文学学校の詩とエッセイのクラスの方々とお花見をいたしました。私がお弁当を作らせていただきました。
中森さんがそれを詩にしてくださいました。
重箱の中の春 なかもりあつこ
ふたを開けると
そこは花畑
白い酢飯の上に咲く
錦糸卵は菜の花の色
ピンクのデンブは
満開の桜の色
木の芽のミドリあざやかに
春の彩りを引き締める
料理上手なHさんが
手によりをかけて作ってくれたお弁当
キューブ型の押し寿司に
分厚いローストビーフ
甘いタレの絡められた鳥の照り焼き
マトウダイのムニエル初めて食べた
珍しい食感菊芋の塩こぶとゴマ和え
鯛めしはふっくらと
エビはブロッコリーとカリフラワーに和えられ
プリーツレタスで仕切られた重箱のなか
デザートは
イチゴとブドウとりんごのゼリー寄せ
淑女が五人で平らげた
空っぽのお重箱
閉じられた蓋の中から
川のせせらぎが聞こえないかい
飛び石を渡る子供の声がして
風に花びらを散らせながら
満開の桜が揺れている
今年の春は重箱の中に
夙川公園へ花見に出かけ
私のスマホに残るのは
川沿いのさくらではなく
美味しそうな食べ物ばかり
ありがとうございます。
美味しさを言葉にしてくださって実際のお弁当より美味しく美しく表現してくださいました。
感動しています。