常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

白萩

2021年09月27日 | 日記
寒い日の次は30℃近い蒸し暑さ。この秋は、気温の変化が大きい。高山では、秋が深まり紅葉の話題もしきりに聞こえてくる。富士山の初冠雪もきのう 報じられた。そう言えば太宰治の『富嶽百景』の甲州御坂峠から見た富士の雪景色のシーンが印象的だ。

 「お客さん!起きて見よ!」かん高い声である朝、茶店の外で、娘さんが
 絶叫したので、私はしぶしぶ起きて、廊下へ出て見た。娘さんは興奮して
 顔をまっかにしていた。だまって空を指さした。見ると雪。はっと思った。
 富士に雪が降ったのだ。山頂がまっしろに、光りかがやいていた。御坂の
 富士もばかにできないぞと思った。

寒暖をくり返しながら秋は深まっていく。ひともとの白萩が咲いた。紅い萩が咲き競っているなかで、白萩は珍しい。その上ひときは気品に富んでいる。ふと山の初冠雪を連想した。

白萩の波に紅さす一枝あり 永井東門居
コメント
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