ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

寺社建築の専門家と共に、神社建築として最古の遺構、国宝「宇治上神社」の本殿などを拝見。

2023-11-12 | 寺社仏閣

秋のはじめの頃、ミモロは、宇治にある「宇治上神社」を訪れました。


ここを訪れたのは、いろいろな文化講座を行う浅野令子さんが主宰する「Asofia Salon」に参加したのです。

今回のテーマは、全国の社寺建築の修復などを手掛ける宮大工の工房「匠弘堂」の横川総一郎さんの案内で廻る宇治。

お茶の老舗「通園」に集合し、ご当主のお話を伺い、お茶と茶ダンゴを頂き、さらにそこで横川さんのお話を伺いました。

資料を前に、これから訪れる「宇治上神社」と「平等院」の見どころを抑えます。

訪れた「宇治上神社」は、宇治川のそばにある神社です。
「ここ秋が深まると、紅葉で見事だろうねぇ~」と想像しながら、参道を進みました。


そもそも「宇治上神社」の創建には、仁徳天皇の弟である「菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)」が深く関わっていることを知ったミモロです。

父君である応神天皇は、幼い頃から聡明だった末の皇子、菟道稚郎子を皇太子にされました。応神天皇の崩御の後、菟道稚郎子は、兄である、後の仁徳天皇に位を譲り、宇治川の畔に建てた離宮に籠られてしまいます。「先帝が決めたことに従うべき…」という兄。兄弟で位を譲り合うこと3年。民は惑い、世の乱れが起こります。それを憂いた菟道稚郎子は、「自分が生きていては世が乱れるばかり…」と、自ら命を絶ち、兄に譲位します。

このことをたいそう悲しんだ兄(後の仁徳天皇)は、弟を手厚く葬られ、これが「宇治上神社」の創建の言われと伝えられています。

「へぁ~そういうお話があったんだ~」とミモロ。さらに「宇治」という地名は、大昔は、「菟道」(うさぎの道)と書いて「うじ」と呼んでいたのだそう。
「え~宇治って、うさぎの道だったんだ~」とこれにも驚くミモロです。

みなさんご存じでしたか?

さぁ、神社の境内を進みます。ご案内は、社寺建築を手掛ける宮大工の工房の横川総一郎さん。

寺社建築の見どころや魅力を、実際の場所で解説してくださいました。

「宇治上神社」の本殿は、神社建築として最古と言われ、拝殿と共に国宝です。
「でも、平安時代と鎌倉時代の造営でしょ?なんかあんまり古い感じしないけど…伊勢神宮や三輪大社の方が歴史的に古そうな気がするけど…」と思うミモロです。

確かに「法隆寺」は、日本最古の木造建築で、7世紀と言われます。
でも、神社というのは、伊勢神宮などをみても、20年に1度、新しい社殿に建て替える「式年遷宮」が行われ、その技を後世に伝えてきたのです。そのため古い社殿は、残りません。また、三輪大社などは、ご神体が山なので、拝殿などは、後にできたもの。またたとえ、古いものがあっても、火災などで焼失したこともあったでしょう。ですから、あまり古い建築は、寺院建築に比べ、現存していないのです。
「ここって、貴重なんだね~」とミモロ。

最初は、「拝殿」を見てみましょう。

健保3年(1215)ごろの建築を年輪年代測定法で測定され、国宝になっている建物です。

「この建物の特徴は、まずは屋根。切妻屋根と庇屋根の接続部分が軒先で折れ曲がっています。これを『縋破風(すがるはふ)』といいます」と横川さん。

「なんでこんな形になってるんですか?」とミモロ。
「それはね~建物を増築したからです」と横川さん。
「なるほど~元の建物の屋根に、新に軒を延長させたから、こういう形ができたんだ~」と納得のミモロ。
「これを作る宮大工さんの技術はすごいですよ!」と横川さん。

また、見どころとしては、縁の下が地面まで漆喰の壁で塗られていること。

「これも非常に珍しいですね~。普通は、縁の下には壁はありませんから…」と。

そして、次は、本殿へ。

平安時代の後期、康平3年(1060)の建物で、国宝。
横に長い、真っすぐな感じの屋根です。

「中を覗いてください~」と言われ、格子の間から中を見るミモロ。

「あれ~なんか広いね~それに3つ社がある~」と。

そう中には、左殿に「菟道稚郎子」、中殿に「応神天皇」右殿に「仁徳天皇」の親子がご祭事として祀られています。
それぞれの社をすっぽりと包み込んだ建物が、本殿なのです。
3つの内殿の建物と外側になる覆屋は、構造的に一体化しています。

「なんでこんな形にしたのかな?」とミモロ。
「う~それは不明ですけど…ともかく、なかなか興味深い建物ですね~」と横川さん。
「まぁ、親子で仲良く過ごせていいかも…ほどほどの距離感もあって、プライバシーも保たれるし…」とミモロ。

ご祭神を複数合祀されている神社は多くありますが、このスタイルは珍しいもの。

以前にも、「宇治上神社」には訪れたことがあるミモロですが、横川さんの説明で、初めて知ったことばかり。
「前は、ただ参拝してただけ~」と。建築の専門家とご一緒だと、見方が深まります。

境内には、他に、重要文化財の「春日神社」、

「宇治七名水」で唯一現存する「桐原水」、

樹齢300年以上のご神木のケヤキなど、
見どころが。

「あ、うさぎのおみくじやお守りがある~可愛い~」

参拝者に人気の授与品です。

「では、これから平等院へ移動します~」と。
ミモロ達は、宇治川を渡り、対岸の「平等院」へと進みます。


*「宇治上神社」の詳しい情報はホームページで

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