今日はリクエストに応えて、友だちの恋愛を取り上げたい。それは、「人は何のために生きるか」といった哲学的な思索のためではなく、人は何を求めているのかをちょっと考えてみたいと思うからだ。「人は何のために生きるのか」の答えを私は用意できない。今は「生きているから」という消極的な答えしか出てこない。けれども、自分を見てみても、何かを求めているから生きているような気がしてならない。
友だちには妻子がある。しかも彼は、妻と彼の関係を「セラピストと患者」のようなものだと書いている。だからこそ「セラピストと患者という女房と私の関係が崩れるのが、何よりも怖かった」と告白している。彼は、12年間も付き合ってきた女性に「友だち以上、恋人未満」を望んだ。それは彼の現実を冷静に見る能力と現実に支配された彼の欲望の妥協の産物だった。けれども、ダンナと別れた彼女は本当にそれでよかったのか。
彼は恋愛にあこがれていたが、「私が死ぬほど愛した」彼女から、もし結婚を迫られたならどうするつもりだったのだろう。彼女は、彼が女房と離婚し、自分と結婚などしないことを充分に承知していたのではないかと私は思っている。彼がまだ40代の働き盛りの時に、二人は出会っている。この時なら、二人はまだやり直しができたのかもしれない。けれども今、彼は退職して年金暮らしだ。先の見通しは無いのだから、二人が暮らしていけるストーリーはないはずだ。
彼も彼女も当然、もうすぐ終わりが来ることを知っていただろう。終わりが来ることも知らずに、「友だち以上、恋人未満」を続けていたとしたなら、それはいったい何だったのだろう。「恋ではない」と言い聞かせている「恋」のために、何も見たくなかったのだろうか。二人は本当に「今までの恋愛の概念を越えたステージ」を目指していたのだろうか。
彼は嫉妬から、彼女を「尻軽女!」とののしった。彼女は「あんなに屈辱され、ののしられたのは生まれて初めて。楽しい思いでも全部消えてしまいました。あなたにとって、私は尻軽女ですから、早く忘れてください」とメールを送ってきた。12年間、「友だち以上、恋人未満」を続けてきたのに、まるで熟年男女の痴情的な破局である。それでも彼はそれから半年間、「思い出を棄てる時は、私が死ぬ時」「叫び続けても、声は女に届かない」「それで ほんとにいいの」「すれ違う二人の魂」「もう一度、付き合うチャンスがほしい」などなど、ブログで彼女にメッセージを送り続けてきた。
昨日の彼のブログは「感触が確信に変わった瞬間だった」と題し、「最後に彼女は私に向かって言った。『これからも二人で、いい思い出を作ることに、私は異存ないわよ』。感触が確信に変わった瞬間だった」と結んでいた。男と女というものは学校の試験のようには答えが出ないものだと改めて思い知った。
友だちには妻子がある。しかも彼は、妻と彼の関係を「セラピストと患者」のようなものだと書いている。だからこそ「セラピストと患者という女房と私の関係が崩れるのが、何よりも怖かった」と告白している。彼は、12年間も付き合ってきた女性に「友だち以上、恋人未満」を望んだ。それは彼の現実を冷静に見る能力と現実に支配された彼の欲望の妥協の産物だった。けれども、ダンナと別れた彼女は本当にそれでよかったのか。
彼は恋愛にあこがれていたが、「私が死ぬほど愛した」彼女から、もし結婚を迫られたならどうするつもりだったのだろう。彼女は、彼が女房と離婚し、自分と結婚などしないことを充分に承知していたのではないかと私は思っている。彼がまだ40代の働き盛りの時に、二人は出会っている。この時なら、二人はまだやり直しができたのかもしれない。けれども今、彼は退職して年金暮らしだ。先の見通しは無いのだから、二人が暮らしていけるストーリーはないはずだ。
彼も彼女も当然、もうすぐ終わりが来ることを知っていただろう。終わりが来ることも知らずに、「友だち以上、恋人未満」を続けていたとしたなら、それはいったい何だったのだろう。「恋ではない」と言い聞かせている「恋」のために、何も見たくなかったのだろうか。二人は本当に「今までの恋愛の概念を越えたステージ」を目指していたのだろうか。
彼は嫉妬から、彼女を「尻軽女!」とののしった。彼女は「あんなに屈辱され、ののしられたのは生まれて初めて。楽しい思いでも全部消えてしまいました。あなたにとって、私は尻軽女ですから、早く忘れてください」とメールを送ってきた。12年間、「友だち以上、恋人未満」を続けてきたのに、まるで熟年男女の痴情的な破局である。それでも彼はそれから半年間、「思い出を棄てる時は、私が死ぬ時」「叫び続けても、声は女に届かない」「それで ほんとにいいの」「すれ違う二人の魂」「もう一度、付き合うチャンスがほしい」などなど、ブログで彼女にメッセージを送り続けてきた。
昨日の彼のブログは「感触が確信に変わった瞬間だった」と題し、「最後に彼女は私に向かって言った。『これからも二人で、いい思い出を作ることに、私は異存ないわよ』。感触が確信に変わった瞬間だった」と結んでいた。男と女というものは学校の試験のようには答えが出ないものだと改めて思い知った。