常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

中原中也

2024年12月09日 | 日記
時雨の日々、時々雪が舞う。ブックオフで『中原中也詩集』を買った。詩集の詩は読み通すのではなく、開いたページの気になる詩を胸に刻むように読んでいる。中也は明治40年に生まれ、昭和12年に死んだ。わずか30年の生涯である。詩集の大部分を占めるのは、「在りし日の歌」である。扉に「亡き児文也の霊に捧ぐ」とある。記録を見れば、中也は30年の生涯で二人の兄弟とも死別している。「在りし日の歌」は中也の死の翌13年に出版された。詩集に死のイメージがつきまとうのは致し方がないことかも知れぬ。冒頭の詩一行に続く詩句を書いてみる。

老いたる者をして静謐の裡にあらしめよ
そは彼等こころゆくまで悔いんためなり

吾は悔いんことを欲す
こころゆくまで悔ゆるは洵に魂を休むればなり

この短い30年の生涯で、中也の心は疲れ、休息を求めていた。思いっきり泣きたかった。泣くことで、心に訪れる静謐を待ちこがれていたとも言える。詩集のページの隣には「冷たい夜」というのもある。

冬の夜に
私の心が悲しんでゐる
悲しんでゐる、わけもなく・・・
心は錆びて、紫色をしてゐる。

昭和12年9月24日、「在りし日の歌」の原稿の清書を終え、小林秀雄に託す。10月6日鎌倉養生院に入院。入院時には、脳腫瘍の疑いが持たれる。10月22日永眠。病名は結核性脳膜炎とされている。

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