野蛮人たち。
 外出するジパンとウェスト氏。
「ジェディは釈放に」。
 モスクワ観光をするウェスト氏。ジパン「野蛮なボリシェヴィキが大学をどうしたか見て下さい」。廃墟となった建物。「ここはボリショイ劇場がありました」。がれきしかない空き地。「私はかつて宮殿に住んでいました。でも今はこのボロ屋です。厳しい現実が分るでしょう」。
「ソビエトスタイルのティータイムです」。ウェスト氏に媚びを売る伯爵夫人。
「ジェディとエリーはウェスト氏を見つけようと動き出す」。
 ウェスト氏の足を踏む伯爵夫人。ジパン「この記事は本当です。とても正確に書かれています」。廊下で片目の男がひげの男と喧嘩を始める。「夫人はあらゆる手段で気を引く」。アイリス・アウト。
「“温かい仲間”その2」。喧嘩する男たち。ジパン「何十人に一人の人相の悪い男を集めろ。ボリシェヴィキの野蛮ショーをバカなアメリカ人に見せる。報酬はドルだ」。ジェディとエリーは「ウェスト氏を妙な男が連れ出したことだけは事務所で分かった」。

(明日へ続きます……)

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