ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

「北野天満宮」の名物「長五郎餅」。梅の期間は、毎週末に出店

2018-03-05 | 老舗

梅が見ごろを迎えている「北野天満宮」。
「あ、お店やってる~」
 
境内の東側に看板を見つけました。何度も「北野天満宮」を訪れているミモロですが、いつも開いていず、今まで行ったことがなかったのです。


大きな木造の歴史を感じさせる店構え。この日は、店先に品がずらりと並んでいます。

 
ここで売られているのは「長五郎餅」という小さめな大福のようなお餅です。薄皮の餅の中にこしあんが入っています。

この「長五郎餅」の歴史は、なんと豊臣秀吉にさかのぼります。
餅の歴史を語る看板によると・・・・
なんでも今から400年以上前の天正年間に、北野天満宮の天神市の日になると、出店している店に餅を数個売って帰る老人がいて、その餅は次第に評判になったそう。

そんな折、天正15年(1587)に豊臣秀吉が「北野天満宮」で大茶会を催すことになり、身分の上下の区別なく、多くの人に参加を呼びかける高札が市中に立てられました。その老人も仲間に誘われ、茶屋を出すことに。
この北野大茶会は、大層盛大なもので、参加者も多く、茶屋だけでも1500軒以上が、天満宮一帯に並んだそう。
秀吉は、それらの茶屋を見て回ったときに、偶然、この老人の茶屋に足を止め、その餅を食べたところ、とても気に入ってその小さな餅に、老人の名である「長五郎餅」と名乗るように命名されたのだそう。

以後、この「長五郎餅」は、人々の注目するところとなり、天満宮の名物になりました。

もちろん長五郎の店は繁盛し、現在は、天満宮から5分ほどの場所に大きな店舗を構える「長五郎餅本舗」になっています。

「北野天満宮」には、毎月25日の天神市の縁日の時だけ、この場所で店と茶店が開かれます。
でも、梅の時期は、毎週末もオープンします。

「お餅どんな味だろ?」とミモロ。「今なら茶屋に席が空いてますから、そちらでどうぞ~」とお店の方。

「ホント、お餅2個と煎茶か抹茶が味わえるんだ~」


入口でお茶券を購入して奥に進みます。ミモロは煎茶を注文しました。
「わ~なんか暗いけど、雰囲気ある茶店・・・。きっと昔からこんな感じだったんだろうなぁ~」

吹き抜けの天井から差し込む光が、店内を照らしています。毛氈が敷かれた床几の上には、古い火鉢が置かれ、まだ肌寒く感じるお客の手を温めてくれます。

「え~と、煎茶とお餅2個セットは、380円でしょ。6個入りの箱だと907円ってことは、1個150円くらいのお餅なんだ~」とミモロ。あのね~変な計算しないの…ちなみに抹茶の場合は、540円です。
「お茶のお替わりあるかな~」と。う~たぶんないと思うけど…。


そうこうしているうちに、ミモロの前にお茶とお餅が運ばれました。「わ~い」と嬉しそうなミモロ。

「これ、秀吉さまも食べたお餅でしょ…」と、目を細めながら味わいます。

きっと北野大茶会には、もっと華やかなお菓子も多数登場したはず…。でも秀吉が気に入ったのは、意外に素朴なお餅でした。「きっと昔を思って懐かしかったんじゃないの~」と勝手に想像するミモロ。

茶会には、秀吉自慢の名物茶道具がズラリ披露され、あの黄金の茶室も飾られたそう。拝殿のまわりには、4軒の茶席が設けられ、秀吉をはじめ、千利休、津田宗及、今井宗休が、参加者に茶を点てたと伝えられます。
「わ~豪華な顔ぶれ~。茶道ファンなら、絶対行きたい茶席だね~」とミモロ。

あまりの賑わいに、当日、倒れる人まで出るほどだったとか。まさに一大イベントです。

秀吉は、京都で人気が高い人物。醍醐の花見なども開催し、京都の庶民にその華やかな力を誇るイベントで人気を不動のものに。「う~家康さんとか徳川家って、あんまり庶民向けのイベントやってないもんね~」とミモロ。
京都と関わりの深い秀吉に比べ、江戸に拠点を置く徳川家は、どうしても庶民にとっては馴染み薄の存在だったのかもしれません。もちろん徳川家も、京都各所の神社仏閣の修復や造営などに尽力したものの、将軍が京都の町を訪れたのは、家康、家光と家茂、慶喜ぐらいで、すべて上洛には、なんらかの政治的意図が色濃く漂います。

「自分の用事がないと、徳川家の将軍様は、京都に来なかったんだよね~。もっと来ればよかったのに~お金出すだけじゃだめだよね~」とミモロ。
う~新幹線で簡単に来れない時代ですし、将軍が動くというのは、大変なことだから…仕方なかったんじゃないの…

でも、確かに、3代将軍家光が上洛し、後水尾天皇に娘和子が入内した寛永年間から、14代将軍家茂が上洛するまで230年以上も、どの将軍も京都に来ていません。もっと来ていたら、幕末の歴史も変わっていたかも…。
「やっぱりお手紙やメールだけじゃ、人の関係深まらないよね~直接会わないと…」とミモロ。
う~それは現代にも通じることかもしれません。

さて、話を「長五郎餅」に戻しましょ。

「う~ほんのり甘くて美味しかった~」とミモロは、2個ともペロリ。
帰りには、再び売店を覗きます。


「長五郎餅」は、本店で通常いつでも販売されています。毎月25日に「北野天満宮」に来れない方は、「長五郎餅本舗本店」へ。そこでもお茶とお餅がいただけます。


「さあ、また梅見物しよう~」
 

境内に漂う梅の香りに包まれながら、気持ちよい春の日を楽しむミモロでした。


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