当時、経済学の入門書などには、Aに対してBは独立であると書かれてありました。
人間生活で独立というのは、自分一人で生きていくとか、誰かに頼らないという意味です。
私は最初この独立という意味が全く理解できませんでした。
経済で独立は明確に定義されており、関数と関係があります。
関数について、2次元(平面)で説明される場合には、二つの変数の関係をx軸とy軸を書いて、数値をプロットするなり、関係グラフを書くなりします。
学校では、一次関数、二次関数、三次関数、円、楕円、三角関数のグラフなど、色々習います。
では独立のグラフはどう書くのでしょうか?これは学校では教えてくれません。
実は独立というのは、Yの値がXの値に関係なく決まるということなのです。Yの値は、X以外のものによって(他の条件によって)決まりますので、Xの値はどんな値であろうとも、Yの値は一定になります。
すなわち中学生の時に習った、x軸に対して平行な直線で表されるのです。
数式で表すと、Y=b のように書くことができます。
この式は、学校では、一次関数 Y=aX+bにおいて 傾きがゼロの場合と教えられたりします。ですから一次関数の特殊な形ということになっています。それも正しい説明です。
しかし、相関関係の意味をきちんと理解するためにはもう少し違う角度から見る必要があるのです。
理系がお得意の方ならなんでもないことですが、それほど理系が強くない人には、独立の意味の説明が必要です。数学の先生は、XとYに相関関係ががあるグラフを丁寧に教えてくださるわけですが、実は相関関係がないものは扱われません。
なぜここまでしつこく言うかというと、経済学で、独立の関係を理解できていないと次の段階に入った時に意味がわからなくなるからなのです。
例えば
右上がりの直線が、上方へ3つ平行に移動するというのをどのように見るか
これは数学的には、
Y=aX+b と Y=3の 合成関数であると説明しています。
しかし経済学では、上方へ平行にシフトするのは、Xではなく別の要因によってbの値が変化して、シフトが起こると説明されるのです。
数学では傾きや切片と呼ばれる値は、実は所与の値、パラメータです。経済学では、それをきっちり区別します。それによってパラメータの値の変化によって、グラフのシフトが引き起こされるメカニズムも図によって説明します。
独立を理解していないと、グラフのシフトの意味が理解できず、単なるパターン暗記になってしまいます。
ぜひ、関係を教えると同時に関係ない(独立)のことも教えて欲しいと数学の先生にお願い申し上げます。