5時に起きて空を見上げると、朝焼けの雲の上に有明の月が出ていた。31日が満月、翌1日は十六夜の月、そして今日は立待の月ということになる。なぜこうも月の名は色々あるのか。地球の周りをまわる月は、地球の自転のために、日によって軌道を変え、月の出の時間もめまぐるしく変わるからだ。満月の日は午後の6時40分ころすっとのぼり、この月はスーパームーンと言って、地球に近い軌道のため大きい。翌日の7月1日十六夜(いざよい)で、月はためらうように7時近くに登ってくる。月の入りも遅く、朝日が昇るのを待つように沈んでいく。今夜の月の出はさらに遅く、午後の7時30分だ。
月の名をいざよひと呼びなほ白し 竹下しづの女
月に一度新月という現象が起きる。太陽と月が同じ方角で地球の間に入るため、月に当たる太陽光が見えない。光が尽きるという意味で月と呼ばれた説がある。昔、詩吟の愛好家が集う掲示板に、新月、十六夜というハンドルネームで参加していた人たちがいた。お二人は、パソコンに練達していて、私が書いた「漢詩おりおり」というページに拙文をアップして下さった。その後、お二人はどんな人生を歩んでおられるか、知るよしもない。
その昔、電灯など夜を照らす光の無い時間、月は人びとの夜の生活の同伴者でもあった。毎日満ち欠けをくり返しながら、日の経つのを教え、秋の名月には自然から得られる食べ物を供え、月明かりに感謝をささげた。月の名を列記してみる。
「新月(しんげつ)」、「繊月(せんげつ)」、「三日月(みかづき)」、「上弦の月(じょうげんのつき)」、「十日夜の月(とおかんやのつき)」、「十三夜月(じゅうさんやづき)」、「小望月(こもちづき)」、「満月(まんげつ)」