和紙の老舗「紙司 柿本」の隣りには、茶の文字を白く染め抜いた大きな暖簾が揺れる、古い佇まいの店があります。
ここは、約290年前に創業したお茶の専門店「一保堂」(いっぽどう)。京都の茶道の家元にもお品を納める老舗です。
店の棚には、大きな茶壷が、下には、古い茶箱が並んでんでいます。
「ああ、お茶のいい香り」鼻をピクピクさせるミモロです。「どれにしようなかぁ。迷っちゃう」。煎茶、番茶、玉露などの種類のほかに、値段によって品もいろいろあるんです。
ミモロが悩んでいると、「これどうぞ・・・」とお店のスタッフが、煎れたてのお煎茶を出してくれました。しかも、ミモロのお茶碗は、他の人に出されるものとは違って、かなり小さな器です。「ミモロのために、煎れてくれたんだ」と大感激。そんな心遣いが、とても嬉しく、さすがユーモアのある素敵なおもてなしです。
「あー美味しい。この円やかな味わいがたまらない・・・・。でもお茶を美味しく煎れるのって、むずかしい・・・」とミモロ。確かに、同じ茶葉でも煎れ方ひとつで、味は大きく違います。あなたは、上手に煎れられますか?
「美味しいお茶の煎れ方もお教えしますよ」とお店の方。店の一角にある喫茶室では、自分の好みの茶葉を選び、美味しく煎れられるよう教えてくれるそう。「和菓子も自分で煎れたお茶といっしょに食べられるんだって・・・・」、興味津々のミモロ。まだ先を急がなくていけないので、またね。
旅のポイント:「一保堂」では、毎月お茶の上手な煎れ方が学べる教室が開催されます。詳細は、ホームぺージで。京都では、ほかにも公開講座や体験教室などが盛んです。旅の予定にあらかじめ組み入れておくと、いっそう京都を実感できる旅になりますよ。
ミモロは、先程、味わったお煎茶の袋詰を買って、店を出ます。
美味しいお茶だった!
寺町通でも、この辺りは、両側に舗道があり、ゆったりとお店が見て回れます。ミモロは、通りの両側を行ったり来たり。ジグザグに進みます。
「近くにケーキのお店があるはず!」ミモロの足取りが急に速くなりました。
ケーキショップの「シェ・ラ・メール」は、お菓子教室もやっている評判のお店。
店内には、甘いケーキの匂いが漂い、ミモロの食欲をそそります。
ケースに並ぶ、色とりどりのケーキをひとつひとつ見るミモロ。「やっぱりフルーツがたっぷり入ったロールケーキにしよう」。ミモロが選んだのは、このお店で人気のケーキのひとつ。甘酸っぱいフルーツとほんのり甘いクリームを、ふわふわのケーキ生地で包んだ、フルーツたっぷりのロールケーキです。
ケーキと紅茶でひと休みしたミモロは、やっと京都御苑に到着。
丸太町通を渡り、堺町御門から、京都御苑に入ります。
「広ーい!」。京都の風物詩の葵祭と時代祭の行列が進む建礼門前大通りは、遠く北山まで、見渡せる広い道に、ミモロの声もつい大きく。
旅のポイント:京都御苑は、周囲4キロの広大な敷地にあり、一度入ると、どこかの門まで歩かないと出られません。門の数が少ないので、結構歩く覚悟を。(車を見ることがありますが、環境庁か宮内庁の関係車両なので、いくら手をあげても、絶対乗せてくれません!)もちろんハイヒールなど行くと、ヒールの部分が砂利でボロボロになります。ご注意を。
「ここは歩きにくいから、林の中に行こう!」と、砂利が敷かれた道を避け、ミモロは、木々が茂る林の中へ。さすがミモロ馴れてますね。
「ここにいると、ほっとする」、きっととてもいい気が流れているのでしょう。ミモロは、木に寄りかかって、野鳥のさえずりや風の音に耳を澄ませます。
京都御苑は、市内の中心部にある自然の宝庫。京都御所の特別公開の時期以外は、観光客もほとんど来ない散策の穴場です。
旅のポイント:散策するなら、ぜひ早朝に。中には、24時間は入れますので、空気が澄んだ朝の気持ちよさは格別!パワーみなぎる感じです。京都御所には、公開日や見学申し込み申請をしないと入れないので、他の日に見られるのは、御所の塀と門だけ。東側には、名水で知られる梨木神社がありますが、ミモロが歩いたコースからは、かなり距離があります。
しばらくして、あれ?ミモロがいない・・・・。
「ここ、ここ」大きな木の上から聞こえるミモロの声。さすがネコ、木登りは得意です。
旅のポイント:京都御苑の魅力は、自然に尽きます。春は、苑内の随所で桜が咲き、秋は、大イチョウをはじめ、楓、桜などの見事な紅葉が楽しめます。お弁当を持って、ピクニック気分で行くのもおすすめ。
京都御所の西にある宜秋門(ぎしゅうもん)を見てから、中立売御門(なかたちゅうりごもん)から、烏丸通に出たミモロです。
「もう歩くのイヤ。タクシーに乗りたい!」と御苑の広さにさすがのミモロを疲れ気味。 お昼を食べに、上七軒へと向うことに。
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