おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

正直者

2006年08月17日 | スポーツ
セットポジションから第三球を投げ・・・そして赤星スタート!

実況アナ「投球はボール、そしてキャッチャーが二塁へ送球!判定は・・・セーフ!」
解説  「いいスタートでしたね」
実況アナ「これで30盗塁達成です!あっ!ショートが何やら抗議を・・・
     うぅん?赤星も何か言ってますね。」

アナ「これはなんでしょう?」
解説「タッチの方が早かったと言ってるんでしょ、赤星は何の抗議ですかね?」

テレビを見ていた僕も何が起こったのか分からない。ただ、必死に抗議しているのは
むしろ赤星の方だった。興奮した真っ赤な顔が画面に大写しになっている。

アナ「おぉっと!赤星、ヘルメットを叩きつけた!」
解説「タッチの方が早かったと言ってるんじゃないですか?」

我が耳を疑った。アウトの判定ではなくセーフの判定に抗議をしている。
状況が分からないまま画面を見ていると、今のプレーのスローVTRが流れた。

アナ「どうですか?微妙な感じではありますが・・・」
解説「そうですね、タッチの方が早いようにも見えますね。」

確かにスローで見ると、赤星の足が二塁に着く寸前で、遊撃手のグローブが
赤星の腰に触れているように見える。そして赤星が塁審を突き飛ばした瞬間、
ベンチから首脳陣が飛び出してきた。

興奮状態の赤星は、なおも塁審に詰め寄る。
コーチ陣の制止を振り切り、何度も塁審に手を出した。

「退場!」

赤星に突き飛ばされた塁審が右手を上げる。

なおも詰め寄る赤星。大人しい赤星がここまで必死になるのは初めて見た。

解説「いや~素晴らしいですね。これでこそスポーツマンですよ!」
アナ「そうですね、夏休みでお子さんもたくさん見ていますから。」
解説「審判に暴力を振う事は良く無い事ですが、正直に申告することは
   素晴らしいですよ!」

優勝争いの真只中で、僕にはどうしても理解出来なかったが、
アウトをセーフと“誤審”された事に我慢が出来なかったようだ。
徐々に、赤星の誠実さに“阪神ファンでよかった”という誇らしい感情が湧いてきた。


もちろん、「作り話」だ。
今日ラジオを聴いていると、先日の横浜戦での“誤審”をいまだ取り上げている
パーソナリティーがいた。

まさに、「先日の誤審をいまだに取り上げている状態」であった。

問題なのは“誤審”をした審判であって、決して横浜の打者ではない。
それを、怒りの矛先を打者に向けるのはいかがなものか?

あれがもし「阪神の打者」だったら、阪神ファンはどういうのだろうか?

残酷に言えば“誤審”とはそういうものだ。
不利になる側があれば、有利になるチームもある。
それを「間違っている」と有利が不利に変わる事は言わないだろ?

むかし、「珍プレー好プレー」で、ストライクだと自己判定して返りかけた
バッターが「ボール」の判定に、あわててバッターボックスに戻ったシーンが
流れていた。バッターは駒田だったか?

もちろん、“誤審”は許せるモノではない。優勝争いが関係していたり、
個人の成績がかかっている場面では、雲泥の差が生じる。

ただ、見ている方は、もう少しだけ「大らかさ」があってもいいんじゃなかろうか?
ニュアンスは違うが、「珍プレー」に取り上げる程の度量が欲しい。

うぅ~ん、ちょっと強引な小数意見だとは思うが・・・







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする