昨日、満月がきれいだった。今まで見たなかで一番のような気がする。こんな月をこれからあと何度見られるかと思い、台所にいた妻に「月がきれいだ」と声をかけた。あまりのきれいだったので、友だちに電話していた。先方からも電話が来て、ひとしきり月の話題で盛り上がった。カメラを向けたが、あまりの煌々さに、いい写真にならなかった。一夜あけて、朝の7時ころ夕べの月がまだ西の空に残っている。今度は朝焼けに、山の端の月が写真に収まった。
昨日の月の出入り時間を調べると、月の出16時16分、入りは翌日の8時3分となっていた。こんなに月に関心が強まったのは、年を重ねたせいかも知れない。見る景色は月にかぎらず美しく見えるし、食べものも新しい発見のようにおいしい。この季節、太陽が地平線に近く日没が早いため、月の出が遅く、入りが遅くなる傾向にあるらしい。それにしても、夕刻に見た月が、朝の7時になっても沈まないのを見るのは人生初めての経験だ。先人が月を愛でた心が、この年になってやっと理解できたような気がした。