宇治駅そばにある「京都宇治茶房 山本甚次郎」は、創業100年を超す茶生産者です。
昔ながらの面影を留める店構え。
「ごめんくださ~い」とミモロは、閉まっている店に声を掛けます。
この日は、お休み。でもミモロのために、特別にお抹茶をお御馳走してくださるという6代目店主の山本さんにご好意に甘え、お店に向かったミモロです。
「はい、どうぞ~最近、お茶をお店でお出ししていなんで、まぁそこらへんに座って~」と。
さっそく、お湯が用意され、お抹茶を準備してくださいました。
興味津々で、手元を見つめるミモロ。
「そんなに見つめないで~。これはお茶のお点前とは違うんですよ。まぁ、お茶を作る人が美味しく飲むための煎れ方かなぁ」
つまり「茶農家のおすすめの抹茶の飲み方」です。
①2グラム(茶杓2杯分)の抹茶を10mlのお水で練る。
「あれ~お水使うんだ~なんかお濃茶みたい~」とミモロ。
「これで、ダマになることを抑え、旨味が増すんですよ」と山本さん。
②そこに熱いお湯50mlを注ぎ、茶筅で点てる。
③最初は底をするように
④後半は、荒い泡を割くように
⑤最後は、のの字を書くように泡を整える
「濃いめのお茶をお湯でほどよいかげんに薄めるって感じ?」とミモロ。「まぁ、そうですね~はい、どうぞ~」
「わ~いい香り~クンクン」
「キャ~甘い感じがする~美味しい~」と、感激するミモロ。
「抹茶は、茶殻も出ないので、片づけも簡単。もちろん茶葉の全部を飲むことになりますから、美味しさも栄養もしっかり摂れるんです」と山本さん。
「そう、最近、お茶の急須持ってる若い人少ないんだって、茶殻捨てるの面倒とかいって…」とミモロ。
「抹茶は、無駄がないんです。お茶碗と茶筅があれば、飲めますよ」と山本さん。
お茶には、ストレスを軽減する効果があるのだそう。コロナで溜まるストレス解消に、抹茶は効果的かもしれません。
「ちょっと心を落ち着けて、お茶頂くのいいかもね~」とミモロ。「そう、お点前など気にしないでいいんですよ~」と。
「さっそくおうちでやってみます~」とミモロ。
「では、抹茶になる前の碾茶も飲みますか?」と山本さん。
「はい、飲む飲む・・・」と即お返事。
蒸した茶葉を揉まず乾燥させた碾茶。これを石臼などで挽くと抹茶になります。
碾茶の煎れ方は、
①碾茶の葉を3グラム~を好みの急須にいれる(急須のサイズで茶葉の量を調整)
②約60度のお湯を40ccほど注ぐ
③約3分おいて出来上がり。
「この待つことが大事なんですよ~。慌てない、慌てない~」
小さなお茶碗に注がれたお茶は、やさしい香り…。「う~円やかなお味~」
「1度しか飲めないんですか?」と、しっかりもののミモロ。
「いいえ、3番茶くらいまでは飲めますね~」と山本さん。
どうも1杯では、足りなかったよう…
碾茶は、水だしにも適していて、500ccのお水に10グラムほど入れ、2時間ほど冷蔵庫で冷やしながら置けば出来上がり。
茶葉を濾していただきます。
「それって、これからの暑い季節にいいかもね~」とミモロ。
「あの~碾茶ください~」とお店で販売されている品をひとつ求めたミモロです。
ここのお茶は、「ほんず栽培」で育った茶葉を、大正時代に建設された工場で、まさに手をかけて丁寧に作られます。
実は、全国の茶葉の産地で、一番生産量が多いのは、静岡県。京都も上位に入りますが、宇治市で生産される茶葉の80%は碾茶用。玉露は、20%で、なんと煎茶はほとんど生産されていません。
「え~宇治の煎茶ってないの?」と首をかしげるミモロ。それは、最終的な加工やブレンドを宇治で行った煎茶なのだそう。
碾茶は、手摘みなので、手間がかかることから、生産量も全体の茶葉の生産量からは少なめで、そのため、それなりのお値段になります。
昔ながらの碾茶づくりの技を大切に守る山本さん。
「もっとお茶飲んでくださいね~。ストレスの軽減にもなりますよ~」とのことでした。
ホームページから購入可能です。「山本甚次郎」のお茶をおうちでどうぞ。
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