今年、2月10日は、新月で、旧暦の1月1日に当たります。「今日が、昔のお正月…」ミモロは、お友達に作ってもらった新しいジーンズを履いて、近所の「平安神宮」に、お詣りにゆくことに。

「新しい年だから、新しいお洋服下ろそう…紀元節に神社に参拝するといいんだってよー」と、またどこからか仕入れた情報のよう。
ともかく、天気のいい1日。青い空のもと、「平安神宮」の朱塗りの建物もいっそう鮮やかに見えます。

11日は、建国記念の日。この日は、昔、紀元節と呼ばれた日です。
紀元節は、ある説によると、神武天皇が即位された日で、日本の国の始まりと言われます。
そもそも神武天皇は、「日本書紀」によると、当時の1月1日に御即位されたとか。
明治5年、明治政府は、西洋諸国とカレンダーを統一するために、明治5年12月2日をもって、旧暦から、今、私たちが使うカレンダーへと切り替えることに。
すると、旧暦での1月1日は、新しいカレンダーの1月29日になりました。そこで、紀元節を、その日に設定したのですが、ここでちょっと問題が発生。突然、カレンダーの日にちが変わったので、国民は、その日を、旧暦のお正月を祝う日と思ってしまい、紀元節という意味合いが薄れてしまったのです。
天皇を中心とした国家形成を目指す、明治政府としては、これではまずいと…。しかも、翌日の新暦1月30日の孝明天皇の命日に近いということもあり、急遽、翌年から変更することに。(「平安神宮」では、1月30日に孝明天皇祭が行われます)
そこで、明治政府の文部省天文局が、「日本書紀」による神武天皇の即位日を算出しなおし、即位日と考えられる西暦紀元前660年の1月1日は、新暦の2月11日になる、としたことで、それ以来、2月11日が紀元節になり、祝日に設定されたとか。
「うー複雑…」と、「平安神宮」に参拝するミモロは、頭を抱えます。

戦前まで、全国で、紀元節の式典が行われていたそうですが、戦後廃止され、昭和41年に佐藤栄作内閣により、「建国をしのび、国を愛する心を養う」日という「建国記念の日」の祝日として復活します。
「日本の国ができて、ありがとう…。これからも、みんなが幸せを感じられる国でありますように…」と、京都の都を作られた桓武天皇と、明治からの近代国家をスタートさせた孝明天皇のご祭神に参拝します。
「ねえ、突然、カレンダーの日にちが変わったら、きっとみんな戸惑うようねー。第一、明治5年の12月3日から31日のお誕生日の人は、どうしたんだろ?突然、お誕生日が消えちゃって、プレゼントももらえない…。まぁ1歳若くていられるのかな…。あ、クリスマスもない…」と、ミモロは、今の暮らしに置き換えて、当時をイメージしているようです。でも、きっとすごく大変だったのでは…と、想像できます。

「あ、右近の橘…」境内にある橘は、まだ冬囲いの中。小さな実は、とても酸っぱくて、鳥も食べないそう。

「でも、桜の蕾ができてるよー」と、生まれ始めた蕾をいとおしそうを見つめます。寒くても、やはり春はちかづているのです。
「平安神宮」を出て、疎水沿いにお散歩すると、「あれ、建物なくなっちゃたー」

かつての「京都会館」の建物のホール部分は、すっかり消えていました。
「ここに大きくて、りっぱなホールができるんでしょ?」と、まだまだ先の完成を楽しみにするミモロです。
