今年の夏、生まれて初めての経験をした。
この歳まで生きてくると、もう“初体験”の場面は徐々に減ってくる。
しかし何事においても、この“初めての体験”てのは、衝撃的な事が多い。
今回の“初体験”とは?
それは、おばけ屋敷のおばけ役をする事だった。
それは、ひょんな事から始まる。
例年、町の夏祭りが開催されていたが、「平成の大合併」のお陰で、
今年の夏祭りは、旧隣町で開催される事になった。
去年までは某団体の一員として、会場で生ビールを売っていた。
「暑いなぁ~」
ビールを売る合間には、自分で注いだビールを飲み干す。
売っているのか、呑みたいだけなのかって感じも無きにしもあらずな、
楽しい時間を過ごしていた。
旧隣町の某団体は、僕達の生ビール販売の代わりに、
この「おばけ屋敷」をしていたわけだ。
最初は、陣中見舞いをして帰るつもりで参加したが、
いっしょに行ったヤツの
「手伝います!」
の一言で、最後まで付き合う事になった。
すべてが手作りな「おばけ屋敷」
市販のゴム製モンスターマスクをかぶり、真っ黒のポンチョを被って
スタンバイOK!
最初に配置されたのは、お手製のマジックミラーから浮かび上がるおばけの役。
懐中電灯を手に持ち、自分の顔を下から照らす。
鏡に無気味な顔がぁぁぁ!
「きゃーぁぁぁぁぁ!!!!!」
とは、ならない。
なんせ“手作り”なマジックミラー。
スタンバイしてても、鏡に近づかない事には、向こう側が見えない。
必然的に鏡の前に立った人からは、すでに僕の顔が見えているようだ。
「おい、なんかおるぞぉ!」
中学生のクソガキが、携帯を構える。
懐中電灯のスイッチを“ポチッ”と押した瞬間、
“カシャッ!”
記念撮影終了。
クソガキたちの笑い声の中、次々とポーズを変える僕。
その度にシャッターを押すクソガキ。これはこれで結構楽しい。
30分の休憩の後、2回目の配置場所は、入ってすぐの最初のおばけ役。
今度のマスクは、なぜか片目しか視界がない。
見づらい。そして“小さい”
汗びっしょりの上、呼吸もままならない。
しかし、今回は結構驚いてくれる。
女の子の団体は、入ってくるときから騒がしい。近づいてくるのがわかる。
“これはチャンス!”とばかり、タイミングを見計らって飛び出す。
「きゃーぁぁぁぁぁ!!!!!」
となるはずだった。
しかし、何故か大爆笑。
拍子抜けした僕は、ここでも得意のダンスを披露して、さらに爆笑を誘う。
(もっと怖がらさないと!)
変な使命感が芽生えて来た時、小さな女の子が、お父さんに抱かれて
目の前を通った。
「がぉぉぉぉぉ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大号泣!
お父さんは笑っていたが、ちょっと反省。
すべてが終わった時、僕の天パーは風呂上がりのように、チリチリになっていた。
この歳まで生きてくると、もう“初体験”の場面は徐々に減ってくる。
しかし何事においても、この“初めての体験”てのは、衝撃的な事が多い。
今回の“初体験”とは?
それは、おばけ屋敷のおばけ役をする事だった。
それは、ひょんな事から始まる。
例年、町の夏祭りが開催されていたが、「平成の大合併」のお陰で、
今年の夏祭りは、旧隣町で開催される事になった。
去年までは某団体の一員として、会場で生ビールを売っていた。
「暑いなぁ~」
ビールを売る合間には、自分で注いだビールを飲み干す。
売っているのか、呑みたいだけなのかって感じも無きにしもあらずな、
楽しい時間を過ごしていた。
旧隣町の某団体は、僕達の生ビール販売の代わりに、
この「おばけ屋敷」をしていたわけだ。
最初は、陣中見舞いをして帰るつもりで参加したが、
いっしょに行ったヤツの
「手伝います!」
の一言で、最後まで付き合う事になった。
すべてが手作りな「おばけ屋敷」
市販のゴム製モンスターマスクをかぶり、真っ黒のポンチョを被って
スタンバイOK!
最初に配置されたのは、お手製のマジックミラーから浮かび上がるおばけの役。
懐中電灯を手に持ち、自分の顔を下から照らす。
鏡に無気味な顔がぁぁぁ!
「きゃーぁぁぁぁぁ!!!!!」
とは、ならない。
なんせ“手作り”なマジックミラー。
スタンバイしてても、鏡に近づかない事には、向こう側が見えない。
必然的に鏡の前に立った人からは、すでに僕の顔が見えているようだ。
「おい、なんかおるぞぉ!」
中学生のクソガキが、携帯を構える。
懐中電灯のスイッチを“ポチッ”と押した瞬間、
“カシャッ!”
記念撮影終了。
クソガキたちの笑い声の中、次々とポーズを変える僕。
その度にシャッターを押すクソガキ。これはこれで結構楽しい。
30分の休憩の後、2回目の配置場所は、入ってすぐの最初のおばけ役。
今度のマスクは、なぜか片目しか視界がない。
見づらい。そして“小さい”
汗びっしょりの上、呼吸もままならない。
しかし、今回は結構驚いてくれる。
女の子の団体は、入ってくるときから騒がしい。近づいてくるのがわかる。
“これはチャンス!”とばかり、タイミングを見計らって飛び出す。
「きゃーぁぁぁぁぁ!!!!!」
となるはずだった。
しかし、何故か大爆笑。
拍子抜けした僕は、ここでも得意のダンスを披露して、さらに爆笑を誘う。
(もっと怖がらさないと!)
変な使命感が芽生えて来た時、小さな女の子が、お父さんに抱かれて
目の前を通った。
「がぉぉぉぉぉ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大号泣!
お父さんは笑っていたが、ちょっと反省。
すべてが終わった時、僕の天パーは風呂上がりのように、チリチリになっていた。