お腹もいっぱい。さぁ歩きましょミモロ!
猿沢池から、興福寺はすぐそこ。階段を上がれば境内に入ります。平安時代まで藤原氏の氏寺として、大和随一の壮大な伽藍があったそう。「すごかったんだね。でも昔なら、ミモロはここに入れないね」。そう歴史的な建造物は、みな創建当時は、とても庶民は入れない場所。「今でよかった!昔、ここでどんなことがあったんだろう?」ミモロの想像は膨らみます。
ミモロが見上げる五重塔は、室町時代に再建されたもの。でも天平2(730)年に光明皇后により建立された塔は、法隆寺の五重塔を凌ぐ45mの高さを誇り、当時、日本最高の高い塔でした。「天平時代のスカイツリーなんだ!」。そう当時の人も、今と同じように、遠くから毎日この塔ができるのを見て、きっとワクワクしていたのかもしれませんね。
今、興福寺では再建が進んでいます。ミモロが座る石は、中金堂跡の礎石。「大きな建物だったんだね。すごーい!」ミモロの体がいっそう小さく見え
るほどの大きな礎石です。
ミモロが会うのを楽しみにする阿修羅像は、国宝館の中。人気だけに一番奥まったところに、その姿がありました。阿修羅像は、国宝の乾漆八部衆立像のひとつ。彼だけではなく、他の像もなかなかの美少年揃い。まさに天平のジャニーズというところ。「誰がモデルだったんだろ?会ってみたいなぁ」ミモロはうっとりと像を見上げます。
さて、興福寺から次に向ったのは、大仏がいらっしゃる東大寺。歩けば20分ぐらいでしょうか、でも奈良公園からバスで近くまでゆくことに。
東大寺の門前道には、鹿がいっぱいたむろして、鹿煎餅をねだっています。
「鹿さん、お願い、そんなに見つめないで・・・。ミモロはお煎餅じゃありませんよ」
珍しいそうに見つめる鹿の視線にミモロはたじたじ。
昨年、遷都1300年祭で賑わった東大寺。国の泰平を願った聖武天皇と光明皇后の思いが詰まった大仏像が鎮座する大きな大仏殿に、ミモロもピックリ。
でもカメラに近づくミモロの顔は、大仏より大きく見えます。
ここで、大仏殿を鑑賞する、とっておきのポイントをご紹介。二月堂に続く道の途中で、大仏殿の東側にあたる場所のベンチです。特に、夕方の美しさは、本当に見事。大仏殿の屋根にある角のような金色の部分(シビ)が、夕陽を受けていっそう輝いて見えます。「奈良って、すごく大きいね」。ミモロは、奈良のスケールの大きさに感激します。
さぁ、お日様も傾いてきました。ミモロ、早く町中に戻りましょ。