私の趣味で、お母さんの味について、いろいろ調べたり、話をきいたり、思い出したりしているところです。
私の母は忙しいひとで、とにかくがさつに料理をつくるために、野菜は大きく切るわ、生煮えだわ、おまけにカレーなどは、ルーが溶けず、塊があったりしたのですが、今のわたしより、品数も、食材も手抜きをしていなかったと思います。そこはやはり尊敬すべきところです。
母の味ってなに?と振り返ってみると、一番に思いつくのが卵焼きでした。お弁当にはかならず入れてくれていた卵焼き。母のは、卵100パーセントでつくる卵焼きでもなく、いわゆる出汁巻きというものでもない、すこし出汁を入れる中間のものでした。味も、濃くなく薄くなく、真ん中。時々、刻んだネギなどが入っておりました。
わたしも主婦になり、家族に料理を作るようになったわけですが、知らないうちに、母と同じような味をもとめているのです、味覚というのは子供の頃につちかわれているんですね。卵焼きもやはり母の作っていたものとほぼ同じものを作ってしまいます。もっと美味しい卵焼きの作り方があるんだと思うのですが、ぬけだせません。画像は私の作る卵焼きです。
話は脱線いたしますが、結婚以来、わたしはこの母の作っていた卵焼きを、定期的に、朝の食卓に、どんなに忙しくても、主婦のつとめとおもって、手抜きをせず作って出しておりました。今日は、いそがしいから、手間のかからない目玉焼きにしたいと思っていても、ぐっとこらえて、卵焼きを丁寧に作っていたのです。ところが、十数年たったある日、主人が、
「俺は、卵焼きがきらいなんだ! 目玉焼きにしてくれ!」
と告白したんです。そう、主人はずっとがまんして卵焼きをたべていたのでした。そのときは愕然といたしました。いままでの努力ははいったいなんだったのか?それ以来、やたらに力をいれて料理を作ることをやめたのでした。良いのか悪いのか...
ご飯をつくってもらっておられる世の中の旦那様に言いたい。
苦手な料理は、最初ににご飯を作ってくれる人に、告げてください。
皆さんのお母さんの味はどんなものですか?よかったら教えてください。