京都の八坂神社の前から、三条通方向へ、東大路を進むと、道沿いに、なにやら不思議な建物があります。
古い木造の建物の周りには、いろいろな古びた品が置かれ、とても目立ち家です。ミモロも、その前を通るたびに「なんのお家だろ?変なお家…」と、思い続けていました。
ある日、その前を通りかかり、窓から中を覗くと…。
そこには、ブリキのおもちゃ、ぬりえ、お人形などが並んでいます。「あの女の人誰?」ミモロが、指さすレコードには、なんと昭和40年代に一世を風靡した人気アイドル「天地真理」、通称「マリチャン」の写真が…。
そしてお店の前には、佐藤製薬のマスコット、オレンジ色の象の「サトチャン」がいるではありませんか。
ウィンドーの中を見て、「わー懐かしい…スゴーイ」と興奮する私を見て、「え?なんなの?」と首を傾げるミモロ。
本日は、カゲの声が私が、ミモロに代わり、中心にお話を進めます。だって、ミモロが生まれてない時代ですから…
「そんなに興奮するなら、中に入ってみようよー」と、ミモロは、トコトコと中へ。「こんにちはー」
はっきり言って、狭い店内…というより、物がたくさんありすぎて、明確に店の広さがわかりません。物にうずもれるような状態の中から、「いらっしゃいー」と迎えてくださったのは、店主の鈴木幹哉さん。ここは、「鈴木古道具店」という京都では、かなり有名な昭和レトロの品々を扱うお店です。
二人以上人が入ったら、身動きがむずかしいほど、物があふれた店内。
「スゴーイ、いろんな品がいっぱい…あ、カワイイ自動車がある…」ミモロは、おもちゃに夢中です。
ここに置かれた品々は、昭和生まれの者にとっては、目を輝かせ見入る、懐かしいものばかり。
「平凡パンチ」という今や伝説的な男性向けファッション誌をはじめ、グループサウンズが表紙を飾る「週刊平凡」。「少女フレンド」「マーガレット」という昭和の少女たちを夢中にさせた少女マンガ雑誌など、昭和30年から40年代の文化を物語る雑誌が多数揃っています。
「ここにある品は、自分の趣味で集めたものばかり…。店を始めたのは10年ほど前から…」という鈴木さん。まさに鈴木さんが長年集めたコレクションアイテムのお店なのです。
「いろいろあっておもちゃ箱みたい」
「この人たち知ってるーどこかで見たことあるー」とミモロがいうのは、
国民的アイドルの「ピンクレディー」の写真がのったアイテム。
鈴木さんのコレクションの中でも、特に心惹かれたのは、中原淳一の「それいゆ」などの雑誌です。
戦前、戦後の物がない時代、そしておしゃれ心が失われた時代に、パリのエスプリと日本の心を少女たちに伝え続けたデザイナーであり、エッセイストの中原淳一。そのデザインやエッセイには、女性たちが美しく生きるための、時代を越えた普遍の美意識が表現されています。
「中原淳一の本は、男性にも人気が高いんですよ」と鈴木さん。美しい日本語を話し、年長者を敬い、キチンとした身だしなみをする少女たちに、憧れているのかもしれません。
さて、他にも、「キイチのぬり絵」や、おもちゃなど昔の子供たちが夢中になった物も多数。
「いろんなものがあるんだねぇー」その時代を知らなミモロも、夢中になっています。
これから何十年か後、平成の少女や少年たちの文化を物語る品を並べるとしたら、一体何が残るのでしょう。そこには、古くなったゲーム機と携帯電話やパソコンが置かれるのかも…。
今、このお店が注目を集めているのは、1964年の「東京オリンピック」当時のものだとか。
「昭和って面白い時代だったんだねー」とミモロ。
そう…みんなが、熱狂するものが、たくさんあった時代です。
ワー南沙織のレコード「17歳」だってー懐かしい…
昭和生まれの人なら、必ず手にしたり、見たことがある品々が見つかる「鈴木古道具店」。
京都に来たら、ぜひ立ち寄って見てはいかがでしょう。
少年少女の気持ちに戻れる場所かもしれません。
*「鈴木古道具店」京都市東山区東大路通三条下ル西側 075-525-5055 営業時間:昼ごろから夕方 不定休
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たまに私もフラッと入る。
ほんま、不思議なお店・・・と、いつも思う。
めちゃくちゃ懐かしいです。自分の子供時代のものって手元には残ってないから 凄いと思いました。タイムスリップですね。
めちゃくちゃ懐かしいです。自分の子供時代のものって手元には残ってないから 凄いと思いました。タイムスリップですね。
ここの物を見ていると、なるほどって思います。
子供の頃のものって、意外に簡単に捨てちゃうんだよね。だって、今は、ものを捨ててきれいにしましょ!って本が流行ってるでしょ。でも、捨てないこともいいことかも・・・