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黄梅は関東で啓蟄ころに咲く花。昨日咲いているのを見かけたのは、春がこちらにも例年の関東並に来ているいうことだろうか。中国では迎春花と呼ばれ、いずれにしても早春の花である。ここ数日の高温で、戸外は少し歩けば花に出会える。
七十三年の生甲斐ありて三〇一五米立山山頂に立つは冥加ぞ 哀草果
農民歌人であった結城哀草果には、登山歌人というもうひとつの顔を持っている。この歌の肝は冥加という仏語である。達成感とか、すばらしい景観とか、登山者が頂上で感じる境地を越えて、煩悩を離れて、仏の加護のなかにいる自己を詠んでいる。昨年、私は一の越山荘から雄山までの急坂を強風のなか登った。78歳である。山頂手前の神社で、神主のお祓いを受け、頂上に立つと急に風が収まってきた。
その奇跡的な天候の急変を仏の加護というべきか。信仰心のない私にはわからない。神主さんの打つ太鼓に、自然の猛威が封じ込まれたような気がした。
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