常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

グーグルキープ

2023年09月17日 | 日記
9月というのに、暑い日が続いている。それでも、それでも散歩道には、萩、コスモス、シュウメイギクなど秋の花が咲いている。涼しい風が吹くわけではないが、朝夕に涼しいなかで、やはり季節の花は咲く。叢のなかからは、コウロギの清らかな鳴き声が聞こえている。この暑さ、お彼岸の中日あたりはなんとかおさまってくれそうだ。

家の時間が長くなったので、スマホのツールの使いこなしに時間をさいている。メモ機能に使うグーグルキープが便利だ。紙を持たずに、素早くメモができる。付箋紙にメモを書いて、張り付けておくような感覚だ。聞いた電話番号、バスの発車時間、買い物リスト。暮らしの場面で、キーボードで、音声で、カメラなど色んな手段でメモを残せる。山で見かけた花の名、鳥の声、季節を知らせる気象現象など。初めて聞く言葉、初対面の人の名、おいしい食べ物やお店の名。うっかり聞いて忘れてしまうことをスマホのメモに残せば、行動の範囲が広がっていく。

メモ機能のアプリはもう一つ、マイクロソフト365のメモもある。こちらは、テレビで得た知識、本で読んだ役に立つ記事、毎日起きるできごと、ニュースなど書きとめて、自分の感じた印象を合わせて書きとめておく。自分の心に刺さった語彙は、便利なグーグルキープに書きとめる。グーグルキープとマイクロソフトのメモは、書く内容を分けて使い分ける。そこから見えてくるものは、一日の自分の生活の質である。どうすれば、それを高めていくことができるか。そこから生きがいが見えてくる。残り少ない時間を有効に使う手段が見えてくる。
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月天心

2023年09月14日 | 日記
長谷川櫂の『日めくり四季のうた』の今日の俳句は
 
 月天心家のなかまで真葛原 河原枇杷男

である。一番たかいところまで上がった満月。野原の一軒家には、伸びきった葛の蔓が家のなかまで入り込んで花を咲かせる。うち捨てられた廃屋が、荒れ果てて、住む人のない凄惨さを月が照らし出している。能舞台では、こんな廃屋で3年も帰らぬ夫を待ちわびる哀れな妻の話も演じられる。

月天心。本来、冬の月が空の真ん中にある状態を示している。俳句では秋の季語として扱われる。明月が空の中央で、煌々と輝き、廃屋と対比されたときその景色はいっそうの侘しさをかもしだす。真夏日が80日も続いて、地球の明日が読めない不安の日々。月天心の景色が、その侘しさをさらに深いものにする。
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言語化

2023年09月12日 | 日記
残暑は厳しいが、空には秋らしい雲が顔を見せている。秋の訪れはは、ひ孫の成長も気にかかる。歩くことを覚え、今は言葉を身につけることに余念がない。「ママ」を覚え、「パパ」をママが教えている。パパ、という破裂音は、保育園の遊び道具を連想するらしく、ママの「パパ」という言葉への反応は手に持ったスプーンで、食器を叩くことから始まる。5回ほどパパと、ママが言い続けると、初めて口で「パパ」とはっきり発音する。ほめられて「できた」という言葉は獲得済みである。

高齢のなると、テレビで初めて聞く言葉たくさん出てくる。フォーカッチャ、ホーキンソン、新しい学校のリーダーズ。パンやスポーツ選手の名、音楽グループの名など、聞きなれない言葉をそのままにしておくと、社会で活動している人との会話さへ成り立たなくなる。意味を調べ、メモにして言語化しておくことはコミュケーションの手段として、欠かすことのできない作業だ。高齢者が、医院に医師と話すことができないケースがあるらしい。漠然と「苦しい」と訴える高齢者が、医師に「人前に出ると特に苦しくなる」という言葉を使えば、患者の訴えが医師にはっきりと伝わる。こうしてはじめて、苦しさへの対処法を医師と一緒に考えることができる。

王様のの耳はロバの耳、という童話がある。王様はそのことを絶対の秘密にしていた。それを知っているのは、お抱えの理髪師のみ。この秘密を抱えて、じっと自分だけの胸にしまっておくことは、理髪師にはしだいにストレスになる。だんだんそのことを話したくなって、理髪師がとった行動。だれもいない時を見計らって、深い井戸に向かって、大きな声で「王様の耳はロバの耳」と叫んだ。その声は、井戸を伝って、街中に広がることになった。話すという行動は、それだけでストレスの解消になる。言語化は、聞く人とのコミュニケーションの手段になる。共通の理解ができ、共通の目標ができる。協力して目的のために行動することも可能になる。言語化という言葉が日常生活だけでなく、ビジネス活動でも重視される理由である。
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みなかみ紀行

2023年09月09日 | 登山
この日、新潟の八海山の登山口を見てから、関越トンネルを通って、谷川岳登山の基地湯檜曾温泉湯の陣ホテルへ。ここはみなかみ温泉郷の一部になっている。みなかみ紀行とみなかみ温泉。歌人若山牧水の名随筆「みなかみ紀行」は信州の小諸を皮切りに、軽井沢から嬬恋、草津温泉。花敷温泉から水上の法師温泉、清水越えの湯檜曽にも触れる紀行文だ。酒を愛し、温泉で酒を酌みかわし、地元の歌人が集まって歌会も開かれる。奇しくも今度の山の旅は、牧水の足跡と重なっている。そもそも、みなかみという町の名は、この随筆からとって名付けられたもの、語るブログもある。

みなかみ、水上。長い徒歩で山中の温泉を訪ねる目的は、牧水が片品川や利根川の、流れの源流を求める旅であった。沼田の近くの森の菅沼の近くで、草むらにむくむくと吹き出す水を見た。牧水は、案内の老人から、この水が菅沼や丸沼、大尻沼の源になっているという説明に小躍りして喜んだ。「それらの沼の水源であれば、とりも直さず片品川、大利根川の一つの水源でもあらねばならぬのだ。」牧水は、こう書いて結論づけている。

登り来しこの山あひに沼ありて
 美しきかも鴨の鳥浮くけり 牧水

8日になって夜明けに外を見ると、予報通りの雨になっている。雨の中を、谷川岳の山に登ることはかなわない。予定を変更して、新潟の弥彦山へ。車中で降り続いていた雨も、弥彦神社近くなって止んできた。ロープウェイで山頂の神社へ。ここから日本海の沖に、佐渡が横たわっている。30分ほど階段や山道をあるいて奥の院へ。弥彦神社の参拝者は100万人に及ぶという。近隣の人たちばかりでなく、全国から家内繁盛、安全を求める人たちで賑わいを見せる。今年の山行で、初めて予定を変更された。太平洋の南で、次々と発生する台風のためだ。それにしても、長く続く猛暑日や雨不足は、この雨で一息つける。穀倉地帯、新潟の田も、雨をうけて秋の風景をうるおい深くしている。
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夕べの雲

2023年09月04日 | 日記
空に雲が多くなった。真夏の青空がいつまでも続いて、猛暑日が終りなく続くと、空に雲が出てほっとする。幾分気温が下がり、吹く風に秋を感じる。夏の暑さに萎れていた身体に、生気がよみがえってきたような気がする。大気の状態が大きく変わり、秋雨前線が秋の雨を降らし始めた。夕べの雲は茜色に染まり、夏の終りの夕焼けになった。

夕焼けて遠山雲の意にそへり 飯田龍太

グーグルの検索に、サーチLabsという新しい試みが始まった。新しい検索の試験版で、グーグルアカウント所持者に提供されている。検索の言葉を入力すると、生成AIが質問へ答えるように、懇切な回答が表示され、加えて検索のサイトがいくつも表示される。検索で、便利な回答を得る時代が終わりつつある。問題解決に、どんな問いかけをしていくか。そうした力をAIの技術を借りながら、新しい生き方を求めていく時代だ。

アベマテレビのニュースバーを見た。慶大の宮田教授が登場。ブラックジャック展や大阪万博に参画している立場から、AIと医療、皆が参画して作る未来など熱い議論が興味深かった。それにしても、AIの進化のスピードは素晴らしい。これほど、色んなメディアにAIが取り上げられるのは、人生初めての経験である。未来に絶望を見るか、テクノロジーが危機を救うか。おそらくこの目で確かめることは、この老人には無理であろう。だが、希望を持ちながら、この世を去っていくことを願わずにはいられない。
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